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来ましたテェイヤードガーデン
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23時ちょうどを指した時計を見ている。いつもなら雨戸を閉じて寝ている時間だが、今日はガラス戸まで開けて縁側に腰かけて外を眺めている。
此処で生まれ育ったから今までは何の興味も引かなかった外の様子を見ている。さっき外の門を閉めたついでに郵便ポストに張り紙をしてきた。
実はこのポストだけ厳密に言えば家の敷地外なのだ。すぐ横に電信柱と道路交通標識が建てられる時、このほんのちょっとの部分を買い取られていた。そのときあったポストはそのまま使い続けて良いという許可もあったのでずっと使っていたが、この転移では残されるだろう。
だからちょうど良いと張り紙の場所にした。数少ない知り合いや両親の葬儀の時僕を心配してくれた父の同僚の人が訪ねて来た時の為に。
【加藤家にご用の方へ みこと は外国の親戚の元へ引っ越しました。お世話になりました。】
とだけ書いてラミネートして戸外用のテープで貼り付けたからしばらくは持つだろう。
あ、そうそうちゃんと高校には退学届けを提出したよ。電話でも担任にお世話になったお礼もした。これで迷子人捜索願いが出る事も無いはず。
ガラス戸を閉めて2階に上がる。小さい頃の事をふと思い出したから、テラスにでて好きだった景色を見る。夜景なんて綺麗なものではないが、高速道路のライトや高層ビルのネオンがキラキラしていて好きだった。遠くから最終電車だろうか線路を走る音も聞こえる。
時計を見ると23時42分。後わずかだ。
テラスをぐるりと周り、小さい頃よく遊んだ公園とその向こうの小学校を見ながらその時を迎えようと決めた。手元のスマフォは58分になっている。
最後だと思うとなぜか涙が止まらなくなった。
24時、周りが光に包まれ始めたのでその時が来たと思った。さっきまではセンチメンタルそのものだったのに今はワクワクが止まらない。
…嬉しすぎて、コタローを起こしてしまった。
ごめんコタロー。
光が引いて行く。どんな所か早く見たかったが……見えない!暗いの。月と星は綺麗に見えるけど…明かりが遠くに有るだけ。そーだよね、街灯なんて無いもんね。日が昇らなきゃ周りなんて見えないよね。
ハァ。残念だが朝の為にちゃんと寝よう。
お休みなさい。
翌朝、起きた時間は8時過ぎだった。
下のリビングからテレビの音がする。テレビ…本当に使えるんだ。
じゃ…無くて、誰かいる?まぁ神様しかいないだろうけど。
「おはようございます。」
朝の挨拶なぞ久しぶりにする。
「おお、おはよう。調子は悪くなさそうじゃな。今日から2・3日はあまり遠くへ行かずこの世界に慣れることじゃ。ナビゲーションシステムはもう試したかの?それを使い詳しく調べながら慣れると良い。」
「わかりました」と返事をしてからコタローを呼ぶ。此方に着いたらコタローを一度預ける事になっていたからだ。
コタローの定位置は玄関なので、ドアを開けておいてやる。
ワフッと鳴いて、あああ!走って来ちゃった!
ドーンと僕に飛びつく。…コタローさん、あなたは自分の力の強さを理解しなさいと何度言えば……。
それに、あなたが走ると廊下に傷がつくでしょ?
……って、ついてない?
「言ったじゃろう、壊れないと。」
ニコニコと僕にしがみつくコタローを撫でながら僕の疑問に答えをくれた。
そうだった。それは安心安心。
「では、コタローをよろしくお願いします。」
「うむ、確かに預かった。のう、コタロー立派になって帰って来ようの?」
流石の神様だ。このコタローも大人しくいうことを聞いている。
コタローを見送った後は、朝ご飯を食べよう。僕は朝はパン派なので簡単だ。
知ってる?ハム・レタス・キュウリ・トマトに竹輪入れてマヨネーズかけてサンドイッチにすると美味しいんだよ。
それにコーンスープとプリンで僕の朝ご飯は完璧だね。プリン?絶対に必要です!
此処で生まれ育ったから今までは何の興味も引かなかった外の様子を見ている。さっき外の門を閉めたついでに郵便ポストに張り紙をしてきた。
実はこのポストだけ厳密に言えば家の敷地外なのだ。すぐ横に電信柱と道路交通標識が建てられる時、このほんのちょっとの部分を買い取られていた。そのときあったポストはそのまま使い続けて良いという許可もあったのでずっと使っていたが、この転移では残されるだろう。
だからちょうど良いと張り紙の場所にした。数少ない知り合いや両親の葬儀の時僕を心配してくれた父の同僚の人が訪ねて来た時の為に。
【加藤家にご用の方へ みこと は外国の親戚の元へ引っ越しました。お世話になりました。】
とだけ書いてラミネートして戸外用のテープで貼り付けたからしばらくは持つだろう。
あ、そうそうちゃんと高校には退学届けを提出したよ。電話でも担任にお世話になったお礼もした。これで迷子人捜索願いが出る事も無いはず。
ガラス戸を閉めて2階に上がる。小さい頃の事をふと思い出したから、テラスにでて好きだった景色を見る。夜景なんて綺麗なものではないが、高速道路のライトや高層ビルのネオンがキラキラしていて好きだった。遠くから最終電車だろうか線路を走る音も聞こえる。
時計を見ると23時42分。後わずかだ。
テラスをぐるりと周り、小さい頃よく遊んだ公園とその向こうの小学校を見ながらその時を迎えようと決めた。手元のスマフォは58分になっている。
最後だと思うとなぜか涙が止まらなくなった。
24時、周りが光に包まれ始めたのでその時が来たと思った。さっきまではセンチメンタルそのものだったのに今はワクワクが止まらない。
…嬉しすぎて、コタローを起こしてしまった。
ごめんコタロー。
光が引いて行く。どんな所か早く見たかったが……見えない!暗いの。月と星は綺麗に見えるけど…明かりが遠くに有るだけ。そーだよね、街灯なんて無いもんね。日が昇らなきゃ周りなんて見えないよね。
ハァ。残念だが朝の為にちゃんと寝よう。
お休みなさい。
翌朝、起きた時間は8時過ぎだった。
下のリビングからテレビの音がする。テレビ…本当に使えるんだ。
じゃ…無くて、誰かいる?まぁ神様しかいないだろうけど。
「おはようございます。」
朝の挨拶なぞ久しぶりにする。
「おお、おはよう。調子は悪くなさそうじゃな。今日から2・3日はあまり遠くへ行かずこの世界に慣れることじゃ。ナビゲーションシステムはもう試したかの?それを使い詳しく調べながら慣れると良い。」
「わかりました」と返事をしてからコタローを呼ぶ。此方に着いたらコタローを一度預ける事になっていたからだ。
コタローの定位置は玄関なので、ドアを開けておいてやる。
ワフッと鳴いて、あああ!走って来ちゃった!
ドーンと僕に飛びつく。…コタローさん、あなたは自分の力の強さを理解しなさいと何度言えば……。
それに、あなたが走ると廊下に傷がつくでしょ?
……って、ついてない?
「言ったじゃろう、壊れないと。」
ニコニコと僕にしがみつくコタローを撫でながら僕の疑問に答えをくれた。
そうだった。それは安心安心。
「では、コタローをよろしくお願いします。」
「うむ、確かに預かった。のう、コタロー立派になって帰って来ようの?」
流石の神様だ。このコタローも大人しくいうことを聞いている。
コタローを見送った後は、朝ご飯を食べよう。僕は朝はパン派なので簡単だ。
知ってる?ハム・レタス・キュウリ・トマトに竹輪入れてマヨネーズかけてサンドイッチにすると美味しいんだよ。
それにコーンスープとプリンで僕の朝ご飯は完璧だね。プリン?絶対に必要です!
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