泣き虫狼と優しいウサギ 溺愛BL

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3話 誰か助けて。

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冷たい檻。鉄でできていて、とても冷たい。
父様に売られてから何日たったんだろう…ここには時計も無いし窓も無いから何も分からない。

父様に殴られ、売られた後、狐の獣人に拘束され、馬車に載せられてここに来た。外見はサーカス団のような建物で地下へ連れていかれ檻に入れられた。

鉄でできた首輪と手錠と足枷を付けられて重くて上手く動けない。しかも擦れて痛い…


辛い、寒い…これからどうなるんだろ、買われるのかな?怖い人だったらどうしよう、家にいた頃より殴られたらどうしよう、怖いよ……
これからのことを考えて尻尾と耳をへたらせ、毎日震える日々。

俺の他にも違う檻に入れられてる人や獣人達がいた。

同じ言葉を繰り返し呟く老人や、まだ幼い猫の獣人……年齢性別種族はバラバラだ。


「おい!巫山戯んな!!ここから出せよ!!」

そう言って檻を叩く熊の獣人もいるが、俺をここに連れて来た狐の獣人がすぐに来て、熊の獣人を魔法でいたぶる。

「がッ!ア゙ア゙…!!」

苦しそうに呻く熊の獣人を見下ろし、気持ちの悪い笑みを浮かべる狐の獣人が恐ろしくて仕方がない。

いい子にしなきゃ、じゃないと折檻されてしまう…

檻の端っこで息を潜めて震える。怖い、怖いよ…
ずっと泣いていて、目の下は赤く腫れている。

「家に…帰りたい…、」

捨てられたけど、家に帰りたい。怖い、いい子にするから、家に帰らせて


小さく呟いたその言葉は誰も聞いてはいなかった。















「おい、お前ら!飯の時間だ!!」

いつの間にか寝てしまっていたのか、狐の獣人の大きな声で目が覚める。
どうやら1日に1回の食事の時間のようだ。

起きなきゃ、怒られてしまう…

寝起きの体を無理やり起こして檻の中で座る。
目を擦って辺りを見回すと檻の中に皿がひとつ入れられていた。

…やだな、食べたくない…。

俺はここの食事が好きじゃない。
牛乳に浸したパンが数切れ入っているだけで、美味しくない。
なにより慣れない環境での食事が怖い。

それでも食べなければ死んでしまうので無理やり口に含み、飲み込む。
しかしパンを1切れ食べ終わって、手が止まってしまう

もうやだ、食べたくない…



そんな俺に檻を覗き込むようにして狐の獣人が声をかけてきた。

「ノアールちゃんご飯が進んでないねぇ、ご馳走様かい?」

ノアールちゃんなんて、気持ちが悪い…俺は男だ、

「ご、めんなさい…、もう無理です 」

狐の獣人の顔を見上げ、もう食べれない事を伝える。
すると狐の獣人は考えるような動作をしてすぐに笑みを浮かべる。

「いけないなぁ、ご飯は残しちゃいけないんだよ?これは…折檻だね!」

「ヒツ…!」

狐の獣人は明るく楽しげな口調で恐ろしい事を告げた。
思わず喉が引きつって小さな悲鳴が出てしまう。
やだ、折檻は嫌だ…!!熊の獣人の折檻を見てどれだけ恐ろしいかは分かる、あんなの耐えきれない!

「ごめんなさ、……あ"!?ぃああ"ア゙ツ!!!がツ……!!」

痛い、痛い痛い、苦しい!怖い怖い怖い怖い怖い!!

直ぐに謝ったが、首の首輪に強い電気が流れて痛くて苦しくて途中で声にならない悲鳴をあげる。

「ゲホツ…ぐ……うぅ…、」

首輪の電流が収まり床にうずくまって呻いた。
荒く息をする俺を狐の獣人がニマニマと笑いながら見下ろしてくる。

「あれまぁ、可愛そぉに…でもご飯残すノアールちゃんがいけないんだよ?ん?分かったかな?」

怖い、
体がガタガタ震えて、涙が溢れる。耳は力なく垂れて尻尾は足の間に隠れた。

狐の獣人に対して恐ろしい恐怖を感じた


「ごめんなさい…ごめんなさい、ごめんなさい!」

謝らなきゃ、またあの電気が来る…!
声を振り絞って謝る。頭を手で抱えて丸まって震える今の俺の姿はさぞかし滑稽だろう。

「聞き分けのいい犬は好きだよ。」

そう言うと足音が聞こえ部屋から出ていくのが分かった。

少し安心して、力が抜ける。
あと何日これが続くんだろ、もうやだ、怖い、家に帰らせて…

誰でもいいから助けて











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次回・ノアールさんオークションで賭けられます。
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