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ブランは目の前のルーマン国王が何を言っているのか一瞬理解できなかった。
ミルアージュへの尋問のため、引き渡しを要求したら拒否された。
それだけなら大義名分を理由にルーマンを脅し強制的に行う事ができた。
だが、ルーマン国王は引き渡しを拒否したが、ミルアージュを処刑をルーマンでするとブランの前で宣言した。
ルーマン国王が他国の王族の前で宣言した。
余程の理由がない限りブランにその宣言を覆すのは難しい。
ミルアージュも意思の強い瞳でブランを見つめているところを見ると本人も納得の上であるのがわかる。
ブランは慌ててクリストファーを見るが、無表情で立っている。あいつの性格からしてこの事態に納得はしていないだろうが。
昨日の時点でわかっていたはずだ…結局クリストファーを追い詰めることはできなかったのか。
ブランはギリギリと手を握る。
「まだ犯人がわからない以上、それを特定するのが先でしょう?」
ブランは国王にそう返すしかなかった。
「ならミルアージュ妃が犯人だ。それで良いな?」
ならってなんだ?バカにしているのか。
ミルアージュが処刑されてルーマンとアンロック両国と争うだけの力はレンラグスにはまだない。
ルーマンは何とかなっても今のアンロックにミルアージュなしで挑むのは無謀だ…
「私の負けだ。死んだミルアージュを手にいれても意味がないからな。引き渡し請求は取り下げるよ。」
ブランはハァーと長い息を吐く。
「死ぬほど私が嫌だなんてショックだ。」
「前から断っていたわよ。私はクリストファーの元に嫁ぐ予定だと。」
ミルアージュはブランを睨む。
「…今のところはマリアを連れて一旦引き上げるよ。」
「…無理よ。致死量のランケットをとったマリア王女はまだ目覚めていないもの。」
ミルアージュはマリアの元に顔を出しているが、まだ意識は戻っていない。
王女であるが、毒の耐性があまりなかったのかもしれない。
解毒効果のあるものを試してはいるものの、意識が戻るかどうか今の時点ではわからなかった。
「はっ?何と言った?」
「致死量のランケットを摂取していると言ったわ。あなたがした事ではないの?」
「は?ランケット?そんなもの使うわけないだろう。」
自分から使うと言っている。
もうバレているのを隠す事もしていない。
ルーマンもそれを追求して揉めるのは得策ではない事を知っているのだ。
「だから、マリア王女が食べたクッキーには致死量のランケットが入っていたのよ。意識なかったでしょう?」
「余計な事を話されたくなくて寝かされているのだとばかり思っていた。」
マリア王女を含めての狂言だとしたらマリア王女はミルアージュ達に不利な証言をする。
ブランはそれをルーマンが止めていると思っていたのだ。
ブランとその後ろに立っている護衛が顔を見合わせる。
ブランも焦っているが、それ以上に後ろに立っている護衛は真っ青になっている。
「ランケットを摂取してよく生きていたな…どうしてそんな事に…」
ブツブツと独り言を言うブラン。
ランケットを用意したのはブランではない?
しかも後ろの護衛の様子をみると相当マリア王女に思い入れがあるようだ。
「ランケットへの対処なら私がしたわよ。」
ブランが目を見開いてミルアージュを見た。
ミルアージュへの尋問のため、引き渡しを要求したら拒否された。
それだけなら大義名分を理由にルーマンを脅し強制的に行う事ができた。
だが、ルーマン国王は引き渡しを拒否したが、ミルアージュを処刑をルーマンでするとブランの前で宣言した。
ルーマン国王が他国の王族の前で宣言した。
余程の理由がない限りブランにその宣言を覆すのは難しい。
ミルアージュも意思の強い瞳でブランを見つめているところを見ると本人も納得の上であるのがわかる。
ブランは慌ててクリストファーを見るが、無表情で立っている。あいつの性格からしてこの事態に納得はしていないだろうが。
昨日の時点でわかっていたはずだ…結局クリストファーを追い詰めることはできなかったのか。
ブランはギリギリと手を握る。
「まだ犯人がわからない以上、それを特定するのが先でしょう?」
ブランは国王にそう返すしかなかった。
「ならミルアージュ妃が犯人だ。それで良いな?」
ならってなんだ?バカにしているのか。
ミルアージュが処刑されてルーマンとアンロック両国と争うだけの力はレンラグスにはまだない。
ルーマンは何とかなっても今のアンロックにミルアージュなしで挑むのは無謀だ…
「私の負けだ。死んだミルアージュを手にいれても意味がないからな。引き渡し請求は取り下げるよ。」
ブランはハァーと長い息を吐く。
「死ぬほど私が嫌だなんてショックだ。」
「前から断っていたわよ。私はクリストファーの元に嫁ぐ予定だと。」
ミルアージュはブランを睨む。
「…今のところはマリアを連れて一旦引き上げるよ。」
「…無理よ。致死量のランケットをとったマリア王女はまだ目覚めていないもの。」
ミルアージュはマリアの元に顔を出しているが、まだ意識は戻っていない。
王女であるが、毒の耐性があまりなかったのかもしれない。
解毒効果のあるものを試してはいるものの、意識が戻るかどうか今の時点ではわからなかった。
「はっ?何と言った?」
「致死量のランケットを摂取していると言ったわ。あなたがした事ではないの?」
「は?ランケット?そんなもの使うわけないだろう。」
自分から使うと言っている。
もうバレているのを隠す事もしていない。
ルーマンもそれを追求して揉めるのは得策ではない事を知っているのだ。
「だから、マリア王女が食べたクッキーには致死量のランケットが入っていたのよ。意識なかったでしょう?」
「余計な事を話されたくなくて寝かされているのだとばかり思っていた。」
マリア王女を含めての狂言だとしたらマリア王女はミルアージュ達に不利な証言をする。
ブランはそれをルーマンが止めていると思っていたのだ。
ブランとその後ろに立っている護衛が顔を見合わせる。
ブランも焦っているが、それ以上に後ろに立っている護衛は真っ青になっている。
「ランケットを摂取してよく生きていたな…どうしてそんな事に…」
ブツブツと独り言を言うブラン。
ランケットを用意したのはブランではない?
しかも後ろの護衛の様子をみると相当マリア王女に思い入れがあるようだ。
「ランケットへの対処なら私がしたわよ。」
ブランが目を見開いてミルアージュを見た。
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