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カルト宗教との対決
4話 人間っていいな(暗黒微笑)
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そして、最終日。俺は危ない話もふってみた。
賛美の歌(エホさんの讃美歌)がアップテンポになって世の人ソングに近づいている。
禁止されてるはずのダンスミュージックのビデオがアメリカの本部で作られた。
予言を何度も外していること。
重要施設で死者が出ている。それも幹部クラスが階段から堕ちている。落ちて、というのはキリスト教的に堕天を連想させる。
神殿や寺社内で事故死とか普通するか?
日本では太平洋戦争時、教義に従って戦争反対した人は投獄された。獄中でも反戦を訴えた。
アメリカでは教義に反して戦争を支持していた。日本支部から抗議と質問の手紙を送ったら排斥(破門)された。
「横道がお好きなんですねぇ」
ただの不祥事ですが……。
「何かがおかしいとは思わないんですか?」
世の人と交わるなと、文化を制限してるのに本部はダンスもミュージックもやっている。下っ端には節制を求めてるのに、幹部は高級ブランド時計してる。なんてこった!!
「えほおじさん。世界は今、危機なんですよ」
「!!」
え、初耳っすね。
「スイス、アルプスで悪魔の儀式が行われた、ご存じですか?」
「いえ……」
一時期、オカルト陰謀論業界では悪魔の儀式動画が話題になっていた。
「我ら崋山全真道教、光覇明宗、魔術協会、埋葬機関は各国で連携をとって、悪しき流れを絶つべく動いてます」
「!!」
そんな設定あったの?
ついでにスピードワゴン財団(ジョジョの奇妙な冒険)を出しても良かったかな?
「俺も天罡北斗陣法(てんこうほくとじんぽう)を習得し、加勢に向かうつもりです」
へー、ソーナンダー、初耳だなー。
技名は中国武侠小説に出てくる必殺技。降龍十八掌(こうりゅうじゅうはっしょう)みたいな、あちらのネーミングは中二マインドをギュンギュン刺激してくるぜ。
「人にぃそんな力はぁぁ、なぁいぃぃ」
「それはどうかな?(キメ顔) 天然自然に存在するパワーを一定の方向に誘導できれば、王国会館(エッッの集会所)の屋根ぐらい吹き飛びますよ」
「そんなことはぁ、さぁせなぁいい」
この瞬間、えほおじさんはマジ顔だった。いやいやいや。
「しないですよ。あくまで、悪しき存在に対抗する技ですからね。それとも皆様が悪なんですか?」
俺の中二マインドが有頂天!
「人の力ではできなぁぃぃ」
「ヒト……、ならばね(意味深)地上、宇宙にあふれる力、とうめいな力、プラーナ、プネウマ、マナ、オド、バベル崩壊後の世界ですら多くの言語で観測されている力とはなんでしょう? それらを用いれば? 地上に降り注ぐ力を取り込み、意は丹田を突き抜け章門(しょうもん、横腹のツボ)をつく、わかりませんか?」
わかりません。
「宇宙のパワーならぁ、エ〇バの力ぁ」
「そういうことに、……なる。気づきましたか」
ドヤドヤ!!
「気づいてしまったのなら、選択をしなければ」
「どういうぅ、いぃぃみぃですかぁぁ」
「このまま、何も知らなかったフリをして元の信仰に戻るのか。それとも、真の悪を討つ側につくか」
この論理、実はエホさんの思考そのものです。
神を知りながら神から離れた=悪魔の側についた
排斥者(離れた人間)は敵となって、血縁者でも縁を切られて、家族はバラバラにされる。
「わたしぃはぁぁ、エホ〇にぃ守られるぅぅ」
「なるほど、な・る・ほ・ど! 責めはしませんよ。戦場が違うだけでやることは同じです」
さりげなく敵ではないアピール! できるカルト(俺)は一味違う。
そんなわけで、えほおじさんとの交流は終わった。
病院から帰ったタイミングで話しかけられるなど、生活パターン握られてる疑惑があったが……。
エ〇バの証人では奉仕の僕(しもべ)といって、布教時間にノルマがある。ノルマをこなした者や教団の活動に尽力した者には布教時に特別な役目を与えられる。これを特権という。
週に10数時間布教してたら、定職につけない人も多くいる。
俺が被害にあっていた間、他の人の時間は守られたわけだ。
こうすれば「幸せ」こうすれば「解決」
人生はそんな単純じゃない。
でもシンプルな救いに縋ってしまう人はたくさんいる。
悲しいことだけどそれだけ多くの人が救いを求めてる。
人生を歪めてしまうほど、思想宗教にのめりこむのは自分だけでなく周囲も不幸にしてしまう。でも本人に自覚はない。
病気を意識できない病識がない状態にそっくりだ。
いつか、そういうカルト系の人たちを治療する方法が見つかればいいのに。と思ってしまう。
でも「何をもってカルトとするか」を決める側がカルトたちに乗っ取られたら? えらいこっちゃである。
オカルトの定番、生きてる人間が一番恐ろしい、となる。
こんで えんつこもんつこ さけた!
賛美の歌(エホさんの讃美歌)がアップテンポになって世の人ソングに近づいている。
禁止されてるはずのダンスミュージックのビデオがアメリカの本部で作られた。
予言を何度も外していること。
重要施設で死者が出ている。それも幹部クラスが階段から堕ちている。落ちて、というのはキリスト教的に堕天を連想させる。
神殿や寺社内で事故死とか普通するか?
日本では太平洋戦争時、教義に従って戦争反対した人は投獄された。獄中でも反戦を訴えた。
アメリカでは教義に反して戦争を支持していた。日本支部から抗議と質問の手紙を送ったら排斥(破門)された。
「横道がお好きなんですねぇ」
ただの不祥事ですが……。
「何かがおかしいとは思わないんですか?」
世の人と交わるなと、文化を制限してるのに本部はダンスもミュージックもやっている。下っ端には節制を求めてるのに、幹部は高級ブランド時計してる。なんてこった!!
「えほおじさん。世界は今、危機なんですよ」
「!!」
え、初耳っすね。
「スイス、アルプスで悪魔の儀式が行われた、ご存じですか?」
「いえ……」
一時期、オカルト陰謀論業界では悪魔の儀式動画が話題になっていた。
「我ら崋山全真道教、光覇明宗、魔術協会、埋葬機関は各国で連携をとって、悪しき流れを絶つべく動いてます」
「!!」
そんな設定あったの?
ついでにスピードワゴン財団(ジョジョの奇妙な冒険)を出しても良かったかな?
「俺も天罡北斗陣法(てんこうほくとじんぽう)を習得し、加勢に向かうつもりです」
へー、ソーナンダー、初耳だなー。
技名は中国武侠小説に出てくる必殺技。降龍十八掌(こうりゅうじゅうはっしょう)みたいな、あちらのネーミングは中二マインドをギュンギュン刺激してくるぜ。
「人にぃそんな力はぁぁ、なぁいぃぃ」
「それはどうかな?(キメ顔) 天然自然に存在するパワーを一定の方向に誘導できれば、王国会館(エッッの集会所)の屋根ぐらい吹き飛びますよ」
「そんなことはぁ、さぁせなぁいい」
この瞬間、えほおじさんはマジ顔だった。いやいやいや。
「しないですよ。あくまで、悪しき存在に対抗する技ですからね。それとも皆様が悪なんですか?」
俺の中二マインドが有頂天!
「人の力ではできなぁぃぃ」
「ヒト……、ならばね(意味深)地上、宇宙にあふれる力、とうめいな力、プラーナ、プネウマ、マナ、オド、バベル崩壊後の世界ですら多くの言語で観測されている力とはなんでしょう? それらを用いれば? 地上に降り注ぐ力を取り込み、意は丹田を突き抜け章門(しょうもん、横腹のツボ)をつく、わかりませんか?」
わかりません。
「宇宙のパワーならぁ、エ〇バの力ぁ」
「そういうことに、……なる。気づきましたか」
ドヤドヤ!!
「気づいてしまったのなら、選択をしなければ」
「どういうぅ、いぃぃみぃですかぁぁ」
「このまま、何も知らなかったフリをして元の信仰に戻るのか。それとも、真の悪を討つ側につくか」
この論理、実はエホさんの思考そのものです。
神を知りながら神から離れた=悪魔の側についた
排斥者(離れた人間)は敵となって、血縁者でも縁を切られて、家族はバラバラにされる。
「わたしぃはぁぁ、エホ〇にぃ守られるぅぅ」
「なるほど、な・る・ほ・ど! 責めはしませんよ。戦場が違うだけでやることは同じです」
さりげなく敵ではないアピール! できるカルト(俺)は一味違う。
そんなわけで、えほおじさんとの交流は終わった。
病院から帰ったタイミングで話しかけられるなど、生活パターン握られてる疑惑があったが……。
エ〇バの証人では奉仕の僕(しもべ)といって、布教時間にノルマがある。ノルマをこなした者や教団の活動に尽力した者には布教時に特別な役目を与えられる。これを特権という。
週に10数時間布教してたら、定職につけない人も多くいる。
俺が被害にあっていた間、他の人の時間は守られたわけだ。
こうすれば「幸せ」こうすれば「解決」
人生はそんな単純じゃない。
でもシンプルな救いに縋ってしまう人はたくさんいる。
悲しいことだけどそれだけ多くの人が救いを求めてる。
人生を歪めてしまうほど、思想宗教にのめりこむのは自分だけでなく周囲も不幸にしてしまう。でも本人に自覚はない。
病気を意識できない病識がない状態にそっくりだ。
いつか、そういうカルト系の人たちを治療する方法が見つかればいいのに。と思ってしまう。
でも「何をもってカルトとするか」を決める側がカルトたちに乗っ取られたら? えらいこっちゃである。
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こんで えんつこもんつこ さけた!
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