実話!親ガチャ大失敗!夜逃げ中に生まれて捨てられ老夫婦に育てられた俺はワンオペ認知症介護で人生詰んでます!転生ざまぁはいつですか!

他山小石

文字の大きさ
2 / 91

幼児期編 1話

しおりを挟む

 俺の実の両親は最低のクズだった。
 借金を作り消えた実父。子供を育てられないからと末っ子の俺を捨てていった実の母親。俺には確か姉が二人兄が一人いたそうな。

 幼く手がかかるからと捨てられたわけだがもう少し計画性というものはないのか?
 無計画に子供をポンポンと作り手に負えないからと捨てていく。後にわかることなのだが兄は知らないうちに死んでいた。

 さて俺は老夫婦に預けられるわけだが、血縁は一切ない。
 今の両親が、たまたま利用したタクシーの運転手が「かわいそうな子がおってな」と幼い俺の境遇を話した。「どうしても育てたい」と養子として育てることに決めた。
 めでたしめでたし、とはいかなかった。何と言っても俺と50才歳の差がある老夫婦だ。

 父も母も持病で何度も倒れた。
 そして問題は叔父の存在だ。叔父は重度重複心身障害1級、心身ともに重度の障害をおっていた。父の兄弟は8人だったか、その中で家族皆に見捨てられたおじさん。誰が引き取るかで揉めて我が家に来た。

 俺の最初の記憶は夕日に照らされたトイレに両脇を抱えられ向かう場面だった。おそらく3歳頃。次に強烈な記憶が残っているのはおじさんに対してだ。
 おじさんはこたつでタバコを吸っていた。こたつ布団にタバコから燃え移り軽いボヤになりかけていた。俺は5歳ぐらいだったと思う。ちょうど両親が留守にしていたので俺は必死にコップに水をため台所から運び消火活動をした。何度も何度も水をかけた 。幼い手足を伸ばして蛇口から水を出しっぱなしで、水をくんだ。

 このおじさんは1日の半分を正気で過ごした。正気のおじさんは難しい言葉や五目並べなどの遊びを教えてくれて、優しいおじさんだった。両親に厳しく叱られてる時もいつもかばってくれたのはおじさんだった。

 正気ではないおじさんは変な人だった。
「あそこの山のてっぺんの大きな木の根元に生えているキノコを煎じて飲めば俺の病気は一発で治るんや」
「俺はたぬきとばけくらべしたことあるんやぞ」

 専門用語で何と言うのか。体系的妄想というのだろうか。
 明らかに嘘だとわかっているので子供ながら聞き流しつつも面白いおじさんだなと思った。 
 若い頃は高身長でそこそこの企業で働いていたそうで立派な人だったと聞いている。だがおじさんは大きな病気をして心身障害をおった。1日の半分をよだれや鼻水を垂らしながら首をガクガクと揺らしてわけのわからないことを言っている。病気とは怖いものなのだなあと幼いながら思った。それでもおじさんのことは好きだった。

 俺が5歳前後から11歳頃までおじさんは我が家で過ごした。
 ベットの上で「うんこうんこうんこうんこうんこうんこ」 とつぶやきながらうんこ漏らす。はたからみれば面白いかもしれないが、幼少期の俺にとっては 刺激が強かった。病気って怖いな、と思った。今ではヤングケアラーという名前がつくんだろうか。おむつを補充したり トイレットペーパーを用意したりできることは手伝った。
「 お前はそんなことやらんでええんやぞ」
  正気のおじさんは 幼い俺を思いやってくれた。 
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

とある男の包〇治療体験記

moz34
エッセイ・ノンフィクション
手術の体験記

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件

さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。 数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、 今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、 わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。 彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。 それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。 今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。   「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」 「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」 「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」 「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」   命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!? 順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場―― ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。   これは―― 【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と 【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、 “甘くて逃げ場のない生活”の物語。   ――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。 ※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】

田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。 俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。 「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」 そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。 「あの...相手の人の名前は?」 「...汐崎真凛様...という方ですね」 その名前には心当たりがあった。 天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。 こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。

処理中です...