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ルイードの想い
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「レオさんがここにくるなんて珍しいですね。」
私が苦笑いをする。
「そうですね、本当ならこんな目的の為に来たくはなかったのですが‥」
そう、レオさんは婚約解消の手続きをしに来たのだ。
「ルイードも、偉くなったもんね。王太子であるお兄さんをこんな事に使うなんて。」
自分で事を進めず、兄にやってもらおうとするルイードに対し嫌味が出た。
そんなに会いたくないと思われていた事にショックを受けてしまった。
「私はいいのですけどね。でも本当に良いのですか?」
念押しをしてくる。
「ルイードが望むなら仕方ないです。」
ルイードの希望なんだから、私の想いなんてなんて関係ないのに。
少しイラッとする。
その様子を見たレオさんは一瞬止まりいきなり笑い出した。
「この婚約解消はルイードの希望ではありませんよ。彼は誰よりあなたのと婚約を望んでいたのだから。」
うん、知ってる。
「聖女様とのね。」
さらっと嫌味が出る。
いつからこんな嫌な子になったんだろう。
自己嫌悪。
「そうですね。あなたに執着してましたからね。」
意味深な感じてレオさんは頷く。
「その書類にサインする前に少しお話しませんか?私から見て聖女様の想いもルイードの想いもすれ違っている気がします。」
レオさんの優しい声で言われると聞かなくちゃいけない気がするから不思議だ。
優しい口調なのに、嫌とは言わせないオーラがある。
「ええ‥でも話すことなんて‥」
ルイードとの事なんて話したってどうしようもないのに。
私の返答が言い終わる前にレオさんは話し出す。
話をするのは決定事項のようだ。
「そもそも聖女様の婚約者は王族しかなれません。知っていますよね?このままルイードとの婚約が解消されれば、私と自動的に婚約が成立します。」
「はぁぁぁ?何それ?」
レオさんが次の婚約者?
あり得ない!
「ルイードから聞いてなかったのですか?」
「聞いていません、そんな話!!」
一人納得をして頷くレオさん。
「ルイードは言いたくなかったんでしょうね。聖女様は選べたのですよ、私かルイードを。その選択肢をあなたに与えたくなくて自分が婚約者だと言い張った。本当に困った弟です。」
おおげさにため息をつく。
「意味がわかりません。婚約者を選ぶなんて。」
そこにはルイードもレオさんの意思も入っていない。
「聖女様には理解しにくい話ですよね。この国の決まりなど。それだけ聖女様の権力は大きいということです。そして、聖女様は常に命を狙われる存在です。」
レオさんは真剣な顔をする。
「聖女様が外で生きていく事は難しい。ルイードは必死で止めていたでしょう。」
どうして王城から聖女がでることができないのか、この国の聖女を取り巻く状況を教えてくれる。
命の危険や誘拐にいつも晒される事になると。
ルイードはここから出さないのではなくて出せなかったのだと。
「ルイードなら、あなたの外出くらいは対応できたでしょう。けれど、血まみれで意識のない聖女様を抱いたあの件がトラウマになっています。あなたを外に出して何かあればと怯えています。あんなに弱い弟を初めてみました。」
私がルイードにトラウマを植え付けてしまった‥
考えた事もなかった。
確かにあの時握る手は震えていた。
あれからずっとそんな思いを持って私の側にいたかと思うと胸が痛む。
「ルイードはあなたに誓いをしましたよね?一生守ると」
??
いつ?
私がわかっていないことにレオさんは気づき説明を追加してくれる。
「あなたには流されたと言っていました。護衛騎士の筋肉がカッコいいとか言っていた時ですよ?」
思い出した。
そんな話をしたような‥
でも、あれって
「えっ、冗談じゃ‥」
「ルイードは冗談など言いません。王族である自分の言動が人にどのように影響するのかを知っていますから。そしてルイードはできない誓いなどしませんよ。」
レオさんはニッコリ笑う。
「あの言葉は本心です。そして、それは聖女様に向けてではない、コトミ様に向けてです。」
「でも、聖女様が必要だと‥」
ずっとそう言っていた。
「ルイードの建前ですね。ルイードはコトミ様をお慕いするあまり感情的になっていました。外の世界に憧れ、恋をしたいと言っていた聖女様を外に出したくなかった。ルイードは自分に自信がないのですよ。王族という立場でしか聖女様を手に入れられないと思っています。」
思い返せば‥
確かに何度も恋がしたいと言った。
外での出会いに期待した。
ルイードへの想いをごまかすために。
「コトミは俺の婚約者だ!」
その言葉を何回、言わせたのだろう。
聖女の婚約者は王族でしかなれないと‥
レオさんの話が本当だとすると自分を守るためにルイードをどれだけ傷つけてきたんだろう。
全て自業自得だよ‥
私が苦笑いをする。
「そうですね、本当ならこんな目的の為に来たくはなかったのですが‥」
そう、レオさんは婚約解消の手続きをしに来たのだ。
「ルイードも、偉くなったもんね。王太子であるお兄さんをこんな事に使うなんて。」
自分で事を進めず、兄にやってもらおうとするルイードに対し嫌味が出た。
そんなに会いたくないと思われていた事にショックを受けてしまった。
「私はいいのですけどね。でも本当に良いのですか?」
念押しをしてくる。
「ルイードが望むなら仕方ないです。」
ルイードの希望なんだから、私の想いなんてなんて関係ないのに。
少しイラッとする。
その様子を見たレオさんは一瞬止まりいきなり笑い出した。
「この婚約解消はルイードの希望ではありませんよ。彼は誰よりあなたのと婚約を望んでいたのだから。」
うん、知ってる。
「聖女様とのね。」
さらっと嫌味が出る。
いつからこんな嫌な子になったんだろう。
自己嫌悪。
「そうですね。あなたに執着してましたからね。」
意味深な感じてレオさんは頷く。
「その書類にサインする前に少しお話しませんか?私から見て聖女様の想いもルイードの想いもすれ違っている気がします。」
レオさんの優しい声で言われると聞かなくちゃいけない気がするから不思議だ。
優しい口調なのに、嫌とは言わせないオーラがある。
「ええ‥でも話すことなんて‥」
ルイードとの事なんて話したってどうしようもないのに。
私の返答が言い終わる前にレオさんは話し出す。
話をするのは決定事項のようだ。
「そもそも聖女様の婚約者は王族しかなれません。知っていますよね?このままルイードとの婚約が解消されれば、私と自動的に婚約が成立します。」
「はぁぁぁ?何それ?」
レオさんが次の婚約者?
あり得ない!
「ルイードから聞いてなかったのですか?」
「聞いていません、そんな話!!」
一人納得をして頷くレオさん。
「ルイードは言いたくなかったんでしょうね。聖女様は選べたのですよ、私かルイードを。その選択肢をあなたに与えたくなくて自分が婚約者だと言い張った。本当に困った弟です。」
おおげさにため息をつく。
「意味がわかりません。婚約者を選ぶなんて。」
そこにはルイードもレオさんの意思も入っていない。
「聖女様には理解しにくい話ですよね。この国の決まりなど。それだけ聖女様の権力は大きいということです。そして、聖女様は常に命を狙われる存在です。」
レオさんは真剣な顔をする。
「聖女様が外で生きていく事は難しい。ルイードは必死で止めていたでしょう。」
どうして王城から聖女がでることができないのか、この国の聖女を取り巻く状況を教えてくれる。
命の危険や誘拐にいつも晒される事になると。
ルイードはここから出さないのではなくて出せなかったのだと。
「ルイードなら、あなたの外出くらいは対応できたでしょう。けれど、血まみれで意識のない聖女様を抱いたあの件がトラウマになっています。あなたを外に出して何かあればと怯えています。あんなに弱い弟を初めてみました。」
私がルイードにトラウマを植え付けてしまった‥
考えた事もなかった。
確かにあの時握る手は震えていた。
あれからずっとそんな思いを持って私の側にいたかと思うと胸が痛む。
「ルイードはあなたに誓いをしましたよね?一生守ると」
??
いつ?
私がわかっていないことにレオさんは気づき説明を追加してくれる。
「あなたには流されたと言っていました。護衛騎士の筋肉がカッコいいとか言っていた時ですよ?」
思い出した。
そんな話をしたような‥
でも、あれって
「えっ、冗談じゃ‥」
「ルイードは冗談など言いません。王族である自分の言動が人にどのように影響するのかを知っていますから。そしてルイードはできない誓いなどしませんよ。」
レオさんはニッコリ笑う。
「あの言葉は本心です。そして、それは聖女様に向けてではない、コトミ様に向けてです。」
「でも、聖女様が必要だと‥」
ずっとそう言っていた。
「ルイードの建前ですね。ルイードはコトミ様をお慕いするあまり感情的になっていました。外の世界に憧れ、恋をしたいと言っていた聖女様を外に出したくなかった。ルイードは自分に自信がないのですよ。王族という立場でしか聖女様を手に入れられないと思っています。」
思い返せば‥
確かに何度も恋がしたいと言った。
外での出会いに期待した。
ルイードへの想いをごまかすために。
「コトミは俺の婚約者だ!」
その言葉を何回、言わせたのだろう。
聖女の婚約者は王族でしかなれないと‥
レオさんの話が本当だとすると自分を守るためにルイードをどれだけ傷つけてきたんだろう。
全て自業自得だよ‥
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