419 / 595
第一部「ハルコン少年期」
44 サスパニア出張旅行 その7_04
* *
「それはそうとハルコン殿、……。今回、そちらの元女盗賊のお嬢さんをこの場に同行させたのは、何か考えがあってのことなのですかな?」
「はい。彼女は東方3領を中心に、人材育成と派遣業を営んでおります。最近では、私の勤めている王立研究所の増築工事の現場に、多くの職人と作業員を派遣させております」
まぁ正直に言って、ラスキン国王陛下と宰相様に、私(ハルコン)は元女盗賊さんを早いウチにお引き合わせしたかったんだよね。
今後の王宮の事業が順調に進むためにも、丁寧な仕事をする元女盗賊さんの事業所に業務委託できるといいなぁと思ってね。
だって、王宮にも元女盗賊さんにとっても、これはかなりいい話になると思ったんだ。
すると、陛下と無言で頷き合った宰相様が、興味深そうな表情で私をじっと見た。
「なるほど、ハルコン殿。貴殿の許には、これまた優秀な人材が集まるものですなぁ。では、元女盗賊殿、貴女にお訊ねしたいのですが、……。建築現場、土木現場の他に、どの分野で人を派遣することができますかな?」
私は、隣りに座る元女盗賊さんをちらりと窺った。
本日、彼女は夏用のフォーマルなパステル調のドレスに身を包み、顔には薄化粧を施している。
元々の美貌と相まって、最近は公的な場にも対応できるよう、いろいろと努力しているんだなぁと、思わず目を疑ったよ。
「宰相様、……本日はこのような場にお招き頂き、誠に感謝申し上げます」
そう言って、元女盗賊さんは貴族の子女がするように、ウフフと笑顔で頷いた。
何これっ!? まるでいつもの元女盗賊さんじゃないよっ!
大体、いつもだったら「宰相さまぁ、よか日に呼んでくれて、感謝でやす!」とか言ってニヤリと笑うところなんじゃないのっ!
そんなことを思いながら私が元女盗賊さんを見つめていると、彼女は少しだけ小首を傾げつつ、ウフフと笑顔で微笑み返された。
うわっ!? 大人って汚いっ!
まさか、異世界のファルコニアでも、営業スマイルを拝めるだなんて思わなかったよ!
「我が社では、土木建築の現場の他、各種商店員の派遣、事務員の派遣も行っております。最近では寺小屋の教員の派遣も行っておりますよ!」
「それは素晴らしい! 教育がこれからの国富のために、大いに重要ですからな。私の調査では、貴女の事業所では、獣人を始めとした屈強な傭兵部隊もおられるのだとか?」
「えぇ。おりますよ!」
「ほぅ。サスパニアにも今後防衛部隊を送ったりとか、……考えておられるか?」
そう言って、挑むように宰相様が元女盗賊さんの目の色を窺うと、……。
「うふふふふふ、……」
「はははははは、……」
2人は、そんな具合にお互いにいい笑顔で、……。声を出して笑い合った。
「それはそうとハルコン殿、……。今回、そちらの元女盗賊のお嬢さんをこの場に同行させたのは、何か考えがあってのことなのですかな?」
「はい。彼女は東方3領を中心に、人材育成と派遣業を営んでおります。最近では、私の勤めている王立研究所の増築工事の現場に、多くの職人と作業員を派遣させております」
まぁ正直に言って、ラスキン国王陛下と宰相様に、私(ハルコン)は元女盗賊さんを早いウチにお引き合わせしたかったんだよね。
今後の王宮の事業が順調に進むためにも、丁寧な仕事をする元女盗賊さんの事業所に業務委託できるといいなぁと思ってね。
だって、王宮にも元女盗賊さんにとっても、これはかなりいい話になると思ったんだ。
すると、陛下と無言で頷き合った宰相様が、興味深そうな表情で私をじっと見た。
「なるほど、ハルコン殿。貴殿の許には、これまた優秀な人材が集まるものですなぁ。では、元女盗賊殿、貴女にお訊ねしたいのですが、……。建築現場、土木現場の他に、どの分野で人を派遣することができますかな?」
私は、隣りに座る元女盗賊さんをちらりと窺った。
本日、彼女は夏用のフォーマルなパステル調のドレスに身を包み、顔には薄化粧を施している。
元々の美貌と相まって、最近は公的な場にも対応できるよう、いろいろと努力しているんだなぁと、思わず目を疑ったよ。
「宰相様、……本日はこのような場にお招き頂き、誠に感謝申し上げます」
そう言って、元女盗賊さんは貴族の子女がするように、ウフフと笑顔で頷いた。
何これっ!? まるでいつもの元女盗賊さんじゃないよっ!
大体、いつもだったら「宰相さまぁ、よか日に呼んでくれて、感謝でやす!」とか言ってニヤリと笑うところなんじゃないのっ!
そんなことを思いながら私が元女盗賊さんを見つめていると、彼女は少しだけ小首を傾げつつ、ウフフと笑顔で微笑み返された。
うわっ!? 大人って汚いっ!
まさか、異世界のファルコニアでも、営業スマイルを拝めるだなんて思わなかったよ!
「我が社では、土木建築の現場の他、各種商店員の派遣、事務員の派遣も行っております。最近では寺小屋の教員の派遣も行っておりますよ!」
「それは素晴らしい! 教育がこれからの国富のために、大いに重要ですからな。私の調査では、貴女の事業所では、獣人を始めとした屈強な傭兵部隊もおられるのだとか?」
「えぇ。おりますよ!」
「ほぅ。サスパニアにも今後防衛部隊を送ったりとか、……考えておられるか?」
そう言って、挑むように宰相様が元女盗賊さんの目の色を窺うと、……。
「うふふふふふ、……」
「はははははは、……」
2人は、そんな具合にお互いにいい笑顔で、……。声を出して笑い合った。
あなたにおすすめの小説
元チート大賢者の転生幼女物語
こずえ
ファンタジー
(※不定期更新なので、毎回忘れた頃に更新すると思います。)
とある孤児院で私は暮らしていた。
ある日、いつものように孤児院の畑に水を撒き、孤児院の中で掃除をしていた。
そして、そんないつも通りの日々を過ごすはずだった私は目が覚めると前世の記憶を思い出していた。
「あれ?私って…」
そんな前世で最強だった小さな少女の気ままな冒険のお話である。
うっかり女神さまからもらった『レベル9999』は使い切れないので、『譲渡』スキルで仲間を強化して最強パーティーを作ることにしました
akairo
ファンタジー
「ごめんなさい!貴方が死んだのは私のクシャミのせいなんです!」
帰宅途中に工事現場の足台が直撃して死んだ、早良 悠月(さわら ゆずき)が目覚めた目の前には女神さまが土下座待機をして待っていた。
謝る女神さまの手によって『ユズキ』として転生することになったが、その直後またもや女神さまの手違いによって、『レベル9999』と職業『譲渡士』という謎の職業を付与されてしまう。
しかし、女神さまの世界の最大レベルは99。
勇者や魔王よりも強いレベルのまま転生することになったユズキの、使い切ることもできないレベルの使い道は仲間に譲渡することだった──!?
転生先で出会ったエルフと魔族の少女。スローライフを掲げるユズキだったが、二人と共に世界を回ることで国を巻き込む争いへと巻き込まれていく。
※9月16日
タイトル変更致しました。
前タイトルは『レベル9999は転生した世界で使い切れないので、仲間にあげることにしました』になります。
仲間を強くして無双していく話です。
『小説家になろう』様でも公開しています。
世界一簡単にレベルアップ ~魔物を倒すだけでレベルが上がる能力を得た俺は、弱小の魔物を倒しまくって異世界でハーレム作る事にしました~
きよらかなこころ
ファンタジー
シンゴはある日、事故で死んだ。
どうやら、神の手違いで間違って死んでしまったシンゴは異世界に転生することになる。
転生する際にオマケに『魔物を倒すだけでレベルが上がる』能力を貰ったシンゴ。
弱小の魔物を倒してレベルを上げ、異世界でハーレムを作る事を企むのだった。
外れスキルは、レベル1!~異世界転生したのに、外れスキルでした!
武蔵野純平
ファンタジー
異世界転生したユウトは、十三歳になり成人の儀式を受け神様からスキルを授かった。
しかし、授かったスキルは『レベル1』という聞いたこともないスキルだった。
『ハズレスキルだ!』
同世代の仲間からバカにされるが、ユウトが冒険者として活動を始めると『レベル1』はとんでもないチートスキルだった。ユウトは仲間と一緒にダンジョンを探索し成り上がっていく。
そんなユウトたちに一人の少女た頼み事をする。『お父さんを助けて!』
【改稿版】休憩スキルで異世界無双!チートを得た俺は異世界で無双し、王女と魔女を嫁にする。
ゆう
ファンタジー
剣と魔法の異世界に転生したクリス・レガード。
剣聖を輩出したことのあるレガード家において剣術スキルは必要不可欠だが12歳の儀式で手に入れたスキルは【休憩】だった。
しかしこのスキル、想像していた以上にチートだ。
休憩を使いスキルを強化、更に新しいスキルを獲得できてしまう…
そして強敵と相対する中、クリスは伝説のスキルである覇王を取得する。
ルミナス初代国王が有したスキルである覇王。
その覇王発現は王国の長い歴史の中で悲願だった。
それ以降、クリスを取り巻く環境は目まぐるしく変化していく……
※アルファポリスに投稿した作品の改稿版です。
ホットランキング最高位2位でした。
カクヨムにも別シナリオで掲載。
異世界転生したらたくさんスキルもらったけど今まで選ばれなかったものだった~魔王討伐は無理な気がする~
宝者来価
ファンタジー
俺は異世界転生者カドマツ。
転生理由は幼い少女を交通事故からかばったこと。
良いとこなしの日々を送っていたが女神様から異世界に転生すると説明された時にはアニメやゲームのような展開を期待したりもした。
例えばモンスターを倒して国を救いヒロインと結ばれるなど。
けれど与えられた【今まで選ばれなかったスキルが使える】 戦闘はおろか日常の役にも立つ気がしない余りものばかり。
同じ転生者でイケメン王子のレイニーに出迎えられ歓迎される。
彼は【スキル:水】を使う最強で理想的な異世界転生者に思えたのだが―――!?
※小説家になろう様にも掲載しています。
少し冷めた村人少年の冒険記
mizuno sei
ファンタジー
辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。
トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。
優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。
レベル上限5の解体士 解体しかできない役立たずだったけど5レベルになったら世界が変わりました
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
前世で不慮な事故で死んだ僕、今の名はティル
異世界に転生できたのはいいけど、チートは持っていなかったから大変だった
孤児として孤児院で育った僕は育ての親のシスター、エレステナさんに何かできないかといつも思っていた
そう思っていたある日、いつも働いていた冒険者ギルドの解体室で魔物の解体をしていると、まだ死んでいない魔物が混ざっていた
その魔物を解体して絶命させると5レベルとなり上限に達したんだ。普通の人は上限が99と言われているのに僕は5おかしな話だ。
5レベルになったら世界が変わりました