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2章

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頭から背中にポンポンされる場所が変わってくると、朝早く起きたせいか、眠くなってきてしまった。
こんなときに、ドキドキして早起きしてしまったツケが・・・!


「マリア、眠いか?寝てていいぞ。起こしてあげるからな。」


「うん・・・おじい様ごめんね。マリア、ドキドキして早く起きちゃったの・・・スウースウー」

すると、すぐに寝息を立てて寝てしまったマリア。



起きると、おじい様以外の家族が正座していた。
私はというと、おじい様に抱っこされたまま、おじい様はイスに座っていた。
ええっと、前世の海外と同じで、室内でも外履きのままだから、床は汚いよ・・・?
と、思いつつ、まずはお礼お礼と。


「おじい様、ありがとうございます。ずっと抱っこしててくれたんですか?」


「マリア、おはよう。そうだよ。」


「ごめんなさい。重かったでしょう?」


「そんなことないさ。もっともっと食べて大きくなっておくれ。マリアは軽いほうだぞ。それに、みんな羨ましそうに指をくわえて見ていたよ。だから、マリアを抱っこしたままでいられるなんて、役得だよ。」

そう言ってニッコリ笑ってくれた。


「気をつかってくれてありがとう。おじい様、大好き!」

と、ギュッと抱きついた。


「気を使ってつわけじゃなくて、本当のことなんだがなあ・・・」


「ん?そうなの?と、言うか、なんでみんなあんな格好しているの?」


「それはね、みんながマリアに話したいことがあるんだってさ?」


「そうなの?えっと、まず座ったらどうかな?」
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