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15話
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「あー、お前全然ダメ! そんなんじゃ素材とれないだろ」
ロルカが呆れて私を叱責する。
そうなのだ先程から火を放っているんだけど弾けさせたり、消し炭にしてしまっているので素材を回収できずにいるのでロルカがイライラしているのだ。
「だいたい探索者なら火魔法しか使えないなんて欠陥も良いところだぞ」
素材回収をしなければならないのに火魔法で燃やしてしまっては素材が痛む。
なので探索者は普通火魔法は使わない。私のは魔法じゃないとは言えないので怒られっぱなしである。
私の復讐の炎は威力が強すぎるのである。
爆ぜるか完全焼却のどちらかなのだ。
モヒカンを焼いた火剣は完全にこけおどし技で毛は焼くことが出来ても肉を切り裂くことは出来ない。
詰んだわ……。
「火で魔物を倒す魔法って見たことない?」
私は何かヒントを得ようとロルカから他の探索者の情報を聞く。
「そうだな……。獣系の魔物は火を恐れるから火の壁で体勢を崩したりはしているのを見たくらいかな」
全く役に立たなかった。ちなみに洞窟内は明るく酸素も豊富に流れ込んでくるので火を使っても窒息の心配はないそうだ。
しかし、吹き飛ばすだけなら火球で良いのだけど素材を残さないといけないので調整が難しい。
その分コントロールの練習にはなるのだけど。
私は”ファイヤーソード”と唱えてこけおどしの火剣を出した。
「おお、なんか凄そうだな」
「……」
こけおどしなんです、すみません。だけど改造するならまず火剣よね。
私たち火使いの火は心の力の現れだ。この火剣に火球を放つときと同じ力を流し込むとバチバチと音を立てて白く輝き出した。
更にそれを圧縮して刺突剣のような形状にする。
「熱ッ!」
あまりの熱さに私は一度火剣を消す。
熱すぎて出していられない……。
兄様達は普通に火に触っていた。私が驚いて聞いたとき自分の火で火傷する奴がいるわけがないだろうと言って笑っていた。
思い出せその後の言葉を。
確か『火を体に巡らせれば火になる、火が火に燃やされる道理はない』だわ。
つまり自分を火にするのだわ!
……。
どうやって?
普通に考えて自分を火にしたら燃えちゃいますよね?
なんで兄様達は燃えなかったの?
「おい、あんた。そろそろ次の獲物探そうぜ」
「ごめん、あと五分時間ちょうだい」
急かせるロルカに時間をもらい昔の記憶を呼び起こす。
私たち御使いと一般人の違いは何?
『血なんだよ。俺たちの家系は何よりもその血が重要なんだ』
『血を王族に分け与えるのは不本意だが、お前は力がないから血が薄い。だから普通に幸せな家庭を築いて欲しい』
……血、血だわ。身体中をめぐる血を燃やせば良いんだわ。
私の中に流れる血を意識して燃えよと唱える。
身体が熱い。まるで私自身が地獄の業火で焼かれているよう。
あまりの熱さに倒れ込むと身体中から火が噴出する。皮膚は焼かれていない、その火は、まるで古い自分を焼き殺すようにごうごうと燃え盛った。
「ちょ、あんた大丈夫なの!?」
「お姉ちゃん!」
「大丈夫よ、もう分かったから」
火が消えると、まるで生まれ変わったような爽快感が私の心を駆け抜ける。
「あんた髪の毛の色変わってるよ」
「お姉ちゃんの目も髪も真っ赤だよ」
私の髪や瞳は赤く輝き光を放つ。いままでアースティアはここで死んだ。
私はスティアとして生まれ変わったのだ。
ロルカが呆れて私を叱責する。
そうなのだ先程から火を放っているんだけど弾けさせたり、消し炭にしてしまっているので素材を回収できずにいるのでロルカがイライラしているのだ。
「だいたい探索者なら火魔法しか使えないなんて欠陥も良いところだぞ」
素材回収をしなければならないのに火魔法で燃やしてしまっては素材が痛む。
なので探索者は普通火魔法は使わない。私のは魔法じゃないとは言えないので怒られっぱなしである。
私の復讐の炎は威力が強すぎるのである。
爆ぜるか完全焼却のどちらかなのだ。
モヒカンを焼いた火剣は完全にこけおどし技で毛は焼くことが出来ても肉を切り裂くことは出来ない。
詰んだわ……。
「火で魔物を倒す魔法って見たことない?」
私は何かヒントを得ようとロルカから他の探索者の情報を聞く。
「そうだな……。獣系の魔物は火を恐れるから火の壁で体勢を崩したりはしているのを見たくらいかな」
全く役に立たなかった。ちなみに洞窟内は明るく酸素も豊富に流れ込んでくるので火を使っても窒息の心配はないそうだ。
しかし、吹き飛ばすだけなら火球で良いのだけど素材を残さないといけないので調整が難しい。
その分コントロールの練習にはなるのだけど。
私は”ファイヤーソード”と唱えてこけおどしの火剣を出した。
「おお、なんか凄そうだな」
「……」
こけおどしなんです、すみません。だけど改造するならまず火剣よね。
私たち火使いの火は心の力の現れだ。この火剣に火球を放つときと同じ力を流し込むとバチバチと音を立てて白く輝き出した。
更にそれを圧縮して刺突剣のような形状にする。
「熱ッ!」
あまりの熱さに私は一度火剣を消す。
熱すぎて出していられない……。
兄様達は普通に火に触っていた。私が驚いて聞いたとき自分の火で火傷する奴がいるわけがないだろうと言って笑っていた。
思い出せその後の言葉を。
確か『火を体に巡らせれば火になる、火が火に燃やされる道理はない』だわ。
つまり自分を火にするのだわ!
……。
どうやって?
普通に考えて自分を火にしたら燃えちゃいますよね?
なんで兄様達は燃えなかったの?
「おい、あんた。そろそろ次の獲物探そうぜ」
「ごめん、あと五分時間ちょうだい」
急かせるロルカに時間をもらい昔の記憶を呼び起こす。
私たち御使いと一般人の違いは何?
『血なんだよ。俺たちの家系は何よりもその血が重要なんだ』
『血を王族に分け与えるのは不本意だが、お前は力がないから血が薄い。だから普通に幸せな家庭を築いて欲しい』
……血、血だわ。身体中をめぐる血を燃やせば良いんだわ。
私の中に流れる血を意識して燃えよと唱える。
身体が熱い。まるで私自身が地獄の業火で焼かれているよう。
あまりの熱さに倒れ込むと身体中から火が噴出する。皮膚は焼かれていない、その火は、まるで古い自分を焼き殺すようにごうごうと燃え盛った。
「ちょ、あんた大丈夫なの!?」
「お姉ちゃん!」
「大丈夫よ、もう分かったから」
火が消えると、まるで生まれ変わったような爽快感が私の心を駆け抜ける。
「あんた髪の毛の色変わってるよ」
「お姉ちゃんの目も髪も真っ赤だよ」
私の髪や瞳は赤く輝き光を放つ。いままでアースティアはここで死んだ。
私はスティアとして生まれ変わったのだ。
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