わがまま妃はもう止まらない

みやちゃん

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ルーマンの王都から離れたとある領地。
とある建物の部屋の中。

ミルアージュは目の前が急に真っ暗になりその場に倒れこんだ。
「ミア、大丈夫か?無理しなくてもいいぞ。」

心配そうに大男がミルアージュを覗き込む。

「ダミアン、大丈夫。ちょっとふらついただけだから。」

ダミアンと呼ばれた男は、なおも座り込んでいるミルアージュに対し心配そうに手を差し出した。

「お前は体が弱いんだから無理するなよ。色々と助けてもらっててなんだけどさ。」

ミルアージュもダミアンの手を借りて立ち上がる事にした。

「こちらこそ、いつも助けてもらって悪いわね。」
強がってニッコリと笑うが、ダミアンは首を横に振り真顔でミルアージュを引っ張り上げ抱きしめた。

「お前がいなかったらここは、どうなってたかわからない。だから、皆に心配をかけるのだけはやめてくれ。」

今にも泣きそうなダミアン。
大きな熊のような大男が泣きそうなのを必死でこらえているのは側から見たらおかしな光景だった。

「ダミアンは心配性ね。もう大丈夫。」

ミルアージュはそう言うもダミアンが信じられるはずはなかった。

ダミアンやその他の仲間たちのためにミルアージュは頑張っているのを皆知っている。
それでミルアージュがよく倒れていることも。

ミルアージュの大丈夫は大丈夫ではないとダミアンは学んでいる。






ルーマンの端に位置するその街ではまともな生活を送れる者が少ないくらい荒れていた。
領主から求められる税を納める事もできず、領地を捨てる者、また犯罪に手を染める者が多くいた。

ダミアンは治安部隊長だった。
街の治安のために日々取り締まりをしていたが、決して自分を誇れるものではなかった。

捕まえるのは生活ができなくなった民。
ダミアンが捕まえるべき者は本当にその者たちなのか?
民を苦しめている者たちは決して裁かれることはない。
本当に捕まえるべきはその自分たちの上に立ち理不尽な命令をしてくる貴族だ。

部下たちの不満をなだめていたが、ダミアン自身全く納得はできていなかった。



そんな時、ミルアージュと酒場で出会った。
街の人間でなかったこともあり、ダミアンは酒の力も加わり、今までの不満を爆発し愚痴りまくった。

「どうして苦しんでる人間を捕まえないといけない?俺の仕事はなんだ?」

ミルアージュは頷きながらダミアンの話をずっと聞いていた。
その貴族たちにも部下たちにも言えなかった事を否定せず優しく聞いてくれるミルアージュについつい口が滑ってしまった。

「もうこの領はダメだ。誰かが立ち上がらないと…」
ボソッと呟いたダミアンの言葉をミルアージュは手で遮った。

「近くにあなたの話を聞いている者はいないけど、注意した方がいいわ。反逆罪に問われるような発言よ。」

「あっ、そんなつもりは…」
ダミアンは焦りながら答えた。
確かにタガが外れて心の奥底に抑え込んでいたものまで喋りすぎた。

「勘違いしないで。私はそんなあなたを否定しているわけではないの。何をするのにも準備は大切だと言っているだけよ。私はミアよ。あなたに協力をしたいの。」

ミルアージュはニッコリと笑った。
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