テンプレを無視する異世界生活

ss

文字の大きさ
上 下
1,043 / 1,116
神編

1011話 終着

しおりを挟む


 その後、革命軍の六割は捕えられ、三割は自決し、残りは行方をくらました。

 捕らえた革命軍らは処刑や尋問、拷問をされるそうだ。

 しかし、そのほとんどが黙秘を続けた。

 まるで、それを口にできない理由があるかのように頑なに言わなかった。


 そして、騒動が起こって2週間ほどがたった頃だった。


パチッ


「お目覚めになりましたか、陛下。」

「あぁ、ところで俺はどのくらい眠っていたんだ?」

「およそ、半月といったところですかね。」

「そうか。」

「陛下のおっしゃっていたことがそのまま起こりましたね。」

「あぁ、大半はな。まさか、俺の"全能"があそこで開花して、俺が二皇のアイントを倒すとは思わなかったがな。」

「それは、少し違いますよ。あの後、ムーシャ殿の連絡があり、"こちらで討ち取った"とおっしゃっていました。」

「なるほど、あの技でも死ななかったのかやつは。」

「それで、陛下に言われていたことは全て完了してますが、あと一つ」

「ファンドのことだろ。」

「えぇ。」

「言われた通りに"氷漬け"にしてはいますが.....」


ファン


 翔は自分の魔力がどれほど出るかを確認した。


「ちょうどいい。あいつもそろそろ起こしてやるか。」

「陛下、起きたばかりなので休まれた方が.....」

「安心しろ。俺は常に万全だ。」


┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈


「こちらが.....」


 翔の目の前には氷漬けにされたファンドの姿があった。


「ふむ、こうして見るとあまり損傷はないように見えるな。」

「そうでしょうか?」

「氷で直視は出来ないが、内部の傷は思ったほどだ。これなら、内蔵機能の大半を復元できるな。」

「じゃあ、魔法を解いてくれ。そして、解いたあとはー10℃ほどを保ってくれ。」

「かしこまりました。」


 翔の従者が魔法を解き、ファンドの肌が完全に見えてきた。


「まずは内部の損傷を片付けよう。」


 翔はそう言って、魔力を薄い紙のように伸ばした。


「これで内蔵を全て覆う。」


しおりを挟む

処理中です...