テンプレを無視する異世界生活

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新世界編

945話 明鏡止水

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明鏡止水

くもりのない鏡と波立たない静かな水


これが本来の意味だが、剣術界隈では少し違うニュアンスだ。


これは、俗に未来予測型脊椎反射と呼ばれており、いわゆる第六感的なことだ。

簡単に言うと、その場の瞬間を予知するというものだ。


俺らが戦う時は「身体が開いてるから、こっちに動くな。」みたいな予想をするのだが、この明鏡止水というのはコンマ何秒、あるいは数秒の未来の相手の状態を見て、その型になる前に避けておくというものだ。


本当の強者との戦いでは、相手が動いてから動くというのは「死」を意味していたことから、このような科学的には説明しようのない能力が目覚めたのだろう。



ちなみに、地球上でこれを使えたのは俺の師匠とあと一人いたはずだ。



「居抜、素晴らしかった。」

「少し肝を冷やしたな。」

「やっぱり、強いよな。それに勝ったお前はやべぇけどな。」




「てことで、こっちの要件は呑んでくれるんだろ?」

「約束は約束だ。」


「では、貴公に"つるぎ"の任を命ずる。」


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