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先生の悩み
しおりを挟むN先生は生徒からとても好かれていた。年配の先生ではあるが、どんな生徒にも優しく接するので、みんなから慕われていた。昔の卒業生の中には、毎年、先生に会いに来てくれる者もいるらしい。
しかし、そんなN先生にも悩みはある。毎年、なぜか8月に体調を崩してしまうのだ。ただ不思議なことに3日も経てば、体調は回復する。医者に診てもらったこともあったが、結局原因は解明できなかった。ただ何回も経験すると、人は慣れてくるもので、ここ数年は気にもしなくなった。
そして今年も体調を崩した。妻と娘は実家に帰省して、家にいるのは先生だけだ。N先生は一人でベッドで横になりながら、8月のカレンダーを見ていた。
「そういえば、俺が体調を崩すのは、いつも8月の中旬、ちょうどお盆の頃くらいだよな、、、、」
N先生は少し考えた。私が教師になって30年近く経つ。私が受け持った生徒の中には結婚した者もいれば、子どもが産まれた者もいる。そして、不幸にも亡くなってしまった者だっているのかもしれない、、、、
N先生は一瞬暗い顔をしたが、すぐに明るくなった。
そういえば、俺の旧友にお坊さんになった奴がいたな。今度そいつにお祓いをしてもらうか。
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