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2章

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デュークお兄ちゃんが一番大人だって思ったのは誰だったのしょうか。
ええ、そうですよ。私マリア・スティーリアですよ!!



「まったくそんなんじゃ困りますね。誰にも任せられないよ。マリアが一番慕っている僕が面倒を見ますから、三人は黙っていてください。」


「なに言ってるんだ!!(あーに、ゆっええ!)」


「マリアが一番慕ってくれてるのは、僕ですよ?”お兄ちゃんお兄ちゃん”って、後をついてくるのを見てればわかるでしょう?それに、マリアのことをちゃんと考えられていない三人には、任せられませんよ。教会へも僕が付き添います。」

なーんて、デュークお兄ちゃんが言いだして、またもバチバチ・・・


「父上、母上。いつもこの調子ですか?」

目を丸くして、アストおじさまが、この4人のやりとりを見ている。


「ああ、そうだな。」


「そうねえ。マリアは皆に愛されるのよ。」


「ああ、そのようだね。・・・それにしても、マリアの周りには清い空気が漂っている。只者ではないね。」


「はっはっは。只者じゃなくても、只者でも、わしらのかわいいかわいい孫には変わらんよ。」


「そうねえ。あの子は愛される天才なのよ。性格も見た目も相まって。孫はみんな可愛いけれど、あの子は大切にしなきゃいけないねえ。そう思っているのよ。」


「ええ、父上、母上。そうですね。」


アストおじさまが近づいてくる。
さっとお父様から私を抱き上げ、話しかけてくる。


「さあ、みんなは言い争いが終わらないようだから、教会へアストおじさんと行こうか。」

フフっと笑って、すんごいことを言ってきたアストおじさまに、今度は私が驚く番だった。
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