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第一部「ハルコン少年期」
20 ハルコンとミラ、王立学校に入学する_04
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* *
「たははは、……とりあえず、今日は見学です、サリナさん」
「そうなのぉ? ミラちゃんなら即戦力だからさぁ、直ぐに『師範代』を任せられるのになぁ!」
本日のイベントの総監督を務めるサリナの言葉に、サークルの先輩達の顔つきが、一瞬険しく変わった。
これはマズいことになりかねないなぁと、……ハルコンは横で聞いていて、思わず心配になる。
ミラにとって、サリナ姉様は慣れない王都での生活にも、親身になってアドバイスしてくれるし、面倒見が凄くいいとハルコンは聞いていた。
だから順当に考えて、ミラはサリナ姉様のサークルに入会するのが正解なのかもしれないんだけどさ。
「ミラ、……とりあえず、私の兄様達のサークルにも顔を出しにいかない?」
「えっ? ハルコンのお兄様のサークルって、一体何をやっているんだろ?」
ミラは純粋に興味を持ったのか、つぶらな瞳でこちらを見つめてくる。
「そうだねぇ、……実はさ!」
「えぇ、セイントーク流合気術ですよ、ミラ!」
シルファー殿下が、横から被せ気味に、ニッコリ笑顔で教えてくれた。
実はこの合気術、ハルコンが発案者だ。
前世において、合気道五段の実力である晴子の知識と経験を基に、兄達にノウハウや考え方を教えていたのだ。
それは、直ぐに女盗賊をはじめとする大人達の耳に入った。
彼女はセイントーク領内の治安を担っていたため、新人向けの護身術としてこれはいいと、即断即決で合気術が採用されることになったのだ。
そして、セイントーク流合気術は、現在その門弟達がますます増えているという。
どうやら兄達は、王都にきた今でもサボらずにトレーニングを続けてくれているようで、ハルコンとしても何だか誇らしい気持ちになる。
「シルファー先輩、……それってハルコンの合気術ですよね? 私も興味がありますっ!」
「なら、そちらのサークルにも、これから顔を出しましょうか?」
ミラが頷いてニッコリと微笑むので、シルファー殿下も笑顔になった。
すると、サリナ姉がこう提案してきた。
「とりあえず、ミラちゃんはウチのサークルの『師範代』として登録させてね! できれば毎回参加して欲しいけど、王立学校ではサークルの掛け持ちも認められているからさ。兄様達の合気術のサークルも見学してきたらいいよ!」
その提案に、ミラがニッコリと微笑むと、姉もホッとしたように胸を撫で下ろしていた。
「なら、次はマルコムとケイザンのサークルを見にいきましょう!」
「「はいっ」」
殿下の言葉に、ハルコンとミラが揃って返事をする。
忙しい中、時間を作ってくれたサリナ姉に礼を言うと、シルファー殿下の先導で、再び校内を移動する。
先程までは人が多くてとても賑やかだったのに、段々と人けのないところに殿下は向かっていく。
ハルコンとミラは、何というか、兄達の現在の境遇を示しているようで、少しだけ不安になってきた。
「たははは、……とりあえず、今日は見学です、サリナさん」
「そうなのぉ? ミラちゃんなら即戦力だからさぁ、直ぐに『師範代』を任せられるのになぁ!」
本日のイベントの総監督を務めるサリナの言葉に、サークルの先輩達の顔つきが、一瞬険しく変わった。
これはマズいことになりかねないなぁと、……ハルコンは横で聞いていて、思わず心配になる。
ミラにとって、サリナ姉様は慣れない王都での生活にも、親身になってアドバイスしてくれるし、面倒見が凄くいいとハルコンは聞いていた。
だから順当に考えて、ミラはサリナ姉様のサークルに入会するのが正解なのかもしれないんだけどさ。
「ミラ、……とりあえず、私の兄様達のサークルにも顔を出しにいかない?」
「えっ? ハルコンのお兄様のサークルって、一体何をやっているんだろ?」
ミラは純粋に興味を持ったのか、つぶらな瞳でこちらを見つめてくる。
「そうだねぇ、……実はさ!」
「えぇ、セイントーク流合気術ですよ、ミラ!」
シルファー殿下が、横から被せ気味に、ニッコリ笑顔で教えてくれた。
実はこの合気術、ハルコンが発案者だ。
前世において、合気道五段の実力である晴子の知識と経験を基に、兄達にノウハウや考え方を教えていたのだ。
それは、直ぐに女盗賊をはじめとする大人達の耳に入った。
彼女はセイントーク領内の治安を担っていたため、新人向けの護身術としてこれはいいと、即断即決で合気術が採用されることになったのだ。
そして、セイントーク流合気術は、現在その門弟達がますます増えているという。
どうやら兄達は、王都にきた今でもサボらずにトレーニングを続けてくれているようで、ハルコンとしても何だか誇らしい気持ちになる。
「シルファー先輩、……それってハルコンの合気術ですよね? 私も興味がありますっ!」
「なら、そちらのサークルにも、これから顔を出しましょうか?」
ミラが頷いてニッコリと微笑むので、シルファー殿下も笑顔になった。
すると、サリナ姉がこう提案してきた。
「とりあえず、ミラちゃんはウチのサークルの『師範代』として登録させてね! できれば毎回参加して欲しいけど、王立学校ではサークルの掛け持ちも認められているからさ。兄様達の合気術のサークルも見学してきたらいいよ!」
その提案に、ミラがニッコリと微笑むと、姉もホッとしたように胸を撫で下ろしていた。
「なら、次はマルコムとケイザンのサークルを見にいきましょう!」
「「はいっ」」
殿下の言葉に、ハルコンとミラが揃って返事をする。
忙しい中、時間を作ってくれたサリナ姉に礼を言うと、シルファー殿下の先導で、再び校内を移動する。
先程までは人が多くてとても賑やかだったのに、段々と人けのないところに殿下は向かっていく。
ハルコンとミラは、何というか、兄達の現在の境遇を示しているようで、少しだけ不安になってきた。
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