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1章
15.本当の黒幕
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「うむ。隅屋は死んじゃったみたいだね」
「はぁ。やはり、あの戦力では足りなかったみたいですね」
「そうみたいだな…。さて、次はどう動く」
そこで会話をしていたのは、マントを被っていた女性と、一人の男性だった。
「う~ん。ぶっちゃけ、城ケ崎を探すのに時間がかかりそうだしね……」
「キイチは、どこに居るのでしょうか。ってか、本当に生きているのでしょうか」
「生きているはずよ。でなければ、こんな計画を思いつかないもの」
「そうですね……」
彼女たちがいる足元には、何人もの死体が転がっていた。
「でも、一ノ瀬は……力を出し切れないわね」
「……。どういうことですか」
「えっとね。あの女戦闘よりも、立花って男を守りたいという目的が強くて、それがないと戦えないような顔をしているの」
「戦えないような顔ですか」
その男は、女性の言っていることを理解することはできなかった。
「ええ。あの女は、力と実力を持っている。それなのに、城ケ崎澪に全てを壊された」
「城ケ崎……」
「澪は敵じゃない。本当の敵は、別に居るからね」
その女性は少しだけ、ほほ笑む。そして、その男にこう続きを話し始めた。
「城ケ崎澪が、ルーア国内に来る。それが何を意味すると思う?」
「まさか……」
「ええ。全てを知るものは、全てを終わらせる力を持つものよ」
その言葉の意味は、その男の判断を鈍らせる。そして、女がレイピアに手を乗せる。
「旧七星教会を、潰すチャンスが来たってことかしら」
「それが、我々の目的でしたからね」
「隅屋啓二。彼を使えば、キイチが釣れると思ったけど、そう甘くないみたいね」
「そのようですね。ただ…、キイチがこの計画に加担していることは、明白になりましたね」
その男が反対向きに、立つ。そして、懐から銃を抜き構える。
「リアト。死ぬことは許さないわ」
「はい。クリス様のために、私はこの程度では死ねません」
「ははは。なら、本気で終わらせに行くよ」
「かしこまりました。教皇」
そして2人はその場を離れる。それは、長き戦いの途中であった。
「そうだよ、君はそうでなければ、いけなかった」
そして今、クリスと呼ばれた女性は立花と戦う。それは、赤子が神に挑むのと同じことだった。
「ここで死ぬわけには行けない」
「成長は、死から始まる」
「死んだら、何も始まらないだろうがアアアア」
立花は、武器と呼べる武器を持っていなかった。先ほどの戦いで剣は使えなくなり、銃撃をしようとしても、弾丸がそこまで残っていなかった。
それでも立花は、立ち向かう。それは、この女が許せなかったからだ。
それが、立花が戦う理由だった。多分、中野に聞かれたら馬鹿にされるほど馬鹿な話だと思う。それでも、立花は引くことのできない。援軍が来るまで、逆転ができる方法。頭の中全てを、こいつを殺す方法として考え続けた。
そして、出てきた答えは、特攻だった。
「うおおおお」
「つまらん。男だなあああ」
立花の体を、レイピアの先端が捉える。肩に痛みが走る。それでも止まらない。止まれば、次の攻撃を受けてしまうから。
どうすれば、レイピアの特性を潰せるのかを考え続けた。そしてたどり着いた答えは、レイピアの根元まで体を押し込むことだった。
「はは、そう来たか。それでこそ、ルーアのエースだ」
「止まってたまるかあああ」
「だが、これだけじゃねーぞ」
「この間合いなら、俺の勝ちだあああ」
クリスの行動よりも、立花の銃の引き金の方が早いと感じたその瞬間だった。クリスは笑っていた。
立花の引いた銃弾がクリスの体を、捉えることはなかった。
「なんだ、それは……」
「マンゴーシュ。聞いたことはないか」
「それで、弾いたのか」
「すごいね。君は、私を楽しませてくれる。でも……、万策尽きたよね」
立花はこの状況から、脱する方法を模索する。普通に考えれば、この状況は死を待つだけになる。だが、神はまだ立花を見放していなかった。
「まだ、私は負けない」
「ほう……」
立花は、クリスを蹴り抜く。その結果、レイピアから体が抜ける。そして回転しながら、壊れかけの武器を握る。
クリスは蹴られたことにより、少しだけ視線が立花から離れた。
そして、立花はその一瞬を狙った。左手で剣を横向きに構え、壊れかけの剣身目掛けて、銃弾を弾く。
「その程度で、避けれなくなると思うのかい」
その銃弾は、クリスにとって容易いことだった。だが、立花の作戦はここからだった。
「はぁ。やはり、あの戦力では足りなかったみたいですね」
「そうみたいだな…。さて、次はどう動く」
そこで会話をしていたのは、マントを被っていた女性と、一人の男性だった。
「う~ん。ぶっちゃけ、城ケ崎を探すのに時間がかかりそうだしね……」
「キイチは、どこに居るのでしょうか。ってか、本当に生きているのでしょうか」
「生きているはずよ。でなければ、こんな計画を思いつかないもの」
「そうですね……」
彼女たちがいる足元には、何人もの死体が転がっていた。
「でも、一ノ瀬は……力を出し切れないわね」
「……。どういうことですか」
「えっとね。あの女戦闘よりも、立花って男を守りたいという目的が強くて、それがないと戦えないような顔をしているの」
「戦えないような顔ですか」
その男は、女性の言っていることを理解することはできなかった。
「ええ。あの女は、力と実力を持っている。それなのに、城ケ崎澪に全てを壊された」
「城ケ崎……」
「澪は敵じゃない。本当の敵は、別に居るからね」
その女性は少しだけ、ほほ笑む。そして、その男にこう続きを話し始めた。
「城ケ崎澪が、ルーア国内に来る。それが何を意味すると思う?」
「まさか……」
「ええ。全てを知るものは、全てを終わらせる力を持つものよ」
その言葉の意味は、その男の判断を鈍らせる。そして、女がレイピアに手を乗せる。
「旧七星教会を、潰すチャンスが来たってことかしら」
「それが、我々の目的でしたからね」
「隅屋啓二。彼を使えば、キイチが釣れると思ったけど、そう甘くないみたいね」
「そのようですね。ただ…、キイチがこの計画に加担していることは、明白になりましたね」
その男が反対向きに、立つ。そして、懐から銃を抜き構える。
「リアト。死ぬことは許さないわ」
「はい。クリス様のために、私はこの程度では死ねません」
「ははは。なら、本気で終わらせに行くよ」
「かしこまりました。教皇」
そして2人はその場を離れる。それは、長き戦いの途中であった。
「そうだよ、君はそうでなければ、いけなかった」
そして今、クリスと呼ばれた女性は立花と戦う。それは、赤子が神に挑むのと同じことだった。
「ここで死ぬわけには行けない」
「成長は、死から始まる」
「死んだら、何も始まらないだろうがアアアア」
立花は、武器と呼べる武器を持っていなかった。先ほどの戦いで剣は使えなくなり、銃撃をしようとしても、弾丸がそこまで残っていなかった。
それでも立花は、立ち向かう。それは、この女が許せなかったからだ。
それが、立花が戦う理由だった。多分、中野に聞かれたら馬鹿にされるほど馬鹿な話だと思う。それでも、立花は引くことのできない。援軍が来るまで、逆転ができる方法。頭の中全てを、こいつを殺す方法として考え続けた。
そして、出てきた答えは、特攻だった。
「うおおおお」
「つまらん。男だなあああ」
立花の体を、レイピアの先端が捉える。肩に痛みが走る。それでも止まらない。止まれば、次の攻撃を受けてしまうから。
どうすれば、レイピアの特性を潰せるのかを考え続けた。そしてたどり着いた答えは、レイピアの根元まで体を押し込むことだった。
「はは、そう来たか。それでこそ、ルーアのエースだ」
「止まってたまるかあああ」
「だが、これだけじゃねーぞ」
「この間合いなら、俺の勝ちだあああ」
クリスの行動よりも、立花の銃の引き金の方が早いと感じたその瞬間だった。クリスは笑っていた。
立花の引いた銃弾がクリスの体を、捉えることはなかった。
「なんだ、それは……」
「マンゴーシュ。聞いたことはないか」
「それで、弾いたのか」
「すごいね。君は、私を楽しませてくれる。でも……、万策尽きたよね」
立花はこの状況から、脱する方法を模索する。普通に考えれば、この状況は死を待つだけになる。だが、神はまだ立花を見放していなかった。
「まだ、私は負けない」
「ほう……」
立花は、クリスを蹴り抜く。その結果、レイピアから体が抜ける。そして回転しながら、壊れかけの武器を握る。
クリスは蹴られたことにより、少しだけ視線が立花から離れた。
そして、立花はその一瞬を狙った。左手で剣を横向きに構え、壊れかけの剣身目掛けて、銃弾を弾く。
「その程度で、避けれなくなると思うのかい」
その銃弾は、クリスにとって容易いことだった。だが、立花の作戦はここからだった。
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