泣き虫狼と優しいウサギ 溺愛BL

文字の大きさ
13 / 13

12話 愛玩奴隷。

しおりを挟む




ご主人様が豪華で柔らかいソファに座る。こちらにおいで、とご主人様は自分の膝をポンポンと手で叩いていた。

そして俺は非常に困惑していた。
…膝の上に?乗る?俺が、ご主人様の上に?

そろりそろりと近ずいてご主人様の目の前に立つ。さて、ここからどうしていいか分からない。
いや、膝の上に乗ればいいのは分かるけどどんな風に乗ればいいかさっぱりだ。
まず奴隷がご主人様の膝の上に乗ってもいいのだろうか…?

もんもんと考えている俺を見兼ねたご主人様は、俺の脇の下に手を入れて いとも簡単に持ち上げると、自分の膝の上に向き合うように乗せて座らせた。
ご主人様の顔がとても近くなり少しだけ顔に熱が集まるのが分かる。ご主人様もそれに気づいたのかクスクスとからかう様に笑いをこぼしている。
からかわれている気がしてちょっとムッとしてしまう。


「話ってなんでしょうか?」

少し急かすように本題を問うとご主人様は「せっかちだな」と笑いながら俺の後ろ髪を指で梳いた。

「これからの事だよ。まずノアール、君はこれから俺の愛玩奴隷として生きてもらう。要するにペットだ」

愛玩奴隷…?
ペット…?
殴ったり蹴ったりしてストレスを発散する用の奴隷じゃなくて?

思わずキョトンとしてしまう。


奴隷商売や人身売買はここ最近、法律で禁止されたばかりである。表向きの取引は無くなったが裏ではまだ盛んに行われている。
労働用奴隷、使用人用奴隷、拷問用奴隷…様々な種類の奴隷が居るがその中で1番人気なのが愛玩奴隷だ。
見た目麗しい者達を売買し首輪を付け、躾たり、愛でたり、着飾って仲間に自慢したりする。愛玩奴隷は奴隷の中で最も主人に愛され幸せな生活を送れる奴隷だ。

その愛玩奴隷に俺はなったらしい。
俺が愛玩動物だなんて信じられない、特段美しい訳でもないし、可愛い訳でも無いのに…

「俺の事はレイドと呼ぶように。首輪は明日届く予定だ、俺の手で付けてやるのが楽しみだよ」

ご主人様は笑みを零しながら楽しそうにそう続けた。

「あ、の…ご主人様」

「こら、違うだろ?」

声を遮ってご主人様は俺を咎める。ワントーン声が低くなっているが威圧感は感じられない。きっと本気では咎めてないんだろう。


違う…?違うって何が…、

そこまで考えるとハッと気づいて慌てて訂正する。

「レイド…様?」

「様は無しだ。敬語もやめなさい、3度目は無いぞ?」

誰かを呼び捨てで呼ぶなんて久しぶりで何だか少し怖い気がしてきた…敬語だってそうだ。

「わ、かった…頑張ります、じゃなくて…頑張る」

たどたどしい言葉になってしまったがご主人様…レイドは満足した様で

「そうだ。いい子だな」

と褒めてくれた。頬を指でスリスリと撫でられ、心も体も心地良い
気づけば尻尾が大きく左右に揺れてしまっていた

生理現象だから仕方がない…、

「素直な子だな」

クスクスと笑われ、また頬が熱くなっていくのが分かった。






しおりを挟む
感想 2

この作品の感想を投稿する

みんなの感想(2件)

あると
2023.06.11 あると

よくある攻め狼、受けうさぎではなく逆のパターンで気になって読み始めましたがすごい好みでした!
でも話の途中で終わってしまっていてしばらく更新もされてないみたいなので少し残念です😢
またお話しあげてくれるのを楽しみにしています!!!

解除
りる
2021.09.22 りる

このお話ってもう続かないですか?
すごく可愛くて萌えたので続き書いて頂けると嬉しいです!

解除

あなたにおすすめの小説

今日もBL営業カフェで働いています!?

卵丸
BL
ブラック企業の会社に嫌気がさして、退職した沢良宜 篤は給料が高い、男だけのカフェに面接を受けるが「腐男子ですか?」と聞かれて「腐男子ではない」と答えてしまい。改めて、説明文の「BLカフェ」と見てなかったので不採用と思っていたが次の日に採用通知が届き疑心暗鬼で初日バイトに向かうと、店長とスタッフ達とBL営業をして腐女子や腐男子たまに普通のお客様を喜ばせて!?ノンケBL初心者のバイトと同性愛者の店長のノンケから始まるBLコメディ ※ 不定期更新です。

モブなんかじゃ終わらない!?

MITARASI_
BL
気がつけばそこは、人気BLゲームの世界。 けれど与えられた役割は、攻略対象でも悪役でもない――ただのモブ。 本来なら物語の外でひっそりと生きていくはずだった。 だが、そんな彼の存在が、少しずつ“運命のルート”を揺さぶっていく。 選ばれないはずのモブが紡ぐ、新たな恋の物語。 ゲームの定めを超えて、彼が辿り着く未来とは――。

病み墜ちした騎士を救う方法

無月陸兎
BL
目が覚めたら、友人が作ったゲームの“ハズレ神子”になっていた。 死亡フラグを回避しようと動くも、思うようにいかず、最終的には原作ルートから離脱。 死んだことにして田舎でのんびりスローライフを送っていた俺のもとに、ある噂が届く。 どうやら、かつてのバディだった騎士の様子が、どうもおかしいとか……? ※欠損表現有。本編が始まるのは実質中盤頃です

守り守られ

ほたる
BL
主治医 望月診療所の双子医師 患者 瀬咲朔 腸疾患・排泄障害・下肢不自由 看護師 ベテラン山添さん 準主人公 成海真幌 腸疾患・排泄障害・てんかん 木島 尚久 真幌の恋人同棲中

転移したらなぜかコワモテ騎士団長に俺だけ子供扱いされてる

塩チーズ
BL
平々凡々が似合うちょっと中性的で童顔なだけの成人男性。転移して拾ってもらった家の息子がコワモテ騎士団長だった! 特に何も無く平凡な日常を過ごすが、騎士団長の妙な噂を耳にしてある悩みが出来てしまう。

拝啓、目が覚めたらBLゲームの主人公だった件

碧月 晶
BL
さっきまでコンビニに向かっていたはずだったのに、何故か目が覚めたら病院にいた『俺』。 状況が分からず戸惑う『俺』は窓に映った自分の顔を見て驚いた。 「これ…俺、なのか?」 何故ならそこには、恐ろしく整った顔立ちの男が映っていたのだから。 《これは、現代魔法社会系BLゲームの主人公『石留 椿【いしどめ つばき】(16)』に転生しちゃった元平凡男子(享年18)が攻略対象たちと出会い、様々なイベントを経て『運命の相手』を見つけるまでの物語である──。》 ──────────── ~お知らせ~ ※第3話を少し修正しました。 ※第5話を少し修正しました。 ※第6話を少し修正しました。 ※第11話を少し修正しました。 ※第19話を少し修正しました。 ※第22話を少し修正しました。 ※第24話を少し修正しました。 ※第25話を少し修正しました。 ※第26話を少し修正しました。 ※第31話を少し修正しました。 ※第32話を少し修正しました。 ──────────── ※感想(一言だけでも構いません!)、いいね、お気に入り、近況ボードへのコメント、大歓迎です!! ※表紙絵は作者が生成AIで試しに作ってみたものです。

ざこてん〜初期雑魚モンスターに転生した俺は、勇者にテイムしてもらう〜

キノア9g
BL
「俺の血を啜るとは……それほど俺を愛しているのか?」 (いえ、ただの生存戦略です!!) 【元社畜の雑魚モンスター(うさぎ)】×【勘違い独占欲勇者】 生き残るために媚びを売ったら、最強の勇者に溺愛されました。 ブラック企業で過労死した俺が転生したのは、RPGの最弱モンスター『ダーク・ラビット(黒うさぎ)』だった。 のんびり草を食んでいたある日、目の前に現れたのはゲーム最強の勇者・アレクセイ。 「経験値」として狩られる!と焦った俺は、生き残るために咄嗟の機転で彼と『従魔契約』を結ぶことに成功する。 「殺さないでくれ!」という一心で、傷口を舐めて契約しただけなのに……。 「魔物の分際で、俺にこれほど情熱的な求愛をするとは」 なぜか勇者様、俺のことを「自分に惚れ込んでいる健気な相棒」だと盛大に勘違い!? 勘違いされたまま、勇者の膝の上で可愛がられる日々。 捨てられないために必死で「有能なペット」を演じていたら、勇者の魔力を受けすぎて、なんと人間の姿に進化してしまい――!? 「もう使い魔の枠には収まらない。俺のすべてはお前のものだ」 ま、待ってください勇者様、愛が重すぎます! 元社畜の生存本能が生んだ、すれ違いと溺愛の異世界BLファンタジー!

異世界転生してひっそり薬草売りをしていたのに、チート能力のせいでみんなから溺愛されてます

ひと息
BL
突然の過労死。そして転生。 休む間もなく働き、あっけなく死んでしまった廉(れん)は、気が付くと神を名乗る男と出会う。 転生するなら?そんなの、のんびりした暮らしに決まってる。 そして転生した先では、廉の思い描いたスローライフが待っていた・・・はずだったのに・・・ 知らぬ間にチート能力を授けられ、知らぬ間に噂が広まりみんなから溺愛されてしまって・・・!?

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。