スーパー忍者・タカシの大冒険

Selfish

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第47話:ぬるま湯温泉、妖魔軍団の乱入!

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タカシたちは長旅と激戦の疲れを癒すため、「ぬるま湯温泉」という噂の秘湯にやってきた。ここは、地元では「一度入れば全ての悩みがどうでもよくなる」という奇跡の温泉として有名だという。

「やっべぇ、この温泉、最高じゃん!」
タカシは腰に手ぬぐいを巻き、ぬるま湯に体を沈める。その隣では、クマ吉がズラを浮き輪のようにしてプカプカ漂っている。

「タカシ、お前、湯加減どうだ?」クマ吉がズラ越しに聞いてきた。
「ちょうどいいな!熱くもなく冷たくもなく、本当に絶妙なぬるさだ!」
「そうだろう、ここは世界一の“ぬるさ”を誇る温泉だぞ!」突然、後ろから浴衣を着た番頭が現れた。名前は「ぬる夫」。温泉マニアとして地元では知られた人物である。

「ところで、この温泉って効果あるのか?」ユウジが湯船から顔だけを出して聞いた。
「もちろんだ!このぬるさが体中の力を抜き、全てのストレスを溶かしてくれるのだ!」ぬる夫が胸を張って説明する。
「まあ確かに、なんかどうでもよくなってきたわ…スーパー忍者とか伝説の忍具とか…」タカシがぼんやりと湯気を眺めて呟く。

その時だ。突然、温泉の表面がブクブクと泡立ち始めた。

妖魔軍団、温泉に襲来!

「おい!なんかおかしいぞ!」ユウジが湯船から飛び出す。すると、温泉の中央が急に黒く濁り、そこから妖魔軍団が次々と現れた!

「お前たち、温泉で気を抜きすぎだ!」
軍団のリーダーらしき男が声を上げる。彼の名前は「湯けむりジャゴ」。蒸気のようなマントをまとい、手には巨大なシャワーヘッド型の武器を持っている。

「おいおい、なんで妖魔軍団が温泉から出てくんだよ!?」タカシが叫ぶ。
「ここは我々妖魔軍団の秘密の通路だったのだ。お前たちがのんきに浸かっている間に奇襲してやるつもりだったが…ついでにこの温泉も乗っ取る!」ジャゴは自信満々に言い放った。

「ふざけんな!この温泉を奪うとか、どんだけセコいんだよ!」ユウジが激怒する。
「いやいや、そもそもぬるま湯で奇襲ってどんな戦略だよ!?」タカシも呆れる。

温泉バトル開始

「やるしかないな!」タカシは忍者シューズを履き直し、戦闘態勢に入った。しかし、その瞬間、足元がツルッと滑り転んでしまう。

「湯船が滑りやすい…!」
ジャゴがにやりと笑う。「ぬるま湯は滑りやすい!これが我々のホームフィールドの強みだ!」

クマ吉もズラで攻撃しようとしたが、ズラが湯船に浸かりすぎて「湯けむりズラ」と化し、湿って役に立たない。
「俺のズラが…湿気に負けた…!」

「ふふふ、これで終わりだ!」ジャゴは巨大なシャワーヘッドから高温の湯気を放出し、タカシたちを包み込もうとする。

奇策で逆転!

「待てよ…この温泉、ぬるま湯ってことは、熱湯に弱いんじゃないか?」ユウジが閃く。
「確かに!あいつらが湯気を出せるのは、この絶妙な温度のおかげだ!」タカシも気づいた。

そこでタカシは、温泉施設の裏手にあるボイラー室に駆け込むことを提案した。「温泉を熱湯にすれば、あいつらを追い出せる!」

温泉を熱湯地獄に!

タカシたちはボイラーの温度を限界まで上げ、温泉全体を熱湯に変える作戦に出た。
「いけぇ、もっと温度を上げろ!」ユウジが大声を上げる。
「これで俺たちの勝ちだ!」クマ吉がボイラーのハンドルを回す。

温泉の温度が急激に上昇すると、ジャゴたち妖魔軍団は悲鳴を上げ始めた。「熱すぎる!こんな環境で戦えない!」
ついに妖魔軍団は全員撤退していった。

ぬるま湯温泉の復活

戦いが終わり、タカシたちは再び温泉に浸かり直した。
「やっぱり、ぬるま湯が一番だな…」タカシが湯気を眺めながら呟く。
「まあ、熱湯も良かったけど、落ち着くにはこれがいいよな!」ユウジも笑顔を見せた。

「結局、ズラが全然役に立たなかったな…」クマ吉がズラを見つめてボソリと言うと、タカシとユウジは声を揃えて大笑いした。

こうしてタカシたちは新たな敵を退け、ぬるま湯温泉で癒された体を引き締めながら、次なる冒険に向けて歩み始めるのだった。
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