スーパー忍者・タカシの大冒険

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第108話: ズルズル湿原と伝説のズル師たち

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ギュウギュウ洞窟を後にしたタカシたち一行は、次なる試練の地「ズルズル湿原」へと足を踏み入れた。
その名の通り、湿原は一歩踏み出すごとに足がズルズルと滑り、進むのがやたらと困難な場所だった。

「なんだここ！全然進まねえじゃねえか！」
タカシは靴を泥まみれにしながら、悪態をついた。

「タカシ、これがズルズル湿原の恐ろしさだ。ここでは“ズル”を極めた者だけが進むことを許されるのだ。」
カラッポの石が淡々と解説する。

「ズルを極めるって何だよ！普通に歩かせろよ！」
タカシが叫ぶ中、突然湿原の奥から謎の声が響いた。

「ズルズル湿原へようこそ！ここはズル師たちの聖地だ！」

ズル師の登場

声の主は「ズル師サルビアン」という奇妙な男だった。
彼の頭には滑らかすぎるハゲ頭があり、手には光沢を放つバナナの皮が握られていた。

「俺がズル師サルビアンだ！この湿原を越えたいなら、俺のズルズル試練を突破してみせろ！」

「おい、何なんだよその滑りそうな名前と見た目は！」
タカシが突っ込むと、サルビアンはニヤリと笑った。

「ズルズル湿原を越えるには、俺たちズル師たちが用意した“滑りの試練”をクリアする必要がある。さあ、まずはバナナ滑り競争だ！」

試練その1: バナナ滑り競争

湿原の中央に設置された長い泥道に、無数のバナナの皮が散らばっていた。
ズル師サルビアンは滑らかな声で説明する。

「この道をバナナの皮に乗ってズルズル滑りながら進むんだ。最初にゴールした者だけが次の試練に進める！」

「なんで俺がそんなくだらないことしなきゃならねえんだよ！」
タカシが文句を言いながらも、仕方なくバナナの皮に足を乗せた。

「よし、いくぞ！」

タカシ、ユウジ、そしてカラッポの石（何故か滑れる設定になった）が一斉にスタートした。

だが、案の定、誰もまともに進めない。
タカシは数メートル進んだところで派手に転び、泥だらけになる。

「くそ！こんな試練、やってられるか！」
一方、ユウジは器用にバナナの皮でスピンを決めていた。

「タカシ！これだ！バナナの皮をもう一枚重ねて、ダブルスライドにするんだ！」

言われるがまま、タカシはバナナの皮を二重にして滑り始めた。すると驚くほどスムーズに進むことができた。

「おお、これならいける！」

ゴール直前でサルビアンが待ち構えていたが、タカシは勢い余って彼を弾き飛ばし、そのままゴールに突っ込んだ。

「痛っ！お前、ズルすぎるぞ！」
「これがズル師たちの試練だろ！？ズルくて何が悪い！」

試練その2: 泥の迷宮

次に待ち受けていたのは、ズルズル湿原の中心部にある「泥の迷宮」だった。
そこに現れたのは、もう一人のズル師「ヌメヌメ・ゴロン」。

彼は全身が泥で覆われた奇妙な姿で、歩くたびにズルズルと滑る音を立てていた。

「この迷宮を抜けるには、ズルズルの極意を学ぶ必要がある！」

「極意って何だよ！普通に歩けばいいだろ！」
タカシの叫びに、ヌメヌメ・ゴロンは冷静に答えた。

「歩こうとするから進めないんだ。“滑る”ことこそが真の道だ。」

泥の迷宮での大奮闘

タカシたちは泥の迷宮に足を踏み入れるが、進むごとに地面がズルズル滑るせいでまともに進むことができない。
迷宮の中では奇妙な罠も待ち構えていた。
• 泥スライム: 泥だと思ったら動き出すスライム。触れると勝手にズルズル滑らされる。
• ヌルヌルトラップ: 天井から謎の液体が降り注ぎ、さらに滑りやすくなる。

「おい、ここ無理ゲーすぎるだろ！」
タカシは何度も転びながらも、徐々にズルズル滑る感覚を掴んでいく。

「ユウジ、こっちだ！滑り台みたいに行くぞ！」
タカシは泥の斜面を見つけ、全力で腹を滑らせて進んだ。

「やるじゃねえか、タカシ！」
ユウジも続き、二人は見事迷宮を突破した。

ズル師たちの敗北

出口で待ち構えていたサルビアンとゴロンは、二人の滑りっぷりに感心していた。

「お前たち、まさかここまでズルズルを極めるとは…。」
「いや、ズルズルを極めたっていうか、ただ必死だっただけだ。」

「いいだろう。お前たちにはズルズルの証“ぬめぬめ玉”を授けよう！」
二人はタカシたちに謎の光る玉を渡した。

「これでズルズル湿原はクリアだ。次なる試練へ進むがいい！」

次なる目的地へ

ズルズル湿原を後にしたタカシたちは、次なる試練の地「クネクネ渓谷」へ向かうことになる。
だが、その道中でタカシはぼやく。

「こんなくだらねえ試練ばっかで、俺、本当にスーパー忍者になれるのかよ？」

「タカシ、スーパー忍者になるにはどんなズルい状況でも乗り越えられる力が必要なんだ。」
カラッポの石が珍しく真面目な口調で言った。

「それっぽいけど、やっぱりくだらねえな！」
タカシのツッコミと共に、次なる冒険が幕を開ける――。

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