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改革編
130話 大天才と天才
しおりを挟む「この度はお話をお受けしていただいてありがとうございます。」
そういって翔は手を出した。
彼の名前はネルだ。中層の貴族ではあるが、財力はかなりある貴族だ。
「こちらこそ、英雄、いや勇者様に会えたこと光栄に思います。」
ネルは翔の手を握った。
「やめてくださいよ。私はそんな大層な人間ではございません。」
「それより、今回の件についてお話をしましょう。」
「そうですね。」
「ですが、ネルさん。あなた程の天才に私が話すことなど何もありません。」
この人は確実に天才だ。俺は出資してくれる貴族を募集する時に儲かるとは言わずに、何なら損するかもしれないという情報を添えて募集した。
もちろん、何に出資するかなどの情報は全て本物だ。
だが、こんな博打に出る人はいないだろう。しかも国絡みだ。失敗などしたら、国からの印象が悪くなると思う貴族も少なくない。
一件、損しかないようなことを受ける貴族はまずいない。だが、ネルさんはこの募集が出てすぐ受けてくれた。
本質を見抜いたんだろう。この人は間違いなく天才だ。
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