上 下
25 / 78
1章

父母・兄夫妻side 夢の中?マリアが眠っていたあの時

しおりを挟む
これは夢はなのだろうか。
私は目覚めないマリアを看病していたはずだ。
なんで、こんなところにいるのだろう。
横を見れば、妻のアメリアもいる。



「アメリア。」

声をかければ、ゆっくりと妻の目があいた。


「カスト様・・・?あれ?マリアは?」


「わからない。夢、だろうか。」


「マリア、大丈夫かしら・・・」


そんな話しをしていると、兄上夫妻もポっと現れた。
なんだ、なんだ。


「クロエさま・・・」


「兄上・・・」

私たちの声が被った。
妻と同じようにゆっくりと目を開けた二人は、落ち着いていた。


「カスト、どういうことだ?」


「私にもわかりません。夢、でしょうが・・・」


そんな話しをしていると、次は急に大きくて、髪の長い人と、小さ目でドワーフのような人?が神々しいオーラをまとって、現れた。


「皆様お揃いですね。今は夢の中に干渉させていただいています。まずは、謝罪を。クロエさま、あなたを命の危機にさらしまい、大変申し訳ない。」


「えっ、いえ・・・」


「もとはと言えば、原因はマーシャルなのですがね。あやつの執着心には、驚きました。歴代の武神様の中でも、一番でしょうね。」

とドワーフが言う。

「マーシャルはとある人を追って、あなたの元へ産まれました。悪い子ではないのです。できれば愛してあげてほしい。」


「ええ、それはもちろん。」


「よかった。」

とニッコリと笑って、大きな人は言う。


「マリアちゃんなんだが、彼女はもうしばらくすれば起きるから、心配はいらないよ。カストくん・・・君。ふっ、マーシャル最大の敵だな。」


「そのようですね。でも、マリアくんが愛されていて、良かった。」


「ああ、彼女も運に恵まれているなあ。」


「では、そろそろ失礼します。」

そう言って、消えた大きな人と、ドワーフ。
そして目が覚めた私たちは、マリアの元気なすがたを見て、ほっとしたのだった。
しおりを挟む

処理中です...