333 / 595
第一部「ハルコン少年期」
38 サスパニア出張旅行 その1_07
* *
「つまり、……ハルコン殿は、何者かが毒物をこの小さな容器に入れて渡り鳥を飛ばし、コリンドでばら撒いたとお考えであるのか?」
「えぇ。ほとんど、それに近いですね」
「それに近い、……とは?」
一級剣士からそう訊ねられると、正直に自身の見解を伝えるべきだと強く思った。
「はい。先ほど容器に入っていた残留物を研究所で解析したところ、その中身は『フラワーインフルエンザ』であることが判明しました!」
ハルコンは、ここで自らの見解を、平易な言葉で正直にメンバー全員に伝えようと思った。
その考えによると、……容器に入った「フラワーインフルエンザ」に空気感染した渡り鳥の体内で、「鳥インフルエンザ」に先ず変異する。
その後で、感染した鳥の本体及び糞などから放出された「鳥インフルエンザ」が、休憩地の湖水エリアなどで同じ鳥同士の間で広く伝播する。
更に感染個体の増えた状態で、次は牛といった家畜などの哺乳類まで感染させる。
最終的に、その突然変異した「鳥インフルエンザ」が、今度はヒトを襲い始める、……という仕組みだ。
しかも、伝播するごとに「毒性」が増してくることも、加えてコメントした。
すると、その見解を聞いたメンバー達は、仕組みの巧妙性に非常に驚いたようだ。
「なるほど、ハルコン殿。渡り鳥ゆえにその移動速度を考えると、季節を跨ぐことになるのだが、……その点はどうお考えであるのか?」
「はい。むしろ、その方が好都合でしょうね。だって、誰がばら撒いたのか、証拠を上げることが非常に困難になりますからね」
「なるほど、……」
「はい。それこそが、生物兵器の極めて悪質な仕組みなんですね!」
その言葉を聞いて、質問した一級剣士だけでなく、女エルフや女占い師も苦い表情を浮かべた。
こんな極めて巧妙で悪質な生物兵器攻撃という発想は、地球でさえ漸く近代に出てきたものなのだから、……。
ここで、「私が質問してもよろしいでしょうか?」といって、大店の商人が手を上げた。
「つまり、ハルコン殿のお考えでは、先ず小さな容器に入った『フラワーインフルエンザ』では、ヒトには感染しないと。その渡り鳥の体内で一度変異させることで、鳥からヒトへと感染させる、……というワケですかな?」
「はい、仰るとおりです」
大店の商人の問いかけに対しこちらが素直に頷くと、他のメンバー達も納得したようにうんうんと頷いた。
すると、先ほどより容器が開閉する仕組みを調べていたドワーフの親方が、開口部をパカパカと開け閉めさせながらコメントを始めた。
「ワシは、この容器が何かのきっかけで開閉するギミックに、関心があるのぅ。まぁ、その中身が『インフルエンザ』というウイルス? それだけで、眩暈がしそうだわい!」
そう言って、親方が怪訝な表情を浮かべると、メンバー達もそれに同調した。
「で、ハルコン坊。これだけ緻密で壮大な仕組みを思いついたヤツが、仮にサスパニアにおるとして、……。これから現地にいってどうするのかのぅ?」
その質問に、メンバー達も同じ考えに至ったのだろう。
この席の誰もが強い関心を示した様子で、……。こちらの見解を聞こうと、じっと見てきた。
「つまり、……ハルコン殿は、何者かが毒物をこの小さな容器に入れて渡り鳥を飛ばし、コリンドでばら撒いたとお考えであるのか?」
「えぇ。ほとんど、それに近いですね」
「それに近い、……とは?」
一級剣士からそう訊ねられると、正直に自身の見解を伝えるべきだと強く思った。
「はい。先ほど容器に入っていた残留物を研究所で解析したところ、その中身は『フラワーインフルエンザ』であることが判明しました!」
ハルコンは、ここで自らの見解を、平易な言葉で正直にメンバー全員に伝えようと思った。
その考えによると、……容器に入った「フラワーインフルエンザ」に空気感染した渡り鳥の体内で、「鳥インフルエンザ」に先ず変異する。
その後で、感染した鳥の本体及び糞などから放出された「鳥インフルエンザ」が、休憩地の湖水エリアなどで同じ鳥同士の間で広く伝播する。
更に感染個体の増えた状態で、次は牛といった家畜などの哺乳類まで感染させる。
最終的に、その突然変異した「鳥インフルエンザ」が、今度はヒトを襲い始める、……という仕組みだ。
しかも、伝播するごとに「毒性」が増してくることも、加えてコメントした。
すると、その見解を聞いたメンバー達は、仕組みの巧妙性に非常に驚いたようだ。
「なるほど、ハルコン殿。渡り鳥ゆえにその移動速度を考えると、季節を跨ぐことになるのだが、……その点はどうお考えであるのか?」
「はい。むしろ、その方が好都合でしょうね。だって、誰がばら撒いたのか、証拠を上げることが非常に困難になりますからね」
「なるほど、……」
「はい。それこそが、生物兵器の極めて悪質な仕組みなんですね!」
その言葉を聞いて、質問した一級剣士だけでなく、女エルフや女占い師も苦い表情を浮かべた。
こんな極めて巧妙で悪質な生物兵器攻撃という発想は、地球でさえ漸く近代に出てきたものなのだから、……。
ここで、「私が質問してもよろしいでしょうか?」といって、大店の商人が手を上げた。
「つまり、ハルコン殿のお考えでは、先ず小さな容器に入った『フラワーインフルエンザ』では、ヒトには感染しないと。その渡り鳥の体内で一度変異させることで、鳥からヒトへと感染させる、……というワケですかな?」
「はい、仰るとおりです」
大店の商人の問いかけに対しこちらが素直に頷くと、他のメンバー達も納得したようにうんうんと頷いた。
すると、先ほどより容器が開閉する仕組みを調べていたドワーフの親方が、開口部をパカパカと開け閉めさせながらコメントを始めた。
「ワシは、この容器が何かのきっかけで開閉するギミックに、関心があるのぅ。まぁ、その中身が『インフルエンザ』というウイルス? それだけで、眩暈がしそうだわい!」
そう言って、親方が怪訝な表情を浮かべると、メンバー達もそれに同調した。
「で、ハルコン坊。これだけ緻密で壮大な仕組みを思いついたヤツが、仮にサスパニアにおるとして、……。これから現地にいってどうするのかのぅ?」
その質問に、メンバー達も同じ考えに至ったのだろう。
この席の誰もが強い関心を示した様子で、……。こちらの見解を聞こうと、じっと見てきた。
あなたにおすすめの小説
元チート大賢者の転生幼女物語
こずえ
ファンタジー
(※不定期更新なので、毎回忘れた頃に更新すると思います。)
とある孤児院で私は暮らしていた。
ある日、いつものように孤児院の畑に水を撒き、孤児院の中で掃除をしていた。
そして、そんないつも通りの日々を過ごすはずだった私は目が覚めると前世の記憶を思い出していた。
「あれ?私って…」
そんな前世で最強だった小さな少女の気ままな冒険のお話である。
うっかり女神さまからもらった『レベル9999』は使い切れないので、『譲渡』スキルで仲間を強化して最強パーティーを作ることにしました
akairo
ファンタジー
「ごめんなさい!貴方が死んだのは私のクシャミのせいなんです!」
帰宅途中に工事現場の足台が直撃して死んだ、早良 悠月(さわら ゆずき)が目覚めた目の前には女神さまが土下座待機をして待っていた。
謝る女神さまの手によって『ユズキ』として転生することになったが、その直後またもや女神さまの手違いによって、『レベル9999』と職業『譲渡士』という謎の職業を付与されてしまう。
しかし、女神さまの世界の最大レベルは99。
勇者や魔王よりも強いレベルのまま転生することになったユズキの、使い切ることもできないレベルの使い道は仲間に譲渡することだった──!?
転生先で出会ったエルフと魔族の少女。スローライフを掲げるユズキだったが、二人と共に世界を回ることで国を巻き込む争いへと巻き込まれていく。
※9月16日
タイトル変更致しました。
前タイトルは『レベル9999は転生した世界で使い切れないので、仲間にあげることにしました』になります。
仲間を強くして無双していく話です。
『小説家になろう』様でも公開しています。
世界一簡単にレベルアップ ~魔物を倒すだけでレベルが上がる能力を得た俺は、弱小の魔物を倒しまくって異世界でハーレム作る事にしました~
きよらかなこころ
ファンタジー
シンゴはある日、事故で死んだ。
どうやら、神の手違いで間違って死んでしまったシンゴは異世界に転生することになる。
転生する際にオマケに『魔物を倒すだけでレベルが上がる』能力を貰ったシンゴ。
弱小の魔物を倒してレベルを上げ、異世界でハーレムを作る事を企むのだった。
外れスキルは、レベル1!~異世界転生したのに、外れスキルでした!
武蔵野純平
ファンタジー
異世界転生したユウトは、十三歳になり成人の儀式を受け神様からスキルを授かった。
しかし、授かったスキルは『レベル1』という聞いたこともないスキルだった。
『ハズレスキルだ!』
同世代の仲間からバカにされるが、ユウトが冒険者として活動を始めると『レベル1』はとんでもないチートスキルだった。ユウトは仲間と一緒にダンジョンを探索し成り上がっていく。
そんなユウトたちに一人の少女た頼み事をする。『お父さんを助けて!』
【改稿版】休憩スキルで異世界無双!チートを得た俺は異世界で無双し、王女と魔女を嫁にする。
ゆう
ファンタジー
剣と魔法の異世界に転生したクリス・レガード。
剣聖を輩出したことのあるレガード家において剣術スキルは必要不可欠だが12歳の儀式で手に入れたスキルは【休憩】だった。
しかしこのスキル、想像していた以上にチートだ。
休憩を使いスキルを強化、更に新しいスキルを獲得できてしまう…
そして強敵と相対する中、クリスは伝説のスキルである覇王を取得する。
ルミナス初代国王が有したスキルである覇王。
その覇王発現は王国の長い歴史の中で悲願だった。
それ以降、クリスを取り巻く環境は目まぐるしく変化していく……
※アルファポリスに投稿した作品の改稿版です。
ホットランキング最高位2位でした。
カクヨムにも別シナリオで掲載。
異世界転生したらたくさんスキルもらったけど今まで選ばれなかったものだった~魔王討伐は無理な気がする~
宝者来価
ファンタジー
俺は異世界転生者カドマツ。
転生理由は幼い少女を交通事故からかばったこと。
良いとこなしの日々を送っていたが女神様から異世界に転生すると説明された時にはアニメやゲームのような展開を期待したりもした。
例えばモンスターを倒して国を救いヒロインと結ばれるなど。
けれど与えられた【今まで選ばれなかったスキルが使える】 戦闘はおろか日常の役にも立つ気がしない余りものばかり。
同じ転生者でイケメン王子のレイニーに出迎えられ歓迎される。
彼は【スキル:水】を使う最強で理想的な異世界転生者に思えたのだが―――!?
※小説家になろう様にも掲載しています。
少し冷めた村人少年の冒険記
mizuno sei
ファンタジー
辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。
トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。
優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。
レベル上限5の解体士 解体しかできない役立たずだったけど5レベルになったら世界が変わりました
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
前世で不慮な事故で死んだ僕、今の名はティル
異世界に転生できたのはいいけど、チートは持っていなかったから大変だった
孤児として孤児院で育った僕は育ての親のシスター、エレステナさんに何かできないかといつも思っていた
そう思っていたある日、いつも働いていた冒険者ギルドの解体室で魔物の解体をしていると、まだ死んでいない魔物が混ざっていた
その魔物を解体して絶命させると5レベルとなり上限に達したんだ。普通の人は上限が99と言われているのに僕は5おかしな話だ。
5レベルになったら世界が変わりました