ちゃんと言葉にして言って

はな

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兄様

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この部屋に入ってきたイケメンは、間違いなく俺の兄だろう。名前は確か……


 「シリウス・ガーネット……」


 と小さく呟いたのが聞こえていたのか、イケメンの顔が輝くように明るくなった。
 まずい俺記憶喪失設定だった。さっきまで自分の名前すら分かってなかったのに、兄の名前わかったらやばいだろ普通!


 「私の名前を覚えているのか…!!」


と目を輝かせていった。
ど、どうしよう。とりあえず言い訳をしないと……


 「あの、そうではなくて…さっき部屋で、家譜みたいなのが置いてありその中で見かけた気がしたので、もしかしたらと。」


 焦ったあまり意味のわからないことを言ってしまった。そんなもの見てないし、読んでもない。普通に考えて7歳の子の部屋にそんなものがあったらまずいだろ。絶対おかしいと思われる!


「なんだそうだったのか…覚えられていたのかと、舞い上がってしまったな。」
 と兄が恥ずかしそうに言った。


 し、信じたぞ……!冷静に考えたら絶対あり得ないことなのに。この人弟バカだったりする…?
 まぁ信じたくれたならそれでいいが……


「なら私について説明したほうがいいだろう。私の名前はレオス・ガーネット、立場としてはルシュカの兄だ。歳はルシュカの6歳上の13歳だ。」

 知ってる。もちろん知っている。だって俺の兄、シリウス・ガーネットはキミツグの攻略対象の1人だ。
彼、いや俺の兄は学園が舞台のゲームにも関わらず、主人公が学園を卒業した後に登場するキャラだ。ヒロインが誰とも結ばれずに学園を卒業しないと現れない…つまり隠しキャラである。ただ主人公が誰とも結ばれず卒業するなんて、不可能に近い。相当頑張らないと会えない激レアのキャラだ。


 なんかだんだんキミツグについて思い出してきた気がする……。
―――――――――――――――――

 「さっきは急に入ってきて悪かったな。驚かせただろう。お母様からルシュカのことを聞いて心配で飛んできてしまった。」

「い、いえ。気にしないでください。」

「ところでさっきから思っていたのだが……その、敬語はやめにしてくれないか。なんだか家族なのに距離を感じてしまってさびしく思う…」

 と沈んだ表情を浮かべた。

 そんなこと考えてなかったな。たしかに弟が熱で寝込んで、目が覚めたとおもったら記憶喪失。さらに自分への態度も変わっていたらそりゃ距離を感じちゃうよなぁ。

 無意識に彼をゲームのキャラだと思って接していたのかも知れない。だけど違うんだな。彼らはゲームのキャラクターではなくて、ここに生きる1人の人間なんだ。そのことをちゃんと自覚して行かないと大切なものを失う気がする。ちゃんと目の前の人と向き合わないと。


「兄様、あのね記憶をがなくてどうしたらいいのか分からないの。だからね、今みたいに何かあったら、色々教えて欲しいの」


 会話が成り立ってないと思う。だけど僕の今の気持ちを正直に伝えてみようとおもった。

「もちろんだ…!なんでも頼ってくれ」

 と兄様が晴れやかな笑顔浮かべた。
 うっ…。お母様もそうだったが、兄様の笑顔もやばすぎる。自覚がなさそうなところが余計にやばい!多分僕じゃなかったら倒れてた。そう思っていると…


 ぐるぐる


 と空気の読まない僕の腹がなった。窓を見たらすっかり夜だ。お腹もなるのも無理はないがなんだかすごい恥ずかしい!

「ふふ。お腹が空いたようだな。メイドに部屋に食事を運ばせよう。」

「あと、私も一緒にここで食事をとっても良いだろうか。」


「もちろんです!兄様と一緒に食べられるなんて嬉しいです。」

 ――――――――――――――――
 結果として兄様との食事は最高だった。作法は完璧で、容姿と相まってとっても綺麗だった。僕も見習って上手くなろう。

  今更だけど兄様の容姿について伝えてなかったような気がする。兄様の髪の色は僕と同じく金色。僕がふわふわなのに対して真っ直ぐな髪だ。瞳はマリーゴルドのように綺麗な橙色。お母様とも僕とも違うから、お父様譲りの瞳なのかもしれない。
 何気に僕のお父様ってどんな人なんだろう。兄様ならしっているよね。
「兄様、お父様はどんな方なの?」

「お父様はとても優しくてかっこいい人だ。国王様の補佐役で多忙な人だからルシュカが会うことにあるのは大分後になってしまうかもしれないな。」

「今頃ルシュカに会いたがっているはずだ。」

「そうだといいなぁ、僕も会いたい。」

 そう思っていると、なんかだんだん眠くなってきた……
 それに兄様が気が付いたのか、

「まだ話したいことはたくさんあるが、ここら辺にしよう。ルシュカももう眠たいだろう。」
兄様にはバレバレなんだな…。あ、やばいもう寝ちゃいそう。まだベットに行ってないのに…

 ――――――――――――――――
 朝、目が覚めたらちゃんとベットで寝ていた。多分僕はあのまま寝てしまい、兄様がベットまで運んでくれたのだろう。兄様はやさしいなぁ。
 なんか、すごい家族に恵まれているんだな。ゲームではルシュカの過去には触れられていないため、どんなものか分からないけど、こんな家族に恵まれながら、悪役になってしまったのは何故なんだろう…
 
 
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