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6話 サルマ商会
しおりを挟む「これは、大商会の会長さんがお会いになってくれるとは思いませんでしたよ。」
「(龍馬の嘘つき。絶対に計算してたでしょ。)」
「ウルリから話はかねがね。とても優秀な商人になるご予定があるとお聞きして、是非お近付きになりたくて、わざわざお越しいただきました。」
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「ってな、感じでなんだかんだ5時間くらい話して融資として白金貨100枚と恩を売るために別に白金貨50枚の資金調達出来たって感じ。」
明は商会で起こったことを匠に話していた。
「本当に龍馬にいは意味がわかりません。初対面の人に15億円を出させるなんて……。」
「まっ、龍馬らしいって言ったららしいよね~。」
流石の匠も今回のことは引いていた。
「それで、匠はどうだったのぉ?」
「こっちもこっちで…………」
匠と学が情報収集をしていると、耳の長い美形のエルフと呼ばれる種族の兄妹と出会い、明はエルフが使う言語「エルフ語」にハマり、ずっとその兄妹と話し込んでいた。
「あぁ、学がああなったら止めれないもんね……。」
「しかも猛にいも……。」
猛は店舗の掃除を終えて、暇だから街を歩いていたら、昨日の腕相撲を見ていた騎士から漢気を買われ、騎士団の練習に参加することとなったそうだ。
「最初はびっくりしたよ。知らない人と歩いてるから何かと思えば、騎士団って……。」
「匠も大変だね~。」
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「会長、なぜリョウマにあんなにお金を出したんですか?」
「簡単な話だよ、ウルリ。彼は絶対に敵にしてはいけないからだ。あれは敵には慈悲すら与えない徹底的にやれる目をしていた。それにとてつもなく実力がある。」
サルマは恐れていた、龍馬の底のしれない圧倒的な商売の才能を。
そしてその夜、5人は借りた家へと集まった。
「それで俺はとりあえずはデカい商会を作ることに集中するから、これからは別行動にしよう。」
「あぁ、賛成だ。俺も今日、騎士団の訓練に行ったんだが、明日も来てくれと言われてな!!」
「僕もこの世界の知らないことを知りたいから、賛成!!またエルフの人たちに会いに行くんだ。」
「じゃあ、俺もなにかしてみるよ。」
こうして、5人はそれぞれのやりたいことをやるために別行動をすることにした。
そして、明は話し合いの時には既に就寝していた。
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「おう!タケル!来てくれたか!」
彼の名前はグラディウス、アレクサンドラ領の騎士団「一角獣の羽」の騎士団長をしている。
簡単に言うとアレクサンドラ領の中の戦闘部門の中では1番偉い人も言うことだ。
戦場での通り名は「赤髪の閃光」である。グラディウスは白髪のおじさんなのだが、戦地に現れたら人の血で髪の毛が赤に染まることから、そう呼ばれているのだそうだ。
「今日もこさせてもらったよグラディウスさん。」
昨日、騎士団の訓練に参加したら圧倒的な猛の格闘センスを気に入り、一日で目をかけられる程になった。
「それより、騎士団入団の件は考えてくれたか?」
「うーん、それなんだが俺は兄弟と一緒に暮らしたいからよ、あいつらがこの場所からいなくなったら、俺もその時はついてくぞ?」
「それでもいい、ここにいる時だけでも入団してくれないか?」
グラディウスは普段は寡黙で冷徹と恐れられているため、猛へのこのような熱烈なアプローチを見た他の騎士たちは信じられないという表情だった。
「まあ、それでいいならいいぞ。」
「日給で銀貨50枚だ。日払いだから安心しろ。」
日給が銀貨50枚というのは、騎士団に入り10年ほどのベテランが貰う額であり、新人騎士だと銀貨10枚が通常である。
「まあ、金はどうでもいいんだ。とりあえずグラディウスさん、俺とまた手合わせしてくれ。今日は真剣でもいいぞ?」
昨日、グラディウスと猛は手合わせをして、グラディウスは木製の槍を使い、猛は素手で戦った。
最初は競っていた2人だが、徐々に猛のペースになり、しまいには槍が猛に壊され、手合わせは中止となった。
「ほぉ、言うじゃないか。他の奴らなら怒号の1つでも飛ばすのだが、主に言われたら血が滾る滾る。やろうじゃないか!!」
「ダメですよ、騎士団長。」
グラディウスを止めたのは一角獣の羽の副団長のメガネをかけた黒髪の「不殺の軍師」ダリバンだ。
「タケルさんも騎士団長とのお戯れをお止め下さい。他の騎士たちが萎縮してしまいます。」
「ハッハッ、それは悪かったなダリバン。」
ダリバンは猛と同じ18歳である。18歳で騎士団の副団長というかなりのエリートとされており、兵士時代に行った戦争で成果をあげたことから、どんどんと出世して言ったのだという。
「そういえば、タケルさんは武器を使わないんですか?」
「あぁ、基本的に使わないな。このナックルガードが俺の武器だな。」
「そんなに強ければ何か加護をお持ちなんじゃないですか?加護によって武器の扱いが格段に上手くなることはありますよ?」
ダリバンは猛は「頭が少し弱い」ことに気づいていたため、加護を持っていれば武器を使った方がいい事例があることをしれっと伝えた。
「加護はな、創造神と戦闘神と大英雄 アーサーだかのやつを持ってるぞ。」
「ちょっとタケルさん、こちらへ来てください!」
グッ
ダリバンは猛の腕を引っ張り誰もいない物陰へと連れていった。
「どうしたんだ?」
「さっきの加護の話は本当ですか?いや、嘘をつけるような人でもないですね。」
加護3つ持ち、しかも戦闘系の加護が2つあることがどれだけ凄い事かを猛にダリバンは教えるのだった。
「つまり、貴方は加護を有効に使えさえすれば、公爵家どころではなく、王直属の戦士として、いえ、勇者として世界を救うくらいのポテンシャルはあるのです。」
「加護2つでそこまでか?」
「いえ、これはタケルさんの基礎能力を加味してです。正直、タケルさんの手合わせを見ても加護を有効に使えていない。それなのに、グラディウスさんと同等かそれ以上。そんなのに加護が2つある日には……」
ダリバンはあと小一時間かけて人前ではその事を言わないようにと、これからの処遇についてを猛に伝えた。
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