実話!親ガチャ大失敗!夜逃げ中に生まれて捨てられ老夫婦に育てられた俺はワンオペ認知症介護で人生詰んでます!転生ざまぁはいつですか!

他山小石

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介護保険拒否編

在宅介護、介護保険拒否編 11話

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 食事も工夫した。まず噛み切れるもの飲み込めるもの柔らかいものが多くなる。
 あとで分かることだが前頭側頭型認知症の場合、甘いものを異常に欲しがる。食パンに塗るジャムの量がどんどん増えていった。3日で一瓶なくなる。
 食パンとジャムの組み合わせが食べられない時はフレンチトーストなどを作った。

 半年ほど同じものを食べ続ける事もあった。これは常同行動と言って同じ行動を毎日定期的に繰り返してしまう症状だ。
 スシにはまった時、スーパーのパック寿司や回転寿司に半年通ったことがある。この期間は漏らす回数が増えていたので早く家に帰らないと大惨事になった。
 Mナルドのエビバーガーを半年食べたときはまいった。早く帰らないといけないし、食事の準備も面倒なので、俺もハンバーガーを食べることが増えた。
 エビバーガーを6等分にして食べてもらう。半分ほど食べきれずに「もったいないからお前食え」と渡してくる。
 当時、洗濯時間が増えて毎日疲れていた。とにかく食べて栄養だけでもつけよう。そして半年で15キロ太った。大学時代、武道関係の部活してる同期に勧誘されたり稽古できるぐらいには鍛えてたのに、体重は80キロを越えてしまった。

 ちなみに、実母の扶養義務や200万円事件の時は、3つほど胃潰瘍ができて5キロほどやせていた。2016年までに累計7つほど胃潰瘍ができている。基本家にこもって母の世話なので仕事量は多くても移動量は少ないので太りやすく、すぐリバウンドした。

 Mナルドには毎日同じ店に行ってたので「エビ……」というだけで奥から笑い声が聞こえたことがあった。ドライブスルーで毎日エビバーガーおじさん。現場の人には妖怪扱いでもされてたんだろうな。俺は悲惨な目にあってたんですが。

 徘徊は身体が弱ると少なくなる。その代わり増えるのが尿や便を漏らす回数だった。

 布団から起き上がれなくなっていたので夜中補助する。それも嫌がる。
「私はそこまで弱ってない」
 夜中トイレまで間に合わず漏らす回数は増えていった。
 同じ部屋で寝ることすら本人は嫌がる。仕方がないので廊下に寝袋を敷いて寝ることにする。本人が動く時に捕まる部分に鈴をつける。起き上がろうとすれば鈴が鳴る。これで夜中補助に入ることができた。それでも間に合わない日が多くなった。
「ベッドを使おう、その方が立ち上がりやすいぞ」
 提案してもなかなか受け入れてくれなかった。

 近くにいると嫌がる。
 認知症は理性のブレーキを吹き飛ばす。ブレーキになる人間を嫌う。
「やりたいことをやりたいように」やらせてくれないとストレスですぐに爆発する。
 止めなきゃいけないのに止める人間を遠ざけようとする。
「あれこれ指図するな!!」という状態になってしまうのだ。近くにいないと何をしでかすかわからないので廊下や隣の部屋で待機する時間が増えていった。
 こんな状態でも「私は一人で生きていける」と言い張っている。何度も逃げたいと思った。
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