実話！親ガチャ大失敗！夜逃げ中に生まれて捨てられ老夫婦に育てられた俺はワンオペ認知症介護で人生詰んでます！転生ざまぁはいつですか！

メンヘラストーカー編

12話

　要求が通るまで連絡が来る。
「さっき断ったろ」
「時間が経ったら行けるかなと思って」

　このストーカー事件で俺に非があるとするならば「話せばわかる」こんな綺麗事を初期に信じてしまったことだ。
　一応福祉大を出ている。
　福祉を真剣にやってきた人間が精神障害者相手に強い口調で拒絶していいものか？

　ここでまた間違ってしまった。
　否定しない、受け入れよう、責めてはいけない。

　これは病院や施設を利用している障害者に対しての言葉だ。
　ヘラくんは言い訳を重ねて病院での治療を自己判断で止めてしまう。
　薬も飲まなくなっていく。
　医療を拒否している精神障害者に対して否定しない、受け入れよう。
　これで依存されたのだ。

　どんどん酷くなる。あまりにも話が通じない。
　会話が成り立たない。約束も成り立たない。何もかも成り立たない。
　一方的に願望を叶え続けるマシンであることが求められる。
　断ったらどんな行動に出るのか。何をしでかすか分からない。 

　出会い系で出会ったヘラちゃんと喧嘩してるとき、ヘラ君は振り回されて倒れた。そのまま一か月強制入院をしたことがあった。そこで初めて精神障害2級であることを知った。 

　若い頃、自宅の二階から机を投げ落としたこともあるそうだ。意味が分からない。
　職場でいやらしい目で見られている、などという意味のわからない被害妄想を話していた時もある。
「今日は暇ですか」「今日は大丈夫ですか」「今何してんすか」「今暇ですか」「時間ありませんか」「今日行きませんか」「外出る用事ないですか」「今日は天気いいですね」「ちょっとでいいんです」「一緒に行きませんか」「どうしても話があるんです」「相談したいことがあって空いてませんか」「1時間だけでも会えませんか」「会いたい」

「渡したいものがあるんです」
　何故か無料で手に入る車のパンフレットだったりする。後はローソンの無料引換券で手に入る発泡酒。全く割に合わない。
　口実は何でもいい。とにかく俺に会いたがる。「謝罪したい」ですら俺と会うための口実だ。

　毎日、必要のない用事で車の催促をされた。
　中古のスマホが値段下がってないかどうかチェックしに行く。毎日毎日だ。意味がわからない。車出すたびに30キロぐらい走る。ガソリン代も出してくれない。その中古屋さんに俺は用事はない。一人で行け。