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新世界編
799話 建国②
しおりを挟む翔は目にも止まらぬ速さで走っていた。
「海も山もあるし、資源には困らなさそうだな。」
「それと、あそこにはダンジョンか.....」
翔はチラチラ周りを見ながら進んで行った。
バッ
人の気配がする。
「誰かいるのか?」
ザッザッザ
木の影から出てきたのはどこかの民族と思われる5歳ほどの小さな男の子だ。
「〇△×□」
この子の喋っているのはチャメル語か。
「ねぇ、お兄さんは誰?」
「俺はここに国を建てる者だ。」
「わぁ、お兄さんは僕の言葉がわかるの?」
「あぁ、わかるよ。この世界の言語なら全てね。」
もうチャメル族は絶滅したと聞いていたが、念のために覚えておいてよかった。
「凄いねお兄さん!」
「ところで、君はこんな所で何をしているんだい?」
「うんとね、おとさんが病気だからそのために薬草を取りに来たんだよ。」
「君のお父さんは病気なのかい?」
「うん、ここ最近、具合が悪いらしいの。」
「そうか。じゃあ、薬草探しを手伝ってあげよう。」
「いいの?」
「いいさ。ここには魔物がいるかもしれないからね。」
それに、俺の国の民になるかもしれないからな。
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