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動いてはいけない
ヤッケをちゃんと着た時には周りは霧が立ちこめていた。
「ちょっと一休みした方が良いだろう。この岩の所で腰掛けて休もう。」
霧がちょっと濃いから休んで様子を見るらしい。着替えのために置いておいたリュックを岩からよけて変わりに自分達が座る。休みついでにおやつを食べてカロリー補給だ。お昼時間まで後2時間あるからちょうど良いくらいだろう。
お喋りしてる内に自己紹介が始まった。1年生は3人共レスリング部でうち2人は幼なじみらしい。名前は内田、相澤、佐藤と名乗った。先生はレスリング部の副顧問もしてるらしいけど、若いからという理由で特に経験もないのにレスリング部の副顧問にされたと泣き真似をして僕等を笑わせた。
「全然霧が晴れないな。今、何時だ?」
時計を見ると11時……休み初めてから1時間くらいだろう。
「この霧だと動くのは危険だし、ここにも誰も来ないけど近くには教頭先生達もいるから大丈夫だろう。まだ生徒達もそれほど散らばってないからガイドが中止して下山してくれば拾ってくれるさ。」
……そうだね。まだ登り始めの方だしこの辺りの他のグループもこうやって皆足止めされてるんだろう。そう言ってまた皆でお喋りを始めた。内容はもうコレでは下山になるだろうから今日の宿泊先はどこになるのか?というもので去年経験した僕らが実はロープウェイで宿泊先まで行くのも可能と伝えるとブーブー愚痴が始まったりと楽しく過ごした。
でもそのうち、本当に身動き出来ないことに文句が出始めた。時間も12時を周りお腹も空いたのでお昼にしようと言う先生の言葉に途端に文句がやむ。
トイレも行きたいけどこんな中じゃそれも無理だと言えば仕方ないから登山道の向こうに向かって用を足すしかないと笑いあう。と内田の表情がおかしい。様子が変だ。
「内田君どうしたの?」
僕の問になんともしっくりこない表情で「変ですよ」と呟いた。
「変なんです。俺らの座っていた岩の後ろは山の斜面だったでしょう?」
そう言われてみればそうだね。
「……ああ…。なぁ……地面、草生えてたか?」
「おい、恐いこと言うなよ。」
佐藤と相澤も口調が硬くなってる。緊張感が増してくる……確かにこの地面はまるで土手のように草がある。でも登山道は石と土だらけでこんな平地のような所じゃなかった。得体の知れない事の恐怖が全員を襲った。
「皆落ち着け。今の所危険は無い。先生が見張りをしてるから弁当食え…食える時に食え。」
先生の言葉に尤もだと思う。【腹が減っては戦は出来ぬ】とも言うし何がどうなっているのかもわからない今はとりあえずエネルギーは補給するべきだ。先生は見張りを任せろと言ったが1年生の内田が自分は反対側を見ると言ったので先に4人で食べ、後に2人が食べた。
……余談だけど、僕達2人は弁当が多すぎるので半分残した。何かあった時はこの半分の弁当が役にたつしね。
「ちょっと一休みした方が良いだろう。この岩の所で腰掛けて休もう。」
霧がちょっと濃いから休んで様子を見るらしい。着替えのために置いておいたリュックを岩からよけて変わりに自分達が座る。休みついでにおやつを食べてカロリー補給だ。お昼時間まで後2時間あるからちょうど良いくらいだろう。
お喋りしてる内に自己紹介が始まった。1年生は3人共レスリング部でうち2人は幼なじみらしい。名前は内田、相澤、佐藤と名乗った。先生はレスリング部の副顧問もしてるらしいけど、若いからという理由で特に経験もないのにレスリング部の副顧問にされたと泣き真似をして僕等を笑わせた。
「全然霧が晴れないな。今、何時だ?」
時計を見ると11時……休み初めてから1時間くらいだろう。
「この霧だと動くのは危険だし、ここにも誰も来ないけど近くには教頭先生達もいるから大丈夫だろう。まだ生徒達もそれほど散らばってないからガイドが中止して下山してくれば拾ってくれるさ。」
……そうだね。まだ登り始めの方だしこの辺りの他のグループもこうやって皆足止めされてるんだろう。そう言ってまた皆でお喋りを始めた。内容はもうコレでは下山になるだろうから今日の宿泊先はどこになるのか?というもので去年経験した僕らが実はロープウェイで宿泊先まで行くのも可能と伝えるとブーブー愚痴が始まったりと楽しく過ごした。
でもそのうち、本当に身動き出来ないことに文句が出始めた。時間も12時を周りお腹も空いたのでお昼にしようと言う先生の言葉に途端に文句がやむ。
トイレも行きたいけどこんな中じゃそれも無理だと言えば仕方ないから登山道の向こうに向かって用を足すしかないと笑いあう。と内田の表情がおかしい。様子が変だ。
「内田君どうしたの?」
僕の問になんともしっくりこない表情で「変ですよ」と呟いた。
「変なんです。俺らの座っていた岩の後ろは山の斜面だったでしょう?」
そう言われてみればそうだね。
「……ああ…。なぁ……地面、草生えてたか?」
「おい、恐いこと言うなよ。」
佐藤と相澤も口調が硬くなってる。緊張感が増してくる……確かにこの地面はまるで土手のように草がある。でも登山道は石と土だらけでこんな平地のような所じゃなかった。得体の知れない事の恐怖が全員を襲った。
「皆落ち着け。今の所危険は無い。先生が見張りをしてるから弁当食え…食える時に食え。」
先生の言葉に尤もだと思う。【腹が減っては戦は出来ぬ】とも言うし何がどうなっているのかもわからない今はとりあえずエネルギーは補給するべきだ。先生は見張りを任せろと言ったが1年生の内田が自分は反対側を見ると言ったので先に4人で食べ、後に2人が食べた。
……余談だけど、僕達2人は弁当が多すぎるので半分残した。何かあった時はこの半分の弁当が役にたつしね。
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2022.05.01
近々番外編SSをあげます。
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2022.05.10
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2022.05.15
閲覧、お気に入り、ありがとうございます。
読んでいただけてとても嬉しいです。
近々番外編をあげます。
良ければ覗いてみてください。
2022.05.28
今日で完結です。閲覧、お気に入り本当にありがとうございました。
次作も頑張って書きます。
よろしくおねがいします。