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第一部「ハルコン少年期」
08 高まる名声_06
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あれから数年。平和な日常が続くようになった頃、隣領の状況を報告しに、一級剣士が定期的にセイントーク領に戻ってきている。
本日もその日で、カイルズとソフィアは、一級剣士からシルウィット領の雰囲気や状況、ありとあらゆることを細かに聞いていた。
特に問題なのは、物資、財政の件についてだ。
どうやら当主ローレルの経営は何とか帳尻を合わせている現状で、部下達もさ程優秀ではないらしい。
コネ採用で官吏に登用した近隣貴族の3男坊達が、とにかくまともに働かない。
その様子を一級剣士の口から直接語られると、カイルズとソフィアは思わず眉を顰めた。
ハルコンは、今回もまた一級剣士の思念に同調することで、両親の様子を探っている。
「最近だが、隣領で横流しが発覚した。その尻ぬぐいに他の官吏達が余計に働いている状況で、……我には、とても目も当てられない次第と言えるか」
「ふむ、……」
一級剣士の言葉に、カイルズは頭を抱え込んでしまった。
「あなた、……」
ソフィアも、心配そうにカイルズの肩にそっと手を触れた。
「さて、……カイルズ殿、貴殿は我に何を求められるか? まだ現状では、ローレル殿と一部の官吏達の頑張りのおかげで、シルウイット領の存続も危ぶまれる程ではないのだが、……」
「一級剣士殿には、引き続き要人警護と領の軍事の補佐をお願いしたい。私はローレル殿を信頼している。それだけ伝われば、申し分ないだろう」
「了解した、カイルズ殿」
ここで、3人はいったん緊張の糸をほぐす。
「ところで、一級剣士殿。ローレル殿の娘がすくすくと成長して、とても可愛らしいと噂が立っているのだが、……」
カイルズは、少しだけ笑みを交えて話しかけた。
「ほう。ミラ嬢のことであるな?」
「確かに」
ここで、一級剣士は顎に手をやってニヤニヤとすると、
「ミラ嬢は、おそらく東方3領一の美女となろう。性格も明るく活発で、とても優しく素直な少女であるな。将来は、近隣の貴族家全てから婚姻の申し出を集めることは間違いないな」
「それは、とても素晴らしいですね」
ソフィアも優しく微笑んだ。
「我々セイントーク家は、将来ハルコンとミラ嬢を結婚させてはどうかと考えている。そのためには、シルウィット家が万事安泰であって貰わないと困るのだ!」
「ほう。ハルコン殿をミラ嬢と、……なるほど、それは良いお考えだ!」
ここで、一級剣士は我が意を得たりとばかりに、大いに頷いた。
「とにかく、早いウチに、一度ミラ嬢とは会ってみたいものだな」
カイルズの言葉に、ソフィアも同じ考えなのか笑顔で頷いていた。
ハルコンは思った。私はまだ4歳になったばかりだぞ。貴族家って、こんな幼児の段階で将来の相手を決められてしまうのかと。
でも、一級剣士の思念に同調していると、彼もまたカイルズの案に大いに賛成している様子。
なら、ハルコン自身の考えはどうだろう?
すると、自ずと見えてくることがある。
剣士にとても懐いているミラは、屋敷内を絶えず付いて回っていて、その愛らしさや一生懸命な様は、ハルコンの目から見ても、なかなか魅力的で素晴らしい少女に思われた。
とりあえず、一度直接会ってみてから。先ずは友人からスタートかな?
そうハルコンは考えていた。
あれから数年。平和な日常が続くようになった頃、隣領の状況を報告しに、一級剣士が定期的にセイントーク領に戻ってきている。
本日もその日で、カイルズとソフィアは、一級剣士からシルウィット領の雰囲気や状況、ありとあらゆることを細かに聞いていた。
特に問題なのは、物資、財政の件についてだ。
どうやら当主ローレルの経営は何とか帳尻を合わせている現状で、部下達もさ程優秀ではないらしい。
コネ採用で官吏に登用した近隣貴族の3男坊達が、とにかくまともに働かない。
その様子を一級剣士の口から直接語られると、カイルズとソフィアは思わず眉を顰めた。
ハルコンは、今回もまた一級剣士の思念に同調することで、両親の様子を探っている。
「最近だが、隣領で横流しが発覚した。その尻ぬぐいに他の官吏達が余計に働いている状況で、……我には、とても目も当てられない次第と言えるか」
「ふむ、……」
一級剣士の言葉に、カイルズは頭を抱え込んでしまった。
「あなた、……」
ソフィアも、心配そうにカイルズの肩にそっと手を触れた。
「さて、……カイルズ殿、貴殿は我に何を求められるか? まだ現状では、ローレル殿と一部の官吏達の頑張りのおかげで、シルウイット領の存続も危ぶまれる程ではないのだが、……」
「一級剣士殿には、引き続き要人警護と領の軍事の補佐をお願いしたい。私はローレル殿を信頼している。それだけ伝われば、申し分ないだろう」
「了解した、カイルズ殿」
ここで、3人はいったん緊張の糸をほぐす。
「ところで、一級剣士殿。ローレル殿の娘がすくすくと成長して、とても可愛らしいと噂が立っているのだが、……」
カイルズは、少しだけ笑みを交えて話しかけた。
「ほう。ミラ嬢のことであるな?」
「確かに」
ここで、一級剣士は顎に手をやってニヤニヤとすると、
「ミラ嬢は、おそらく東方3領一の美女となろう。性格も明るく活発で、とても優しく素直な少女であるな。将来は、近隣の貴族家全てから婚姻の申し出を集めることは間違いないな」
「それは、とても素晴らしいですね」
ソフィアも優しく微笑んだ。
「我々セイントーク家は、将来ハルコンとミラ嬢を結婚させてはどうかと考えている。そのためには、シルウィット家が万事安泰であって貰わないと困るのだ!」
「ほう。ハルコン殿をミラ嬢と、……なるほど、それは良いお考えだ!」
ここで、一級剣士は我が意を得たりとばかりに、大いに頷いた。
「とにかく、早いウチに、一度ミラ嬢とは会ってみたいものだな」
カイルズの言葉に、ソフィアも同じ考えなのか笑顔で頷いていた。
ハルコンは思った。私はまだ4歳になったばかりだぞ。貴族家って、こんな幼児の段階で将来の相手を決められてしまうのかと。
でも、一級剣士の思念に同調していると、彼もまたカイルズの案に大いに賛成している様子。
なら、ハルコン自身の考えはどうだろう?
すると、自ずと見えてくることがある。
剣士にとても懐いているミラは、屋敷内を絶えず付いて回っていて、その愛らしさや一生懸命な様は、ハルコンの目から見ても、なかなか魅力的で素晴らしい少女に思われた。
とりあえず、一度直接会ってみてから。先ずは友人からスタートかな?
そうハルコンは考えていた。
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