テンプレを無視する異世界生活

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サンデウロ大陸編

1078話 標的はマサムネ

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「コジロウさん、魔法って使っていいっすか?」

「あぁ、好きに使うといい。ここは、レイワと違って壊れても問題はさしてなかろう。」

「そうかぁ、久々に魔法使うなぁ。」

「まっ、魔法を使わせてくれるほど強そうな敵はいないだろうがな。」

「油断はするでないぞマサムネ。」

「わぁってるよ。」


「じゃあ、行きましょうか。」


 翔が本陣であろう城のドアを蹴り飛ばした。


 そこには大きなホールと階段があるばかりで、特に人の気配というものはしなかった。


「奇妙だな。」

「こんなに気配がないのはむしろ不自然ですね。」

「気を張っていきましょう。」

「わかってる。」


 4人は少し警戒をしながら入っていった。


「(探知に引っかかる生命体はいない。何かがおかしい。気配はしないが、何かを感じる。)」


「4人で分かれましょう。」

「わかった。」

「これを。」

「これは、さっき翔が話していたやつじゃん。」

「これで、何かあったら連絡してください。全てに繋がってますので、全員に届きます。もし、話せない状況にあるのなら、少しだけ魔力を流してください。こちらのものが光りますので。」

「そんな多機能とかすごいっすね。」

「ほんの趣味で作っただけですよ。」

「どんな趣味持ったらこんなすげぇもんが出来んだよ.....」


 2階にコジロウ、1階左にマサムネ、1階右にユキムラ、1階真ん中ホールに翔と4人で分かれた。



「昔から運はいい方でな。こっちからクソッタレの匂いがプンプンするんだよ。」


 マサムネは独り言を言いながら歩き進んだ。


ドンッ


 ドアを蹴り壊した。


サッ


 後ろに気配を感じ、刀を抜き斬った。


「なんなんださっきから。明らかにおかしなことはわかる。」


「おっほっほっほ。あなたは私の獲物ですよ。」

「誰だ。頭の中に話しかけられてるようで気味が悪い。」

「私は今回のをばらまいた組織の一人ですから。あなたはいい身体と魂を持っていますね。ぜひ、私のコレクションにしたい。」

「俺には残念ながら男色の趣味はないもんでな。悪いな。」

「安心してください。そんな口はもう二度聞けませんから。」

「私の世界へようこそ。」


 そう言われた瞬間にマサムネの目の前の景色が変わった。


「あたりが真っ暗になったな。幻術か空間魔法か、あるいは何か未知のものか。まあ、なんでもいい。近づくもんはぶった斬るだけだ。」

 マサムネは目を瞑り、周りから襲われるのを待った。

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