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第3章 この世界が思ってた以上にやばかったんですけど
幕間:異世界談義
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~浴場にて~
緑白色の湯の中で身体を伸ばしながら、藍綬は隣のレヴィトをまじまじと見つめた。
「どうしたの、藍綬?」
さっきシリウスの話をしたのをきっかけにレヴィトの口振りがフランクになったのを感じて、藍綬は少し嬉しさを覚えていた。
「いえ……、私たち別の世界の人間同士なのに、見た目もそんなに変わらないし、言葉も通じるのが不思議だなと思って……」
レヴィトは少し考えて、ハッと息を飲んだ。
「確かに、藍綬はずっとフラメンデ語で話してたわね」
「フラメンデ語?」
「この地方の言葉よ。今、藍綬が遣ってるじゃない」
「日本語じゃなくて……?」
二人は顔を見合わせて首を捻った。答えのない疑問をこねくり回したものの、湯の温かさに紛れていってしまう。
「この世界では普通に魔法が遣われてるんですか?」
「普通というほど普及しているわけではないけれどね。特別な力よ。藍綬の世界には魔法はないの?」
「アニメとかでしか観たことないですね……」
「あにめ……?」
「ああ、ええと……、つまり、御伽噺みたいなのでしか魔法って見たことないんです」
「魔法はメストステラス聖教では、星の力の賜りだといわれているのよ」
「へえ、なんかロマンチックですね。私の世界では、ロケット飛ばしたりとかして、研究対象みたいな感じですよ」
「ロケット?」
レヴィトは興味深そうに藍綬に身体を寄せる。
「例えば、月とか火星とかの星に人を送り込んだりとかしようとしてるんですよ」
「星に人を……」レヴィトは驚きのあまり目を見開いた。「私たちの聖典では、かつて星とこの大地を行き来していた人々の末裔が魔術師になったといわれているの。私の方こそ、伝説を目の当たりにしたような気がして……」
お互いの世界に微妙な繋がりのようなものを感じて、二人は見つめ合ったまま沈黙してしまった。
「藍綬という名前は」やがてレヴィトは口を開いた。「ご両親がつけたの?」
「そうです。みんなのために力を尽くせるような人になってほしいという意味があるみたいです」
「素敵ね。この世界にもランジュと呼ばれる星があるのよ」
「え、本当ですか?」
「北の方へ行けば見られるのだけれど、夜空を見つめて、きちんと朝と夜がやって来るのを見守っているの」
──北の方へ行けば……ということは、この大地も惑星のように球体なのか。
藍綬はなんとなくそう考えながら、だんたん強い眠気に襲われていった。
緑白色の湯の中で身体を伸ばしながら、藍綬は隣のレヴィトをまじまじと見つめた。
「どうしたの、藍綬?」
さっきシリウスの話をしたのをきっかけにレヴィトの口振りがフランクになったのを感じて、藍綬は少し嬉しさを覚えていた。
「いえ……、私たち別の世界の人間同士なのに、見た目もそんなに変わらないし、言葉も通じるのが不思議だなと思って……」
レヴィトは少し考えて、ハッと息を飲んだ。
「確かに、藍綬はずっとフラメンデ語で話してたわね」
「フラメンデ語?」
「この地方の言葉よ。今、藍綬が遣ってるじゃない」
「日本語じゃなくて……?」
二人は顔を見合わせて首を捻った。答えのない疑問をこねくり回したものの、湯の温かさに紛れていってしまう。
「この世界では普通に魔法が遣われてるんですか?」
「普通というほど普及しているわけではないけれどね。特別な力よ。藍綬の世界には魔法はないの?」
「アニメとかでしか観たことないですね……」
「あにめ……?」
「ああ、ええと……、つまり、御伽噺みたいなのでしか魔法って見たことないんです」
「魔法はメストステラス聖教では、星の力の賜りだといわれているのよ」
「へえ、なんかロマンチックですね。私の世界では、ロケット飛ばしたりとかして、研究対象みたいな感じですよ」
「ロケット?」
レヴィトは興味深そうに藍綬に身体を寄せる。
「例えば、月とか火星とかの星に人を送り込んだりとかしようとしてるんですよ」
「星に人を……」レヴィトは驚きのあまり目を見開いた。「私たちの聖典では、かつて星とこの大地を行き来していた人々の末裔が魔術師になったといわれているの。私の方こそ、伝説を目の当たりにしたような気がして……」
お互いの世界に微妙な繋がりのようなものを感じて、二人は見つめ合ったまま沈黙してしまった。
「藍綬という名前は」やがてレヴィトは口を開いた。「ご両親がつけたの?」
「そうです。みんなのために力を尽くせるような人になってほしいという意味があるみたいです」
「素敵ね。この世界にもランジュと呼ばれる星があるのよ」
「え、本当ですか?」
「北の方へ行けば見られるのだけれど、夜空を見つめて、きちんと朝と夜がやって来るのを見守っているの」
──北の方へ行けば……ということは、この大地も惑星のように球体なのか。
藍綬はなんとなくそう考えながら、だんたん強い眠気に襲われていった。
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