スーパー忍者・タカシの大冒険

Selfish

文字の大きさ
157 / 157

第157話 「低神界の神・ムレトル登場!止まらないムレムレ試練!」

しおりを挟む
タカシたちがモレトルの試練をクリアして進んだ先、そこは湿気がもはや立ち込めるどころか、空気そのものが汗ばんでいるような奇妙な場所だった。まるで世界中の蒸し暑さが凝縮されたような湿原だ。

ユウジが不快そうに眉をひそめる。
「ここ…なんかムレてる。全方向からムレてるぞ!」

タカシも額に浮かぶ汗を拭きながら頷いた。
「たしかに、これ、風呂上がりの蒸しタオルよりムレてるな…。」

すると突然、地面からプシューッと蒸気が吹き上がり、巨大な声が響いた。

「よくぞ来たな、勇敢なる忍者たちよ!私はムレトル、ムレるものすべてを司る神である!」

ムレトルの外見に驚愕!

蒸気の中から現れたムレトルの姿は、奇妙としか言いようがなかった。頭からつま先までタオルにぐるぐる巻きで、さらに脇の下や首元からは水蒸気が絶え間なく漏れている。しかもその手には、異常に大きなサウナ帽子をかぶっていた。

タカシが思わず呟く。
「いや、これ神っていうか…サウナおじさんじゃないの?」

ムレトルは鼻息を荒くして反論した。
「黙れ!私はムレの究極形態!汗と蒸気の頂点に立つ神なのだ!」

ユウジが腕を組みながら冷静に言う。
「いや、なんかムレを極めたら逆に清潔感が消えてる気がするんだけど…?」

ムレトルの試練開始!

ムレトルは全身から蒸気を放ち、巨大なタオルの布を振り回しながら叫んだ。
「私が課す試練は『ムレ耐久バトル』だ!この湿気の中、いかにムレに耐えながら動けるかを試させてもらう!」

試練は次の3つに分かれていた。
1. 「ムレムレサウナ走り」
湿気たっぷりのサウナルームの中を全力で走り回る。途中で汗を拭くと即失格。
2. 「タオルタワーの耐久戦」
頭の上に何枚もの濡れタオルを積み上げたまま、バランスを保ちながら動く。崩れたら最初からやり直し。
3. 「ムレムレ足元リレー」
足元にサウナマットを巻きつけて走り切る。汗で滑りやすくなる中でどれだけ転ばずに進めるか。

ムレムレサウナ走りで大混乱!

最初に挑戦したのは「ムレムレサウナ走り」。湿気で視界はぼんやりし、全員の顔がツヤツヤに光っている。

ユウジがスタート直後から息を切らせた。
「これ…やばい!走るだけなのにもう溺れそう!」

タカシも苦しそうに汗をぬぐいたくなったが、ルールで禁止されているため耐えるしかない。
「くっ…これ、焼肉の煙よりつらいぞ!」

ウースラ・ポッチも舌を出しながらゼーハーゼーハーと呼吸が荒い。
「わん!これ、犬にこんなムレムレ試練は無理だよ!」

ムレトルはそんな様子を見て楽しげに笑う。
「もっと走れ!ムレるほど強くなるのだ!」

タオルタワーでの崩壊劇

次に挑んだのは「タオルタワーの耐久戦」。タカシたちは頭の上に何十枚もの濡れタオルを積み上げられ、慎重にバランスを取る。

ユウジが叫ぶ。
「これ、もう頭が冷蔵庫になってるみたいなんだけど!」

タカシがタオルの山をグラグラさせながらも慎重に動く。
「冷たいっていうか、もう重さで首が折れそうだ…!」

だが、ウースラ・ポッチは軽快に歩いていた。短い足でバランスを保ちながらスイスイ進むポッチを見て、ムレトルが驚く。
「むむっ…この犬、意外とムレに強いのか!?」

ポッチは自信満々に胸を張る。
「わん!僕、タカシの焼肉試練で鍛えられてるからね!」

ムレ足リレーの奇跡

最後の試練「ムレムレ足元リレー」。タカシたちは足に巻かれたマットが滑る中、慎重に走り始めた。

途中、ユウジが何度も滑って転びそうになる。
「これ…もうマットじゃなくてスケートリンクだろ!」

タカシは汗だくになりながらも一歩ずつ進み、ゴール目前でついにダッシュを決めた!ポッチもユウジを引っ張りながらゴールイン。

ムレトルは感心しながら拍手を送った。
「よくぞ耐え抜いた、勇敢なる忍者たちよ!お前たちはムレの頂点に少しだけ近づいた。」

ムレトルの贈り物

試練を終えたタカシたちに、ムレトルは特製の「ムレを吸収する万能タオル」を手渡した。どんな湿気も吸い取る便利アイテムだったが、ユウジはそのデザインを見て思わずツッコむ。
「これ…なんで神様の顔が刺繍されてるんだよ!」

ムレトルは得意げに言った。
「それが私の証だ。お前たちがムレるたびに、私を思い出すがいい!」

タカシは苦笑しながらタオルをバッグにしまい、次なる試練の地へ向かうのだった。
しおりを挟む
感想 3

この作品の感想を投稿する

みんなの感想(3件)

きょん
2025.01.06 きょん

自分。
続きが大変気になります!😬

2025.01.10 Selfish

ありがとございます

解除
きょん
2024.12.26 きょん

続きがほちーなー🥺

よろしくお願いします!🙇‍♀️

2025.01.10 Selfish

はーい

解除
きょん
2024.12.25 きょん

早く続きが見たいです!😬

2025.01.10 Selfish

😄

解除

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

おいでよ!死にゲーの森~異世界転生したら地獄のような死にゲーファンタジー世界だったが俺のステータスとスキルだけがスローライフゲーム仕様

あけちともあき
ファンタジー
上澄タマルは過労死した。 死に際にスローライフを夢見た彼が目覚めた時、そこはファンタジー世界だった。 「異世界転生……!? 俺のスローライフの夢が叶うのか!」 だが、その世界はダークファンタジーばりばり。 人々が争い、魔が跳梁跋扈し、天はかき曇り地は荒れ果て、死と滅びがすぐ隣りにあるような地獄だった。 こんな世界でタマルが手にしたスキルは、スローライフ。 あらゆる環境でスローライフを敢行するためのスキルである。 ダンジョンを採掘して素材を得、毒沼を干拓して畑にし、モンスターを捕獲して飼いならす。 死にゲー世界よ、これがほんわかスローライフの力だ! タマルを異世界に呼び込んだ謎の神ヌキチータ。 様々な道具を売ってくれ、何でも買い取ってくれる怪しい双子の魔人が経営する店。 世界の異形をコレクションし、タマルのゲットしたモンスターやアイテムたちを寄付できる博物館。 地獄のような世界をスローライフで侵食しながら、タマルのドキドキワクワクの日常が始まる。

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

旧校舎の地下室

守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

冤罪で辺境に幽閉された第4王子

satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。 「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。 辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。

彼の言いなりになってしまう私

守 秀斗
恋愛
マンションで同棲している山野井恭子(26才)と辻村弘(26才)。でも、最近、恭子は弘がやたら過激な行為をしてくると感じているのだが……。

嵌められたオッサン冒険者、Sランクモンスター(幼体)に懐かれたので、その力で復讐しようと思います

ゆさま
ファンタジー
ベテランオッサン冒険者が、美少女パーティーにオヤジ狩りの標的にされてしまった。生死の境をさまよっていたら、Sランクモンスターに懐かれて……。 懐いたモンスターが成長し、美女に擬態できるようになって迫ってきます。どうするオッサン!?

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。