実話!親ガチャ大失敗!夜逃げ中に生まれて捨てられ老夫婦に育てられた俺はワンオペ認知症介護で人生詰んでます!転生ざまぁはいつですか!

他山小石

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家族の悲鳴編

家族側の悲鳴 4話

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 職員も我慢しているのは重々承知しているが、利用者や家族の立場も少しは思いやってくれまいか? これは高望みだろうか?

 辛い時は他人を思いやるほどの余裕はなくなる。
 職員を責める家族も家族を責める職員も。みんな余裕がなくなっている。
 悲しい状況だ。だが事実だ。
「本人が一番辛い」「職員の待遇改善」
 その声を大きく聞くたびにイラッとした。そんなに俺は器の小さい人間だったろうか?

 違う。家族の悲鳴を無視されているから胸が痛んだんだ。 
 いつまで無視してくれてんだ?
「介護世帯も救ってくれ」「家族の負担も忘れないでくれ」
 繰り返すが介護問題とは社会の状況が作り出した社会の問題だ。誰もが経験しうる問題なんだ。一家庭、一家族の問題ではない。
 今まで核家族化を煽ってきたのは社会じゃないか。
 独身の男性が実家に住むことすら「子供部屋おじさん」と罵られて、家族をバラバラにする思惑が世を覆っている。この状況を招いておいて、介護に不利な状況を招いておいて、いざ介護が始まれば無視か? 腹立たしい。社会的影響力があって世の中を動かす立場の人たちはお金でなんとかするんでしょうけど、庶民は命を削るしかないんだぞ?

 世の中では声が大きい順に救われていく。人々が集まるほど声は大きくなる。税金から児童手当はあるが介護に手当なんて基本的につかない。
「介護サービスを十分に受けてくださいね」
 とケアマネージャーさんに言われてもお金が足りなくてサービスを十分に受けられないパターンもある。
 我が家では両親二人ともが昭和一桁生まれ。年金を55歳から受け取れた世代だ。両親の年金を駆使して貯金を切り崩し、なんとかサービスを受けることができた。だが、収入が少なければせっかくのサービスも受けられない。
 介護離職を止めようという働きかけもある。家族が少ないワンオペ介護になると交代要員がいないので働く余裕などなくなっていく。せめて手当でもあれば、介護手当でもあれば。

 これらの実態はどこまで知られているのだろう?

 誰かを守る言葉が、もう片方を苦しめる。
 世の中「わかりやすい」話がもてはやされるが単純にできていないのだ。片側だけを伝えるな、全体を把握できるように伝えろ。
 職員の待遇改善とともに、家族の悲鳴も届いてくれ。

 報酬が低いのと、激務のせいで離職される職員も多い。専門教育を受けずに現場で働き始めた人もいるだろう。研修で数時間しか学んでいない方もいるんだから完璧を求めるのも難しいだろう。
 家族側も介護職の大変さを理解してほしい。
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