吸血鬼の昔語り

久間莉衣亜

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吸血鬼の昔語り

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 それは、太陽が沈み込んだ冬の夜のことでした。
 少女は、一つの墓標の前で手を合わせ、目を閉じた。
 まだ十六ほどの少女は飾り気のない白のワンピースに身を包んでいる。それの裾に申し訳程度に付いている繊細なレースから伸びる四肢はまるで硝子細工のように白く美しく、ほっそりとしている。触れれば壊れてしまいそうなほどに、その存在は儚かった。
 心なしか持ち上がった唇は、唇も塗られていないのに綺麗な紅色に染まっており、ほのかに色気を漂わせている。それはとても甘美であったが一つ、常人とは違う箇所が見られた。閉じられた唇からちらりと、通常ならば見えないはずの尖った犬歯が見えた。
 微かにふく風にたなびく白銀の髪は絹のように滑らかで、その合間から見えるうなじはどこか扇情的だった。
 祈りを終えたのか少女は目を開け、墓標に刻まれた字を慈しむようにそっと撫ぜる。字を見つめる少女の目は蜂蜜のようにとろりとした金色。その目は微かに潤んでおり、少女と女性の狭間を見るものに意識させた。といっても当たり一面野原で、少女の周りには今誰一人としていないのだが。
 そして少女は立ち上がり、少女の腰まで伸びた長い髪に付けた古びたバレッタにそっと触れた。それは彼女の身体に唯一着いた装飾品であった。その飾り気のなささえ、彼女の美を掻き立てるばかりだった。バレッタは闇のように黒く、その上に対比するような白いスノードロップを象った飾りが幾つか散りばめられている。古びても尚その優美さは損なわれていない。
 一人立ち尽くす少女に、人影が近寄る。それは小さな子供達。四から八歳程度の幼子が九人、少女に駆け寄ってきている。全員簡素でありながらも凝った意匠の服に身を包み、その服にはさぞ金がかかっているであろうことが窺える。そして子供達は皆一様に少女に向かって言う。
「お祖母様、もう一時間位したらお母さんたち帰ってくるよ~。」
それに少女は頷き答える。
「あら、もうそんな時間?じゃあ戻らなくちゃね。」
想答える少女の声は予想通りまさに鈴を転がしたようであったが、それよりも気に掛ることがある。
 先ほど子供達は少女に向かって『お祖母様』と呼びかけた。祖母。まだ齢十六ほどに見える少女に孫などいるはずがない。けれど実際、子供達は少女の孫である。ひいを幾つも省略した、だが。
 そして少女は子供達に取り囲まれ、手を引かれながら歩いて行った。少女達の歩む道の先には古城があった。古びた見た目をしているが雨漏りをすることもなく快適に過ごすことが出来ると少女は知っている。何故なら少女はその古城の主だからだ。
 子供達に手を引かれ、思わず転びそうになりながら、少女は墓の方を振り返る。墓にはただ、少女が供えた、スノードロップの花束が鎮座しているだけだった。
******
 それから家に帰ると、古城の一室の暖炉の周りに少女と九人の子供達が集まっていた。子供達は円の形になるように絨毯の上に各々好きに座っており、その中心に少女が座っていた。
 子供達のうちの一人の子が、好奇心に瞳を輝かせながら、少女に問いかける。
「ねえねえお祖母様、お祖母様はどうやってお祖父様とであったの?だってお祖父様は人間なんでしょう?だってお父さんも、お祖父様のことあんまり覚えてないって言ってたよ~。」
あまりに純粋で悪意のない孫、といってもひいを幾つも省略した、だが……のその言葉に、少女は目を細める。
 そう、少女は吸血鬼である。言わずもがな、少女の孫の孫の孫……程である幼子たちも、吸血鬼となる。少女とは違い、純血ではないが。
 少女は、千五百歳の吸血鬼である。しかし少女は人間と恋をし、子を産み、孫が生まれた。その子も生まれ、それが続き、生まれたまだ幼い孫達はそれでも聡く、死というものをきちんと理解し、自らの祖父が何者かも、理解している。
 ……吸血鬼。それは人間の生き血を吸い、それを糧として生きる者のことを指す。睡眠を必要とせず、食も必要としない。弱点は陽光と聖水、銀。そして、鏡に映らない。他にも様々な弱点があるとされているが、実際は前述した程度の弱点しかない。
 そして、もうひとつ、吸血鬼最大の特徴がある。それは、不老不死であること。吸血鬼が死ぬことも、老いることもない。死ぬとすれば、それは自死を選んだ時のみ。それならば、数十年しか生きられない人間と、悠久の時を生きる吸血鬼の子の寿命は、一体どうなるのだろうか。
 ……個人差はあるが、人間と吸血鬼の子の寿命は千年程度になる。それから人間の血が薄くなるほど、寿命は伸びていく。少女の子供達は全員、純血の吸血鬼と結ばれ、子を産んだ。よって孫達の寿命は代ごとに伸びていく。……少女の子孫達の寿命は、どうなっていくのだろう。寿命が長くとも、不死ではない。
 限りない永久な自らと違い、限りある彼女達の未来への羨ましさへ、目を細めながら、少女は子供達に答える。
「そうねぇ……長くなるけど、聞きたい?」
そう言って少し首を傾げると、子供達は口を揃えて『聞きたい!』と言う。その幼さに少し笑ってから、子供達に向かって話す。
「それはね、私が四百歳のときのことだったわ。
 吸血鬼は基本、定住地を見つけるために家から出て旅をすることは話したでしょう?私もそうで、自由に放浪していたのよ。
 ……お祖父様と会う前の街でね、姿が変わらないこととか、色々怪しまれたのよ。それで潮時だと思って、適当に空を飛んで移動して、とある実験室で働いていたの。……そこで、同僚だったお祖父様とあったのよ。
 お祖父様はね、科学者だったの。寝ても覚めてもずっと、科学について考えてるみたいな人だったわ。私は色々あって彼の研究に首を突っ込んで……それで知り合いになったのよ。一緒に研究をしている時ならまだましなんだけれど……。何の話をしていても科学、何をしても科学。
 空の雲を見れば科学、地の蟻を見れば科学、海の魚を見れば科学。それだけならまだしも、二人で、えっと、合い挽き?いえ、違うわね。逢い引きをしているときも、目の前に女がいるというのに科学、科学、科学。全くもう!
 これでも私、吸血鬼の中でもかなりの美貌を誇っているんだけれど……彼が私の方を見るのは私が研究への活路を導き出した時だけ。本当、研究者としては後世に色々残した人だったし、伝記もつくられる位だったんだけどね、女へは贈り物の一つも、口説き文句の一つも出来ない駄目な人だったのよ、ふふっ。」
少女は、悪口を言っているというのに穏やかに、とても嬉しそうに笑う。すると紅の唇が緩やかに弧を描き、犬歯が更に剥き出しになった。真っ白だった作り物のような頬に朱が差し、人間味を帯びてぞっとするほど美しく見える。
 しかし子供達は見慣れた様子で平然と少女の話の続きを促すように頷くと、その中の一人の少年が少女に問う。
「じゃあお祖母様、お祖父様がそんなに色恋沙汰に疎い、というよりも科学以外のことに興味がないのなら、どうして恋人同士になれたの?」
その質問に少女は笑みを深めた。
「あの人とあってから一年くらい経った時だったかしら。
 あの人はいつも通り研究をしていたんだけれど、ずっと行き詰っていて。その時、不意に思いついた一言をぽつりと零したらあの人、唐突に動き出して、実験とか色々しだしてね?二日くらいずっと、実験室にこもりきりだったの。口元に食べるものとかを近づければちゃんと飲み食いするから問題はなかったし、排泄も徐ろに立ち上がって行っていたから問題はなかったのよ?ちょっと狂気的に見えるだけで……。
 で、一通りまとめ終えるまで隣でずっと眺めてたんだけど、終わったあと、唐突に私の肩を引っ掴んで一言。『多分君のことが好きだと思うので付き合ってくれ!』と。
 ええ、態度的には私のことが好きだと分かっていたし、周りもいつになったら告白するのか、みたいな雰囲気で賭け事をしている位だったの。こう、例えば偶然私の手が触れたら顔を真っ赤にするとか、私と他の同僚の男性と話していたら邪魔しようとするとか。
 なのに何?『多分』って。自分の感情を理解するべきじゃない?私もあの人が初恋だったけれど、自分の恋愛感情くらい早々に自覚したわよ?というか、一目惚れだったわね。だって私が自覚した時、同僚に相談したら『遅い』って。『あそこまで無自覚にいちゃつけるとは……!』って言われたわ。もう、本当、本当っ!」
「それで、付き合うことになったの?」
「そうよ。私は吸血鬼の中でも強い方だから、吸血鬼の弱点が陽光と言えど直射日光でもなければ怪我をすることはなかったから、日傘でも差しておけばお昼にも逢い引きすることが出来たのよ。」
「あれ、僕らはお祖父様……人間の血を引いているんでしょう?だったら僕達は、お日様の光に当ったらどうなるの?あ、あとこの家には鏡もないからわからないけれど、鏡には映るの?」
子供の中の一人が首を少し傾げて聞く。その様子は非常に『お祖父様』に似ており、少女は思わず目を細め、柔らかく答える。
「……私は子供を三人産んだわ。その子供達は純血の吸血鬼と結ばれて、その子供を産んだのよね。で、その子供もだから、貴方達の人間の血は結構減ってるのよね~。でも、人間の血が微量でも能力はかなり変わってくるのよ。
 ……だから恐らくだけれど、それなりに耐性はあるんじゃないかしら。私達は銀に触れると火傷するけど、貴方達は少し痛い程度かしら。酷くても暫くの間痕が付くくらい。だって貴方達はそこまで吸血衝動もないみたいだし。
 弱い分弱点もあんまりない、ってところね。分かった?」
「うん、分かった!」
「そう。よかったわ。
 何はともあれ、あの人と私は付き合うことになったわけよ。
 でもね、彼は自分の恋愛感情を自覚しても何も変わらなかったわ。目の前に、目の前に恋人がいるというのに、同僚の時と同じように科学の話しかしなかったわ。
 少し態度が変わるかと期待しても、何も変わらなかったわ。寧ろ悪化したんじゃないかしら。
 その関係が終わったのは、やっぱり研究だったわ。行き詰まっている時に一言、提案したら猛然と三日三晩実験をしだして終わった時私を抱きしめて一言。『惚れ直した、愛してる!結婚してくれ!』ええ、そう言ってくれたわ。
 ……その時程私、科学に負けた気がしたことはないわ。まあ別にいいのよ?ええ、科学に負けるとはいえ、流石に科学に浮気されること程私に魅力がないとは思っていなかったわ。
 そして、結婚したのよ、私とお祖父様は。」
そういって懐かしそうに笑った少女はとても美しく、その表情にはどこか哀愁が漂っていた。すると、子供達の中の一人の少女が不思議そうに問いかけた。
「ちょっと待ってお祖母様、今の話を聞いた限りだと、お祖父様に魅力を感じないのだけれど。どうして好きになったの?」
そう聞くと、少女は一瞬目を見開き、素晴らしい笑顔を浮かべ、その表情のまま嬉々として彼をこき下ろした。
「そうよねぇ、私もそう思うわ。だって彼は目に見えないものは信じない主義だし自分の感情さえ理解できない馬鹿野郎なのよね~。
 でもね、一つのことに没頭して、科学と向き合っている時のあの真剣な表情に、その直向きさがどうしても愛おしくなったの。皆がよく言うように、『大きくなったら分かる』のよ?」
少女のその返事に、質問した少女はよくわからない、とでも言いたげな表情を浮かべて言った。
「ふぅん……よくわかんない。」
「ふふっ。そう?
 ……あら、貴方達のお母様、お父様達が帰ってきたみたいよ。迎えに行ってらっしゃい。」
「帰ってきたの?分かった、迎えに行ってきます!」
そう、質問した少女は答えて走りだす。その他の子供達も後先を追うように走りだした。
 その様子を少女は微笑ましそうに眺め、立ち上がる。そして目をそっと閉じて、懐かしそうに語った。
「あの子達、結婚したその後については聞いてこなかったわね~。
 まあそのまま様々な土地を点々としながら、貴方を看取っただけなんだけれどね。貴方は人間にしては結構長く生きた方だったわね。それでも私にとっては一瞬だったわ。でもね、私の今までの人生の中で、貴女との時間が一番鮮明に覚えていて、密度の濃い時間だったわ。
 貴方を看取る時、貴方が死んだら、幽霊にでもなって化けて出て頂戴、なんて無茶なことを頼んじゃったわね。でも貴方は『目に見えないものは信じない。吸血鬼がいたとしても幽霊はいないだろう。人間は死ねばそこで終わりだ。』って淡々と答えたわね。本当、貴方らしい。私が吸血鬼だって言っても信じてくれなかったものね。」
『君が不老だということは認める。それで仮に、仮に本当に君が不死だとして。不死というのは、どのような気分なんだろうね。誰もが憧れるだろうけれど、自分は悲しい。
 科学にしか興味のない朴念仁だけれど、君のことを愛している。だから、自分が先立ってしまうことが、申し訳ない。そして、どうしても離れがたい。
 ……だから君に、スノードロップの花言葉を贈ろう。』
少女は彼の言葉を思い出し、己の髪に着いたバレッタに触れた。
 ……彼がそういった後、彼は目を閉じてそのまま、眠るように息を引き取った。それは本当に、安らかで、幸せそうな顔だった。
 その後少女はこの古城へ彼の亡骸を抱えて来た。そして彼の墓標を作り、埋めた。そして一人で、子供達を育て上げた。
 少女は過去を思い返し、くすくすといたずらっぽく笑いながら目を開けた。
「ふふっ、幽霊の存在なんて信じない、なんて言ってたけど、その幽霊になっちゃったわね、旦那様?
 ……スノードロップの花言葉を、覚えているかしら?」
そう少女が虚空を見上げながら囁くと、不意に少女の近くのテーブルの上に置いてあった万年筆が動き、無造作に置かれていた紙に何らかの文字を紡いでいく。
「『覚えているに決まっているだろう。』
 ……そう。有難う、旦那様。ところで旦那様は一度死んだわけれど、幽霊としての死は存在するのかしら?」
一瞬紙に書かれた言葉を復唱した少女の蜂蜜色の目は潤んだが、誤魔化すかのようにそこに居る存在に問うた。
『自分にもよくわからない。他にも自分と同じような存在はいなかったが、恐らく他には存在しないだろう。
 寿命というものは存在しないと思われる。見た目も君とあった時から変わっていない。きっと自分は、死なないだろう。死ぬ、というよりも消滅と言ったほうがいいだろうか。
 自分の思いは何ら変わっていない。
 君に贈ったバレッタの花、スノードロップ。その花言葉を、何度でも君に贈ろう。自分が消滅できずとも。
 本当、不老不死など呪いでしかないね、奥さん。』
その流麗な文字を目で追うに連れ、少女の目は潤む。そして、最後の言葉を目に入れた瞬間、少女の目から堪えることの出来なかった雫がぽつりと落ちた。そして少し、湿っぽい声で答えた。
「そうねぇ、旦那様。
 貴方にも、スノードロップの、花言葉を。
 『貴方の死を望みます。』
 絶対に、私よりも後に死なないでね?」
そう、少女が言うと机の上の万年筆は暫く止まり、その後滑らかに動いた。
『ああ、勿論だ。お前こそ絶対に、俺より先に死ぬなよ?』
それを見て少女は犬歯を剥き出しにした、ぞっとする程美しい笑顔で、頷いた。
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