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第一部「ハルコン少年期」
08 高まる名声_01
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辺りが暗く、誰もが寝静まっている時間。ハルコンは、ふと目がパチリと覚めた。
部屋には時計などないため、正確な時間はワカらない。でも、きっと遅い時間だと思った。
そんな静寂の中、ハルコンは何となくだけど不吉な予感に苛まれた。
何だろう? ウチの屋敷に、何か人のいる気配がするんだけど。
ハルコンは居ても立っても居られず、体を起こそうと試みた。
だが、あいにく今の自分は赤子の姿。最近ようやく、一人で寝返りを打つことができるようになった程度。
ハルコンの心臓は早鐘を打ち、全身の血流が焦りとなって身体中を駆け回る。
あぁ、……何だろう。私が賊に殴り殺された時のこと、思い出しちゃった。
程なくして、ハルコンのいる室内のドアがガチャリと鳴り、全身黒い装束に身を包んだ男達数名が入ってくる。
「いたぞ、……。その赤ん坊だな!」
小声の賊の声。
ハルコンは自分がターゲットだと知り、全身に冷水を浴びせられたような気分になる。
ここで泣き喚くか? いや、それともいったん大人しくして、無抵抗主義に徹するか?
「ソイツに間違いねぇ。いいから早く回収しろっ!」
「へいっ」
男達は小声でやり取りしているところから、おそらく荒事にはしたくないのだろうと、ハルコンは思った。
それにしてもさ、……セイントーク家のセーフティって、まるでザルだな。
警備に金がかかるからって、騎士爵数名しか置いていないんだから、まぁそれも仕方がないんだろうけど。
ハルコンは泣き喚いたりせず、大人しく誘拐されるルートを選択した。
とりあえず、女盗賊さんにだけ、この状況を「天啓」で伝えておこう。彼女なら、きっと上手くやってくれるはず!
それから数十分後。男達とハルコンを乗せた馬車は、夜闇に紛れながらロスシルド領境に向けてひた走っていた。
くそっ! 眠いのに全くっ! それに毛布が薄いから、寒いったらありゃしないっ!!
ハルコンは忌々しく思いつつも、まだ幼い姉のサリナや兄達が誘拐されず、ターゲットが自分であったため、内心ではホッとしていた。
おそらく姉達では、拐かされた際に怖くなって泣き騒いでしまい、その際、賊にどんな酷い目に遭わされるかワカったもんではないからだ。
ハルコンは今、頭の中がかなりクリアに研ぎ澄まされていた。
女盗賊は既にこちらに向かって進行中だし、ぬかりなく事は進んでいると言っていいだろう。
だから、ハルコンはいささかも泣き喚くことなく、淡々と馬車の黒装束の男達をじっと見つめ、その視覚野に入った映像を、継続的に女盗賊の頭の中に放り込んでいるのだ。
彼女の思念に同調していると、これから如何に賊を始末するか、とても恐ろしい映像が入り込んでくる。
まぁ、仕方ないよね。この賊達、それだけ悪いことやってくれちゃってるんだからさ。
「それにしても、このガキ。全く泣き喚いたりしやしねぇ。薄気味悪いったらねぇわっ!」
賊の一人が、眉間に皺を寄せて吐き捨てるように言う。
「だな。まぁお貴族様がセイントークのガキを攫ってきたら、金貨を40枚寄越すっつぅんだ。だったら、こんなガキでもかわいいっつぅもんだよなっ!」
「違いねぇっ!」
そう言って笑い合う男達。
ふぅ~ん、お貴族様ねぇ。ざっと見て、実行犯の賊は5名。
さて、コイツらのアジトには、残り何人が潜伏しているのやら。
それにさ、……お貴族様とやらの痕跡は、まだ残っているのかな?
部屋には時計などないため、正確な時間はワカらない。でも、きっと遅い時間だと思った。
そんな静寂の中、ハルコンは何となくだけど不吉な予感に苛まれた。
何だろう? ウチの屋敷に、何か人のいる気配がするんだけど。
ハルコンは居ても立っても居られず、体を起こそうと試みた。
だが、あいにく今の自分は赤子の姿。最近ようやく、一人で寝返りを打つことができるようになった程度。
ハルコンの心臓は早鐘を打ち、全身の血流が焦りとなって身体中を駆け回る。
あぁ、……何だろう。私が賊に殴り殺された時のこと、思い出しちゃった。
程なくして、ハルコンのいる室内のドアがガチャリと鳴り、全身黒い装束に身を包んだ男達数名が入ってくる。
「いたぞ、……。その赤ん坊だな!」
小声の賊の声。
ハルコンは自分がターゲットだと知り、全身に冷水を浴びせられたような気分になる。
ここで泣き喚くか? いや、それともいったん大人しくして、無抵抗主義に徹するか?
「ソイツに間違いねぇ。いいから早く回収しろっ!」
「へいっ」
男達は小声でやり取りしているところから、おそらく荒事にはしたくないのだろうと、ハルコンは思った。
それにしてもさ、……セイントーク家のセーフティって、まるでザルだな。
警備に金がかかるからって、騎士爵数名しか置いていないんだから、まぁそれも仕方がないんだろうけど。
ハルコンは泣き喚いたりせず、大人しく誘拐されるルートを選択した。
とりあえず、女盗賊さんにだけ、この状況を「天啓」で伝えておこう。彼女なら、きっと上手くやってくれるはず!
それから数十分後。男達とハルコンを乗せた馬車は、夜闇に紛れながらロスシルド領境に向けてひた走っていた。
くそっ! 眠いのに全くっ! それに毛布が薄いから、寒いったらありゃしないっ!!
ハルコンは忌々しく思いつつも、まだ幼い姉のサリナや兄達が誘拐されず、ターゲットが自分であったため、内心ではホッとしていた。
おそらく姉達では、拐かされた際に怖くなって泣き騒いでしまい、その際、賊にどんな酷い目に遭わされるかワカったもんではないからだ。
ハルコンは今、頭の中がかなりクリアに研ぎ澄まされていた。
女盗賊は既にこちらに向かって進行中だし、ぬかりなく事は進んでいると言っていいだろう。
だから、ハルコンはいささかも泣き喚くことなく、淡々と馬車の黒装束の男達をじっと見つめ、その視覚野に入った映像を、継続的に女盗賊の頭の中に放り込んでいるのだ。
彼女の思念に同調していると、これから如何に賊を始末するか、とても恐ろしい映像が入り込んでくる。
まぁ、仕方ないよね。この賊達、それだけ悪いことやってくれちゃってるんだからさ。
「それにしても、このガキ。全く泣き喚いたりしやしねぇ。薄気味悪いったらねぇわっ!」
賊の一人が、眉間に皺を寄せて吐き捨てるように言う。
「だな。まぁお貴族様がセイントークのガキを攫ってきたら、金貨を40枚寄越すっつぅんだ。だったら、こんなガキでもかわいいっつぅもんだよなっ!」
「違いねぇっ!」
そう言って笑い合う男達。
ふぅ~ん、お貴族様ねぇ。ざっと見て、実行犯の賊は5名。
さて、コイツらのアジトには、残り何人が潜伏しているのやら。
それにさ、……お貴族様とやらの痕跡は、まだ残っているのかな?
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