122 / 339
第3章
121.不確かな書物
彼らと別れてから、1分程足を進めるとやっと歴史書の並ぶ本棚のエリアに到着した。
そこに足を踏み入れたときの興奮はただ物ではなかった。
「うわぁ、すごい。これ全部歴史書なの……」
天井まで届きそうなほどの高さの本棚に押し込まれた書物の数々。
年代別に並べられたそれらは、静かにそこに存在しているだけでも圧巻の一言だった。
自国の歴史書だけでなく、周辺諸国の歴史書も置かれているようで歴史書だけでも本棚を10台以上使っている。
一番手前に位置するオルタリア王国歴史の本棚へと足を踏み入れた。
奥に進むほど歴史は古くなっているようで、中間ぐらいまでいくとやっとクオフォリア帝国時代の物を発見できた。
どれどれ~、とりあえずリヴェリオが生きていた時代の物を手に取るか。
クオフォリア帝国からオルタリア王国に変わる丁度境目のところへ行き、物色する。
あるある、リヴェリオに関する書物がいっぱい。
ほとんどタイトルは年号や暦をそのまま付けたもの物が多かったが、ところどころに『悪逆皇帝』の文字が冠されているものもあり、割とすんなり見つけることができた。
とはいえ、私が知りたいのは自分の過去の事であり、できるだけ事実に基づいた書物であることが好ましい。
そのため、少し堅苦しいタイトルであるが年代のみのタイトルの物を手に取りページを開いた。
リヴェリオの統治していた時代だと思って手に取ってみたものの、はじめのページに彼の名前はなかった。
シルヴィスト・ジル・オルフェリウス。
1番はじめに書かれていたのは、第26代皇帝の名前と自画像らしき絵画だった。
ぽたぽた。
紙面に何かの水滴が落ちた。
「え……、なに?」
それは紛れもなく、私から流れる涙だった。
どうして泣いているのかわからない。
もう一度書物へと視線を落とし、その人物を見やる。
そこで私はハッとした。
そうだこの人は、私の……。
「父上……」
そう呟いた瞬間、前世の父との思い出が勢いよく思い出された。
いつも優しく、でも次代の皇帝として厳しく接してくれた父。
愛おしそうに私たちを見つめて、愛してくれた父の温もり。
それが思い出されると同時に、私はしゃがみ込み、声を押し殺して泣いた。
そこに書かれていたのは、亡き愛しき父の姿だった。
まるで父をそのまま切り取ったように、忠実に描かれている。
ぼんやりとしていた父の面影がはっきりと思い出された。
もう得ることはできない、家族からの愛が戻ってきたような感覚を覚え、その懐かしさと愛しさに涙が止まらなかった。
指でその自画像を愛おしそうに優しくなぞる。
その手にはざらざらとした紙の感触しか伝わらなかったが、どこかほんのりと温かさが伝わってきたように思えた。
しばらくして、どうにか涙を止めるともう一度父の自画像をじっくりと見つめる。
しかし、昔儀式で見たリヴェリオとよく似た容姿なのに、どうして今まであんなに父の姿がぼんやりとしていたのだろう。
父の説明文を読んでみると、それはあっさりしたのもだった。
いつから在位しどのような公務を行い、いつ亡くなったのか。
そんなことを時代と共に淡々と書かれているだけのもので、10ページにも満たない内容だった。
父の姿を間近で見て、その功績に心打たれていた私からすれば何とも少なすぎるページ数だった。
それに父が行ったものの、3分の1も書かれていない。
少しの怒りと寂しさが滲んだ。
所詮これは後世の人が書いたもの。
それに加えこの国にとっては暗い歴史であるクオフォリア帝国時代の国王など、功績をいくら書いても意味などないのだろう。
それに、この人は私の、悪逆皇帝の父親なのだ。
仕方ないと納得し、父の死が書かれたページを捲り、次の項目へ進む。
そこには大きな文字で彼の、いや、私の名前が書かれていた。
リヴェリオ。
リヴェリオ・ヴァン・オルフェリウス。
クオフォリア帝国27代皇帝にして最後の皇帝。
悪逆の限りを行った、非人道的で残虐な心のない皇帝。
悪口を上げればきりがないほどの酷評っぷりだった。
これが歴史書であることを忘れるほどに彼の行ったものは残虐で外道のそれだった。
在任して1年も経たず、敵国に喧嘩を売り戦争を仕掛ける。
その戦争が2年目にしてようやく終わるものの、今度は農作物の不作と飢餓問題。
しかし、そんなものを無視し豪遊の限りを尽くす皇帝とその取り巻きの貴族たち。
父と違い、100ページ以上にも及ぶ私の項目は、しかしそのほとんどが悪逆非道の数々で埋め尽くされていた。
それも何年何月に起きたのかが事細かに書かれているのだから呆れるを通り越して笑ってしまいそうになる。
これならば、ページ冒頭の簡易説明の部分が悪口三昧になるのも頷ける。
しかし……。
ページを戻し、リヴェリオを紹介する最初の項目に戻る。
そこには父と同じように、自画像が描かれていた。
しかしその自画像、全く似ていないのだ。
そこに描かれていたのは、屈強で強張った顔のゴツイ男。
皇帝らしき服は無駄に煌びやかで、目を引くもののその人相の悪さからこれを見ただけでも子供が悪者だと勘違いしそうな人物だった。
本来のリヴェリオの容姿といえば、白銀の髪に天色の瞳。
線が細く、病弱で女性とほとんど身長が変わらないような中性的な人物だ。
似ても似つかないどころか、全くの別人だった。
この歴史書、いい加減すぎる。
そこに足を踏み入れたときの興奮はただ物ではなかった。
「うわぁ、すごい。これ全部歴史書なの……」
天井まで届きそうなほどの高さの本棚に押し込まれた書物の数々。
年代別に並べられたそれらは、静かにそこに存在しているだけでも圧巻の一言だった。
自国の歴史書だけでなく、周辺諸国の歴史書も置かれているようで歴史書だけでも本棚を10台以上使っている。
一番手前に位置するオルタリア王国歴史の本棚へと足を踏み入れた。
奥に進むほど歴史は古くなっているようで、中間ぐらいまでいくとやっとクオフォリア帝国時代の物を発見できた。
どれどれ~、とりあえずリヴェリオが生きていた時代の物を手に取るか。
クオフォリア帝国からオルタリア王国に変わる丁度境目のところへ行き、物色する。
あるある、リヴェリオに関する書物がいっぱい。
ほとんどタイトルは年号や暦をそのまま付けたもの物が多かったが、ところどころに『悪逆皇帝』の文字が冠されているものもあり、割とすんなり見つけることができた。
とはいえ、私が知りたいのは自分の過去の事であり、できるだけ事実に基づいた書物であることが好ましい。
そのため、少し堅苦しいタイトルであるが年代のみのタイトルの物を手に取りページを開いた。
リヴェリオの統治していた時代だと思って手に取ってみたものの、はじめのページに彼の名前はなかった。
シルヴィスト・ジル・オルフェリウス。
1番はじめに書かれていたのは、第26代皇帝の名前と自画像らしき絵画だった。
ぽたぽた。
紙面に何かの水滴が落ちた。
「え……、なに?」
それは紛れもなく、私から流れる涙だった。
どうして泣いているのかわからない。
もう一度書物へと視線を落とし、その人物を見やる。
そこで私はハッとした。
そうだこの人は、私の……。
「父上……」
そう呟いた瞬間、前世の父との思い出が勢いよく思い出された。
いつも優しく、でも次代の皇帝として厳しく接してくれた父。
愛おしそうに私たちを見つめて、愛してくれた父の温もり。
それが思い出されると同時に、私はしゃがみ込み、声を押し殺して泣いた。
そこに書かれていたのは、亡き愛しき父の姿だった。
まるで父をそのまま切り取ったように、忠実に描かれている。
ぼんやりとしていた父の面影がはっきりと思い出された。
もう得ることはできない、家族からの愛が戻ってきたような感覚を覚え、その懐かしさと愛しさに涙が止まらなかった。
指でその自画像を愛おしそうに優しくなぞる。
その手にはざらざらとした紙の感触しか伝わらなかったが、どこかほんのりと温かさが伝わってきたように思えた。
しばらくして、どうにか涙を止めるともう一度父の自画像をじっくりと見つめる。
しかし、昔儀式で見たリヴェリオとよく似た容姿なのに、どうして今まであんなに父の姿がぼんやりとしていたのだろう。
父の説明文を読んでみると、それはあっさりしたのもだった。
いつから在位しどのような公務を行い、いつ亡くなったのか。
そんなことを時代と共に淡々と書かれているだけのもので、10ページにも満たない内容だった。
父の姿を間近で見て、その功績に心打たれていた私からすれば何とも少なすぎるページ数だった。
それに父が行ったものの、3分の1も書かれていない。
少しの怒りと寂しさが滲んだ。
所詮これは後世の人が書いたもの。
それに加えこの国にとっては暗い歴史であるクオフォリア帝国時代の国王など、功績をいくら書いても意味などないのだろう。
それに、この人は私の、悪逆皇帝の父親なのだ。
仕方ないと納得し、父の死が書かれたページを捲り、次の項目へ進む。
そこには大きな文字で彼の、いや、私の名前が書かれていた。
リヴェリオ。
リヴェリオ・ヴァン・オルフェリウス。
クオフォリア帝国27代皇帝にして最後の皇帝。
悪逆の限りを行った、非人道的で残虐な心のない皇帝。
悪口を上げればきりがないほどの酷評っぷりだった。
これが歴史書であることを忘れるほどに彼の行ったものは残虐で外道のそれだった。
在任して1年も経たず、敵国に喧嘩を売り戦争を仕掛ける。
その戦争が2年目にしてようやく終わるものの、今度は農作物の不作と飢餓問題。
しかし、そんなものを無視し豪遊の限りを尽くす皇帝とその取り巻きの貴族たち。
父と違い、100ページ以上にも及ぶ私の項目は、しかしそのほとんどが悪逆非道の数々で埋め尽くされていた。
それも何年何月に起きたのかが事細かに書かれているのだから呆れるを通り越して笑ってしまいそうになる。
これならば、ページ冒頭の簡易説明の部分が悪口三昧になるのも頷ける。
しかし……。
ページを戻し、リヴェリオを紹介する最初の項目に戻る。
そこには父と同じように、自画像が描かれていた。
しかしその自画像、全く似ていないのだ。
そこに描かれていたのは、屈強で強張った顔のゴツイ男。
皇帝らしき服は無駄に煌びやかで、目を引くもののその人相の悪さからこれを見ただけでも子供が悪者だと勘違いしそうな人物だった。
本来のリヴェリオの容姿といえば、白銀の髪に天色の瞳。
線が細く、病弱で女性とほとんど身長が変わらないような中性的な人物だ。
似ても似つかないどころか、全くの別人だった。
この歴史書、いい加減すぎる。
あなたにおすすめの小説
亡き姉の身代わりとして嫁いだ私ですが、離縁状を置いた翌朝、夫が私の「真実」に気づいたようです』
まさき
恋愛
「サインはもう、いただきました。あとは私がこの屋敷を出るだけです」
五年間の結婚生活。侯爵令嬢エルゼが演じ続けたのは、亡き姉・ロザリーの「身代わり」という配役だった。
夫であるカイル公爵が愛していたのは、かつて雪の中で自分を救ってくれた初恋の少女・ロザリー。
生き写しの妹であるエルゼを娶りながらも、彼は一度も彼女を「エルゼ」と呼ぶことはなかった。
冷淡な視線、姉と比較される日々。
「君はどこまでいっても、ロザリーの代わりにはなれない」
その言葉を最後に、エルゼは静かに離縁状を置き、屋敷を去る決意をする。
しかし、彼女が消えた翌朝。
カイルは、エルゼが大切に遺していった古い小箱を見つける。
そこにあったのは、十五年前のあの日、彼が「命の恩人」に預けたはずの片方のカフスボタン。
そして、幼いエルゼが綴った、あまりにも切ない真実の日記だった。
――「あの日、雪の中で貴方を抱きしめていたのは、お姉様ではなく、私だったのです」
真実を知り、絶望の中でエルゼを追うカイル。
だが、すべてを捨てて「自分」を取り戻したエルゼは、もう二度と、彼の隣で微笑む仮面の妻には戻らない。
これは、名前を奪われた女が自由を掴み、愚かな夫が真実の愛を失うまでの、静かで鮮やかな再生の物語。
五年後、元夫の後悔が遅すぎる。~娘が「パパ」と呼びそうで困ってます~
放浪人
恋愛
「君との婚姻は無効だ。実家へ帰るがいい」
大聖堂の冷たい石畳の上で、辺境伯ロルフから突然「婚姻は最初から無かった」と宣告された子爵家次女のエリシア。実家にも見放され、身重の体で王都の旧市街へ追放された彼女は、絶望のどん底で愛娘クララを出産する。
生き抜くために針と糸を握ったエリシアは、持ち前の技術で不思議な力を持つ「祝布(しゅくふ)」を織り上げる職人として立ち上がる。施しではなく「仕事」として正当な対価を払い、決して土足で踏み込んでこない救恤院の監督官リュシアンの温かい優しさに触れエリシアは少しずつ人間らしい心と笑顔を取り戻していった。
しかし五年後。辺境を襲った疫病を救うための緊急要請を通じ、エリシアは冷酷だった元夫ロルフと再会してしまう。しかも隣にいる娘の青い瞳は彼と瓜二つだった。
「すまない。私は父としての責任を果たす」
かつての合理主義の塊だった元夫は、自らの過ちを深く悔い、家の権益を捨ててでも母子を守る「強固な盾」になろうとする。娘のクララもまた、危機から救ってくれた彼を「パパ」と呼び始めてしまい……。
だが、どんなに後悔されても、どんなに身を挺して守られても、一度完全に壊された関係が元に戻ることは絶対にない。エリシアが真の伴侶として選ぶのは、凍えた心を溶かし、温かい日常を共に歩んでくれたリュシアンただ一人だった。
これは、全てを奪われた一人の女性が母として力強く成長し誰にも脅かされることのない「本物の家族」と「静かで確かな幸福」を自分の手で選び取るまでの物語。
悪役令嬢ってもっとハイスペックだと思ってた
nionea
恋愛
ブラック企業勤めの日本人女性ミキ、享年二十五歳は、
死んだ
と、思ったら目が覚めて、
悪役令嬢に転生してざまぁされる方向まっしぐらだった。
ぽっちゃり(控えめな表現です)
うっかり (婉曲的な表現です)
マイペース(モノはいいようです)
略してPUMな侯爵令嬢ファランに転生してしまったミキは、
「デブでバカでワガママって救いようねぇわ」
と、落ち込んでばかりもいられない。
今後の人生がかかっている。
果たして彼女は身に覚えはないが散々やらかしちゃった今までの人生を精算し、生き抜く事はできるのか。
※恋愛のスタートまでがだいぶ長いです。
’20.3.17 追記
更新ミスがありました。
3.16公開の77の本文が78の内容になっていました。
本日78を公開するにあたって気付きましたので、77を正規の内容に変え、78を公開しました。
大変失礼いたしました。77から再度お読みいただくと話がちゃんとつながります。
ご迷惑をおかけして申し訳ありませんでした。
気配消し令嬢の失敗
かな
恋愛
ユリアは公爵家の次女として生まれ、獣人国に攫われた長女エーリアの代わりに第1王子の婚約者候補の筆頭にされてしまう。王妃なんて面倒臭いと思ったユリアは、自分自身に認識阻害と気配消しの魔法を掛け、居るかいないかわからないと言われるほどの地味な令嬢を装った。
15才になり学園に入学すると、編入してきた男爵令嬢が第1王子と有力貴族令息を複数侍らかせることとなり、ユリア以外の婚約者候補と男爵令嬢の揉める事が日常茶飯事に。ユリアは遠くからボーッとそれを眺めながら〘 いつになったら婚約者候補から外してくれるのかな? 〙と思っていた。そんなユリアが失敗する話。
※王子は曾祖母コンです。
※ユリアは悪役令嬢ではありません。
※タグを少し修正しました。
初めての投稿なのでゆる〜く読んでください。ご都合主義はご愛嬌ということで見逃してください( *・ω・)*_ _))ペコリン
『処刑された悪女は、今度こそ誰も愛さない』
なつめ
恋愛
断頭台の上で、自分の終わりを見た。
公爵令嬢セラフィーナ・エーデルベルク。傲慢で冷酷、嫉妬深い悪女として断罪され、婚約者である王太子に見放され、社交界の嘲笑の中で処刑された女。
けれど次に目を開けた時、彼女はまだ十七歳の春に戻っていた。
処刑まで残された時間は、三年。
もう誰も愛さない。
誰にも期待しない。
誰も傷つけず、誰にも傷つけられず、静かに生きる。
そう決めて、彼女は人との距離を置きはじめる。
婚約者にも、原作の“主人公”にも、騎士にも、侍女にも、未来で自分を断罪するはずの人々すべてに。
けれど、少しだけ優しくした。
少しだけ、相手の話を聞いた。
少しだけ、誤解を解く努力をした。
たったそれだけのことで、なぜか彼らのほうが先に彼女へ心を寄せ始める。
「……あなたは、こんな人だったのですか」
「もう少し、私を頼ってください」
「君が誰も愛さないつもりでも、俺は君を放っておけない」
「ずっと、怖かっただけなんでしょう」
悪女として死んだはずの令嬢が、二度目の人生で手に入れるのは名誉か、友情か、それとも恋か。
これは、誤解に殺された少女が、静かに息を吹き返していく物語。
君への気持ちが冷めたと夫から言われたので家出をしたら、知らぬ間に懸賞金が掛けられていました
結城芙由奈@コミカライズ連載中
恋愛
【え? これってまさか私のこと?】
ソフィア・ヴァイロンは貧しい子爵家の令嬢だった。町の小さな雑貨店で働き、常連の男性客に密かに恋心を抱いていたある日のこと。父親から借金返済の為に結婚話を持ち掛けられる。断ることが出来ず、諦めて見合いをしようとした矢先、別の相手から結婚を申し込まれた。その相手こそ彼女が密かに思いを寄せていた青年だった。そこでソフィアは喜んで受け入れたのだが、望んでいたような結婚生活では無かった。そんなある日、「君への気持ちが冷めたと」と夫から告げられる。ショックを受けたソフィアは家出をして行方をくらませたのだが、夫から懸賞金を掛けられていたことを知る――
※他サイトでも投稿中
あなたがすき、だったから……。
友坂 悠
恋愛
あなたが好きだったから、わたしは身を引いた。
もともと、3年だけの契約婚だった。
恋愛感情なしに、偽装夫婦を演じよう。
そういうあなたに同意をして一緒に暮らし出した日々。
それなのに。
約束の期限の三日前、まさか酔ったあなたとそういう関係になるなんて、思わなかった。
だから。 わたしはそのまま翌朝家を出た。
わたしだけが、どんどんあなたを好きになってしまったことを隠したくて。
こんな気持ちを悟られ、あなたに迷惑がかかるのに、耐えられなくて。
#############
なろうさんで開催されていた、氷雨そら先生、キムラましゅろう先生主催、
シークレットベビー企画参加作品だった、「あなたが好きだったから」という短編に、少し加筆修正して連載化しました。
初めてのシクべ、ちょっと変わったタイプのシクべ作品となりました。
お楽しみいただけると幸いです。