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第一部「ハルコン少年期」
42 サスパニア出張旅行 その5_02
* *
「あぁ、見えてきました!」
先ほど私(ハルコン)と元女盗賊さんが馬車に連行されてから2、30分経過した頃のことだ。
明け方近くのまだ暗い時分に、首都エドモンドの街中を走っていたのだが、……。
どうやら、漸く目的地である首相官邸に到着できたようだ。
「そちらの場所に、石原さんがお待ちなのですね?」
「えぇ。ハルコン殿には、是非ともお話を伺っておきたいことがありますので」
「……、そうですか」
一体、石原寛斎は、私に何の用事があるのだろう?
まぁ、……通常なら、仙薬エリクサーを他国同様に提供願いたいという話が予想される。
でも、そんな話なら、……。開発者の私ではなく、現在絶賛営業活動中の王族の誰かを、この国に招聘すればいいのではないだろうか?
だからこそ、わざわざ私を呼んだその目的が、女神様の件も含めて、何とも予測不能なことのように思われて、……。
ホンと正直な話、内心かなり不安なんだよ。
とにかく、一度ざっくばらんに石原寛斎と腹を割って話し合って、相手の真意を確かめておきたいんだよね。
「他国では通常我々開発者側ではなく、営業をご担当されている王族の方々を招聘されていらっしゃるのですが、……。でも、今回あなた方は、私本人にこちらに出向くよう要請されましたね?」
「……」
私の問いかけに対し、青年は笑顔で頷くのだけど、あくまで無言に徹している。
おそらく石原寛斎は、部下に対し余計なことを喋らせないよう、普段からよく言い聞かせているのだろう。
私の目から見て、この青年の態度や話しぶり、その内容などは、なかなか感心できるものだ。
ここで、あえてマネージメントという観点で述べるとするなら、……。
近現代の日本よりも精神構造で牧歌的というか、……。中世文明レベルのファルコニア界隈は、私にとって、まだあどけなさというか幼さが随所で見受けられる。
このファルコニアの世界に生きる人々は、基本タフでアグレッシブだ。
でも、……それと同時に、近現代の日本で前世を過ごしてきた私にとっては、かなり単純で明白な考えで人々が生きていることに、心配の念すら覚えることがしばしばあった。
おそらく、石原寛斎ら12名の情報将校らは、ここサスパニアの地で、私と同様の感想を抱いたのではないかと思われる。
そして、彼らは自分達の常識を基準としてこの世界を識別し、そして可能な限り自分達の意に適う形に加工していったのだろう。
それが、超常現象にも似た形で、この世界のあちらこちらに姿を現しているのだ。
ブロイラー方式による食糧自給システムの関連や、渡り鳥を利用した他国への生物兵器での攻撃、和食といった日本文化の急速な普及、などなど。
このファルコニアという異世界は、彼ら近現代の日本人にとって、ホンの息抜きで利用できる安息の地だったのではないかと、私には思えたのだ。
「最後にひとつ、……率直にお伺いしてもよろしいでしょうか?」
私は、目の前に座る青年将校の目をじっと見て、そう訊ねていた。
「あぁ、見えてきました!」
先ほど私(ハルコン)と元女盗賊さんが馬車に連行されてから2、30分経過した頃のことだ。
明け方近くのまだ暗い時分に、首都エドモンドの街中を走っていたのだが、……。
どうやら、漸く目的地である首相官邸に到着できたようだ。
「そちらの場所に、石原さんがお待ちなのですね?」
「えぇ。ハルコン殿には、是非ともお話を伺っておきたいことがありますので」
「……、そうですか」
一体、石原寛斎は、私に何の用事があるのだろう?
まぁ、……通常なら、仙薬エリクサーを他国同様に提供願いたいという話が予想される。
でも、そんな話なら、……。開発者の私ではなく、現在絶賛営業活動中の王族の誰かを、この国に招聘すればいいのではないだろうか?
だからこそ、わざわざ私を呼んだその目的が、女神様の件も含めて、何とも予測不能なことのように思われて、……。
ホンと正直な話、内心かなり不安なんだよ。
とにかく、一度ざっくばらんに石原寛斎と腹を割って話し合って、相手の真意を確かめておきたいんだよね。
「他国では通常我々開発者側ではなく、営業をご担当されている王族の方々を招聘されていらっしゃるのですが、……。でも、今回あなた方は、私本人にこちらに出向くよう要請されましたね?」
「……」
私の問いかけに対し、青年は笑顔で頷くのだけど、あくまで無言に徹している。
おそらく石原寛斎は、部下に対し余計なことを喋らせないよう、普段からよく言い聞かせているのだろう。
私の目から見て、この青年の態度や話しぶり、その内容などは、なかなか感心できるものだ。
ここで、あえてマネージメントという観点で述べるとするなら、……。
近現代の日本よりも精神構造で牧歌的というか、……。中世文明レベルのファルコニア界隈は、私にとって、まだあどけなさというか幼さが随所で見受けられる。
このファルコニアの世界に生きる人々は、基本タフでアグレッシブだ。
でも、……それと同時に、近現代の日本で前世を過ごしてきた私にとっては、かなり単純で明白な考えで人々が生きていることに、心配の念すら覚えることがしばしばあった。
おそらく、石原寛斎ら12名の情報将校らは、ここサスパニアの地で、私と同様の感想を抱いたのではないかと思われる。
そして、彼らは自分達の常識を基準としてこの世界を識別し、そして可能な限り自分達の意に適う形に加工していったのだろう。
それが、超常現象にも似た形で、この世界のあちらこちらに姿を現しているのだ。
ブロイラー方式による食糧自給システムの関連や、渡り鳥を利用した他国への生物兵器での攻撃、和食といった日本文化の急速な普及、などなど。
このファルコニアという異世界は、彼ら近現代の日本人にとって、ホンの息抜きで利用できる安息の地だったのではないかと、私には思えたのだ。
「最後にひとつ、……率直にお伺いしてもよろしいでしょうか?」
私は、目の前に座る青年将校の目をじっと見て、そう訊ねていた。
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