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アンロックの秘密1

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レンドランドの部屋にミルアージュ、レンドランド、女王、クリストファー、ルーマン第二王女、宰相、軍部大将が集まった。
なかなか一度に集まることのない豪勢なメンバーだ。

レンドランドの部屋に初めて入ったけど、シンプルで落ち着きのあるいい部屋だとミルアージュは感心した。
このメンバーを前にまたまた、現実逃避をしていた。

「どういうことなの?」
女王は聞いた。

沈黙が流れる。

その中、クリストファーが口を開いた。
「全てはレンドランド殿に王位を継がせるためだろう?」

その問いに噛みついたのは女王だ。

「何を言っているの!この王女は王太子を暗殺しようとしたのよ。自分が王位をつぐために。」

女王はそう怒鳴ってギリギリと扇子を握りしめる。

「それはない。ミアは私との婚約を破棄はしたが、約束してくれた。レンドランド殿が王位についたら婚約し、ルーマンに来ても良いとな。」
昔を思い出しウットリとクリストファーは言った。

「婚約破棄をしたのはミルアージュ?どういうこと‥」
女王は驚きを隠せない。

「‥‥」

クリストファーは中継ぎとはいえ、女王がなぜ、そんなことも知らないのかと冷たい視線を送っていた。

「だが、婚約破棄についての情報が捻じ曲げられていた。わがまま王女が何かをやらかして振られたと。そこで何か裏があるのではと思って調べた。」

クリストファーはミルアージュを見て言いにくそうに話し出した。

「私と婚約が成立した時、もう王は政務ができる健康状態ではなかったのだろう?大国を治めるには、レンドランド殿は若すぎた。王となるには実力も経験も足りない。引き継ぎすらできていない。ミアは分かっていたのだろう?ずっと王を支え、この国を導いてきたのだから。」

クリストファーはミルアージュをジッと見つめ
「よく頑張ったな。」
と頭を撫でた。
それだけのことなのに‥
ミルアージュは涙がこみ上げてきたのをグッと我慢した。

「私にはそのような事はしていないわ。」
ミルアージュはニコリと笑った。

「姉上、もう良いのです。」
ずっと沈黙を貫いていたレンドランドが口を開いた。

「レンドランド‥」
ミルアージュはレンドランドを見た。

「姉上が父上に代わり、政務を取り仕切ってこられた。その事実はどう隠しても変わりません。」

レンドランドは悲しそうにミルアージュを見つめている。

「姉上、どうして自分を悪者にするのです?姉上ほどこの国のことを考え、導く力もある者はいないのに。私よりずっと王位にふさわしいのに。」
レンドランドは苦笑いをした。

「‥‥女だからよ。」
この国では王位継承権は男子優先となる。
ミルアージュがつなぎの女王ではなく、この国を統べる女王となるには王子がいないことが条件となる。
つまりミルアージュが王位につくのは、レンドランドが存在しない場合のみだ。
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