発展科学の異端者

ユウ

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2章

26.災害の戦争

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「さあ、死になさい」
「メルティア様。強すぎだろ」

 メルティアは、この場に居るモンスターの大半を殺していた。数としては、1200体前後。それを彼女一人で倒し切ったのだ。

「はああ。面白くはないですね」
「ははっ」
「さすがだな」

 この場に居る科学武装師は、驚きを隠すことができない。それだけ、通常の人間では、たどり着くことのできない強さ。それを、メルティアは持っていた。

 だから、恐怖する。だから、安心できる。だから、気が抜けてしまった。それが、この場に居る者たちへの、恐怖の始まりだとは知らなかった。

「うん」

 メルティアが後ろを、いきなり振り返る。それに対して付いてきた、科学武装師が驚く。それと同時だった。

 ドゴーーーン。信じられない爆発と同時に、辺りが吹き飛ぶ。

「くっ」

 メルティアの体が後ろに吹き飛ぶ。それと同時に、立ち上がり短剣を手に取る。

 それと同時に、死体となった科学武装師の体の一部が飛んできていた。

「無差別。これは、ウィリアムか」
「いやー。上手いこと躱せたものだね」

 メルティアの前に現れたのは、ウィリアム・テンペスト。旧七星教会のメンバーの一人であり、メルティアの同期だった。


 場所は変わり、廃工場。

「お前ら無事かああ」

 扉をけ破り中に入る。その中に居るのは、チームの死体だった。

「遅かったな。修平」
「貴様が、貴様が行ったのか。敏弘」

 この場に生きている唯一の人間。そして、この元凶の男。片山 敏弘かたやま としひろだった。

「久しぶりだな。修平。この時を、楽しみに待っていた」
「貴様。何を、しているんだあああ」

 星野の怒りが、最大に達した。星野は科学武器を構える。

 それに対して、片山も武器を構える。

 この二人の戦いは、昔のけんかから始まった。それは、学生時代の争いがここまで、発展してしまった結果だった。

「修平。決着を付けようか」
「そうだな。敏弘。決着を付けよう」

 両者がぶつかる。それは、二人の意地がぶつかる戦いだった。


 場所は変わり、グラジア大国真王教団支部にて

「ふんふんふーん」
「敵襲。敵襲」
「何が起きたんだ」

 真王教団支部の一つが、壊滅状況に追い込まれる。それは、この場に居る誰もが想像できなかったこと。そして、司祭の一人が死んだとき、正式にこの場の支部が壊滅したことが判明する。

「残念だな。立場が違えば、共に戦う科学武装師なのに……」
「そうですね。立場が違えば、世界を守る最高の戦友だろうな」
「はは。まさか、君が来ているとは」
「ええ。あなたを止めるためよ」

 この場には、七星教会の最高戦力と真王教団の最高戦力がぶつかる。


ーーーーーーー
 お久しぶりです。作者のユウです。

 これからの物語の流れを簡潔に説明します。

 まず最初に、スターナイト事務所の星野と片山の戦い

 その次に、メルティアとウィリアムの戦い もしかしたら過去編を入れるかもです。

 その後に城ケ崎喜一と城ケ崎零の戦い

 最後に夜明け

 の予定になっています。更新が遅くなりすみません。2章は、戦い描写が多いので今後は解説も入れていこうかなと考えています。
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