スーパー忍者・タカシの大冒険

Selfish

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第118話: フウマオオタロウの秘密

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タカシたちは海辺にたどり着いた。次なる目標は、伝説の三忍の最後の一人、フウマオオタロウを探すこと。しかし、海辺の村で話を聞いても、「そんな名前のやつ知らねえな」「オオタロウ?魚の名前か?」と全く手がかりがつかめない。

「おい、これ絶対ただの噂なんじゃないのか?」
ユウジが愚痴ると、ポッチが地元の老人に話しかけた。

「ねえねえ、フウマオオタロウって知ってる?」
老人はひげを撫でながら言った。
「ああ、それなら『風来のオオタロウ』のことかもしれんな…」

風来のオオタロウ?

「風来のオオタロウって誰?」
タカシが尋ねると、老人は海の方を指さした。

「オオタロウはな、この村の沖合にある『ドカ波島』に住んでいるんだが、風が吹くとすぐどこかに行っちまう、自由人みたいなやつさ。」

「自由人…忍者っていうよりただの旅人じゃないの?」
ユウジが怪訝そうに聞くが、タカシは既に興味津々だ。

「その島に行ってみよう!きっと伝説の忍者だよ!」

ドカ波島への船旅

しかし、ドカ波島に向かうためには船が必要だった。村の漁師たちに頼むも、どの船も出せないと言われる。理由はただ一つ、**「ドカ波島は波が荒れすぎる」**からだ。

「くそ、どうすりゃいいんだ…」
頭を抱えるタカシたちの前に、一隻の小さなボロ船が現れる。そしてそこに乗っていたのは――

「わしはウースラ・ポッチの遠い親戚、ウースラ・ペッチだ!」

「いや、誰?」
ユウジが鋭く突っ込むが、ペッチは全く気にせず、タカシたちに言った。

「この船ならドカ波島に行けるぞ。ただし、波を乗り越えるには…特別なカニのダンスを踊らなきゃいけないんだ!」

「カニの…何?」
タカシたちは混乱したが、ペッチの妙にキレのあるダンスを見せられて妙に納得してしまう。

波を越えるカニダンス!

船が出発すると、波はすぐに荒れ始めた。ペッチが叫ぶ。
「さあ、踊るぞ!カニダンス!」

タカシたちも見よう見まねで踊り始めるが、まるでカニのように横歩きするだけの謎ダンスだった。波が来るたびにダンスを合わせると、不思議と船が安定する。

「これ…本当に意味あるのか?」
ユウジが聞くが、ペッチは真剣そのもの。

「これぞ忍術『横歩きの舞』だ!文句を言うな!」

なんとか波を越え、タカシたちは無事にドカ波島に到着した。

フウマオオタロウとの出会い

島に上陸すると、そこには巨大な風車と、一人の奇妙な男がいた。彼は頭にターバンを巻き、風車の上で寝ていた。

「おーい!あんたがフウマオオタロウか?」
タカシが声をかけると、男は目を覚ました。

「ん?俺がフウマオオタロウだが…何の用だ?」

「修行をお願いしたいんだ!俺はスーパー忍者になりたい!」

オオタロウは面倒くさそうに言った。
「修行?めんどくさいなあ…俺、今風を感じてたのに。」

「風を感じるって何だよ!」
ユウジがキレるが、オオタロウは一切気にしない。

忍術『風のささやき』

オオタロウは渋々立ち上がり、言った。
「じゃあ、これが修行だ。風のささやきって技を教えてやる。」

「おお、それってどんな技なんだ?」
タカシが興味津々で聞くと、オオタロウは息を吹きかけた。すると――

ポフッ。

ただの弱い風がタカシの顔に当たっただけだった。

「これで終わり?」
ユウジが呆れると、オオタロウは言った。
「この技は、相手をくすぐるんだよ。弱い風でも笑いを引き出せれば勝ちだろ?」

ポッチが試しに風を受けると、何故か腹を抱えて笑い出した。
「くっ…これ…くすぐったい…!」

「ほら、効いてるだろ?」
オオタロウはドヤ顔を決める。

さらなる試練の地へ

修行を終えたタカシは、オオタロウから一枚の地図を渡された。
「次はここに行け。全ての忍術を完成させるためには、スベリダイ山を越えなければならない。」

「スベリダイ山?」
「そうだ。登るだけじゃない、滑る技術も必要だ。」

「なんか、また変なことになりそうだな…」
ユウジは頭を抱えるが、タカシは笑って言った。
「面白そうじゃないか!行こう、スベリダイ山に!」

こうして、新たな試練の地へ向かうタカシたち。次なる冒険はさらにくだらなく、さらに壮大(?)なものになる予感しかしなかった。
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