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そして物語は、終わりを迎える。
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俺の前に座る玲と輝樹の二人は、どうにかしてこの状況を逃れようと、必死になって言い訳を考えている。そんな二人を、俺は終始嘲笑うかのように見ていた。
「純くん、隣にいるのは……浮気相手?」
玲は、純くんも浮気してたんだねと笑って誤魔化そうとする。もちろん、彼女が今笑える状況下にいないことはよくわかっているはずだ。俺は目だけで彼女を一蹴すると、能海との関係をでっち上げた。
「そんなわけないだろ。あんたらが浮気してるのに気付いて、相談してたんだよ」
能海は少しだけ驚いたが、すぐに察して首を何度も縦に振ってくれた。
「俺は玲を信じてたのに、裏切られた気分だよ。気付いたのはつい最近だけど、実はもっと前からこんな関係だったんじゃない?」
「それだけはないよ……お願い、信じて」
まだ情状酌量の余地があると思っているのか、玲は俺の機嫌をうかがいながら話している。このままでは話が進まないと思い、俺は玲の横で押し黙っているクズに話を振った。
「お前はどうなんだよ、クソ野郎」
顔面蒼白のままの輝樹は、自分に話しかけられたのに気付くと余裕のない笑みを浮かべる。
「いやぁ……はは」
何も話そうとしない輝樹のその態度に、余計に腹が立つ。気付くと俺は、彼の胸ぐらを掴んでいた。
「笑ってないで何か言ってみろよ!人の彼女に手を出して、まさか笑ってやり過ごせると思ってるわけじゃないよな?」
席に座っていた三人だけでなく、店内にいた全員が俺を見た。変に注目を浴びてしまったが、今はそんなことどうでも良い。どうやって輝樹を痛めつけるか、それだけを考えていた。
すぐに店員が止めに入ったので、俺は仕方なく掴んでいた輝樹の服から手を離した。輝樹は、詰め寄られたことが効いたのかさらに顔を青くしている。
「で、言い訳があるなら聞くけど?」
「……ないです」
観念したのか、輝樹はようやく口を開いた。その声は、高校時代の明るい彼とは似ても似つかないほど小さく、頼りなかった。
「浮気はいつから?」
「……お前達の同棲してる家に行った日に会って、それから段々」
予想通りだ。やはり、あのコーヒーの匂いは会っていたことを隠すためだったのか。
俺は淡々と、輝樹に質問を投げかける。
「いつから玲に気があった」
「……高校二年の時から」
そんなに前からなのか。これは初耳だ。
「あの正体不明のメールの犯人は、お前だよな?」
「……そんなことまで分かってたのか。お前には敵わないな」
やれやれといった様子で、輝樹は肩をすくめた。
「お前と関わらなくなったのはそのせいだからな」
「……そうか。ごめん、純」
輝樹は徐に席を立ち、床に頭をつけて土下座した。横に座っていた玲も、慌てて同じように地面に頭をつける。
そんな事をされても、二人を許すつもりは初めからない。俺は立ち上がると、そのまま外へ向かって歩き出した。
「ま、待って……!」
玲が俺の腕を掴んで引き留めてきたが、俺はその手を振り払い、彼女を突き放した。
「触るなよ、クズがうつる」
「ぁ……」
玲は相当なショックを受けたのか、それ以上俺を引き留めようとしなかった。
「荷物は全部実家に送り返しておくから。それじゃ」
店員に騒がせて申し訳ないと詫びて、俺は今度こそカフェを出た。
店を出て一人寂しく歩いていると、後ろから能海に声を掛けられた。
「……島崎、待って」
軽く息が上がっている彼女は、さりげなく俺の手を握ってくる。嫌な気は、しなかった。
「ありがとうな、話を合わせてくれて」
「あれくらい当然。それより、良かったの?」
能海は、俺が玲にもう気がない事を知っているはずだ。
その質問は、玲との関係を切ったことではなく、自分が傍にいても良いのかという意味で言ったのだろう。
「もう、良いんだよ。……それより、愛花」
「え?今、愛花って……?」
それまでとは違う呼び方に、彼女は困惑した。俺の言いたいことが分かったのだろうか、すぐにうれしそうな笑みで俺を見る。
「お前、俺と一緒に住む気はないか?」
歪み切っていたしがらみを捨てて、俺と愛花の関係は一歩進んだ。
「純くん、隣にいるのは……浮気相手?」
玲は、純くんも浮気してたんだねと笑って誤魔化そうとする。もちろん、彼女が今笑える状況下にいないことはよくわかっているはずだ。俺は目だけで彼女を一蹴すると、能海との関係をでっち上げた。
「そんなわけないだろ。あんたらが浮気してるのに気付いて、相談してたんだよ」
能海は少しだけ驚いたが、すぐに察して首を何度も縦に振ってくれた。
「俺は玲を信じてたのに、裏切られた気分だよ。気付いたのはつい最近だけど、実はもっと前からこんな関係だったんじゃない?」
「それだけはないよ……お願い、信じて」
まだ情状酌量の余地があると思っているのか、玲は俺の機嫌をうかがいながら話している。このままでは話が進まないと思い、俺は玲の横で押し黙っているクズに話を振った。
「お前はどうなんだよ、クソ野郎」
顔面蒼白のままの輝樹は、自分に話しかけられたのに気付くと余裕のない笑みを浮かべる。
「いやぁ……はは」
何も話そうとしない輝樹のその態度に、余計に腹が立つ。気付くと俺は、彼の胸ぐらを掴んでいた。
「笑ってないで何か言ってみろよ!人の彼女に手を出して、まさか笑ってやり過ごせると思ってるわけじゃないよな?」
席に座っていた三人だけでなく、店内にいた全員が俺を見た。変に注目を浴びてしまったが、今はそんなことどうでも良い。どうやって輝樹を痛めつけるか、それだけを考えていた。
すぐに店員が止めに入ったので、俺は仕方なく掴んでいた輝樹の服から手を離した。輝樹は、詰め寄られたことが効いたのかさらに顔を青くしている。
「で、言い訳があるなら聞くけど?」
「……ないです」
観念したのか、輝樹はようやく口を開いた。その声は、高校時代の明るい彼とは似ても似つかないほど小さく、頼りなかった。
「浮気はいつから?」
「……お前達の同棲してる家に行った日に会って、それから段々」
予想通りだ。やはり、あのコーヒーの匂いは会っていたことを隠すためだったのか。
俺は淡々と、輝樹に質問を投げかける。
「いつから玲に気があった」
「……高校二年の時から」
そんなに前からなのか。これは初耳だ。
「あの正体不明のメールの犯人は、お前だよな?」
「……そんなことまで分かってたのか。お前には敵わないな」
やれやれといった様子で、輝樹は肩をすくめた。
「お前と関わらなくなったのはそのせいだからな」
「……そうか。ごめん、純」
輝樹は徐に席を立ち、床に頭をつけて土下座した。横に座っていた玲も、慌てて同じように地面に頭をつける。
そんな事をされても、二人を許すつもりは初めからない。俺は立ち上がると、そのまま外へ向かって歩き出した。
「ま、待って……!」
玲が俺の腕を掴んで引き留めてきたが、俺はその手を振り払い、彼女を突き放した。
「触るなよ、クズがうつる」
「ぁ……」
玲は相当なショックを受けたのか、それ以上俺を引き留めようとしなかった。
「荷物は全部実家に送り返しておくから。それじゃ」
店員に騒がせて申し訳ないと詫びて、俺は今度こそカフェを出た。
店を出て一人寂しく歩いていると、後ろから能海に声を掛けられた。
「……島崎、待って」
軽く息が上がっている彼女は、さりげなく俺の手を握ってくる。嫌な気は、しなかった。
「ありがとうな、話を合わせてくれて」
「あれくらい当然。それより、良かったの?」
能海は、俺が玲にもう気がない事を知っているはずだ。
その質問は、玲との関係を切ったことではなく、自分が傍にいても良いのかという意味で言ったのだろう。
「もう、良いんだよ。……それより、愛花」
「え?今、愛花って……?」
それまでとは違う呼び方に、彼女は困惑した。俺の言いたいことが分かったのだろうか、すぐにうれしそうな笑みで俺を見る。
「お前、俺と一緒に住む気はないか?」
歪み切っていたしがらみを捨てて、俺と愛花の関係は一歩進んだ。
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