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クリストファーとミルアージュの所に元主治医が到着したと報告が入ったのは次の日の昼過ぎだった。
それまでは部屋にこもって2人きりで過ごしていた。
クリストファーは思ったより長くミルアージュと2人で過ごせたのもあり、上機嫌だった。
「クリス、顔を引き締めて。」
ミルアージュが隣でクリストファーを突いた。
「ああ、わかってる。」
そう言いながらも鼻歌を歌い出しそうなクリストファーにミルアージュは呆れる。
「もう全然わかっていないじゃない!」
ミルアージュはため息をついて小言を言うのを諦める。
領城の応接室でクリストファーとミルアージュは椅子に座っていた。
その前に領城の者たちは皆集められ、クリストファーとミルアージュの顔色をうかがっている。
そんな領城の者たちの1番前には元主治医は真っ青な顔で跪かされていた。
拘束こそされていないが、両隣に兵が立っているのをみると罪人として扱われているのがわかる。
領城の者たちは元主治医を罪人にし、罪を全部なすりつけたいのがありありとわかる構図だった。
「なぜここに呼ばれかわかるか?」
クリストファーが元主治医に聞く。
「‥‥」
元主治医は答えない。
王太子に質問され何も返答しない元主治医の態度に周囲はざわめく。
「早く答えろ!」
後ろから臣下達が怒鳴る。
「お前たちに発言の許可をしていない。」
クリストファーの低い声がそれほど広くない執務室内に響く。
シンと静まり返る部屋の中で元主治医が口を開く。
「領主様はどうなりましたか?」
「それをお前が聞くのか?こうなる事がわかっていただろうに。」
クリストファーが嫌味を投げかける。
「どうなったのですか?」
元主治医はクリストファーの圧などものともせず、同じ質問を繰り返した。
「‥意識不明です。」
ミルアージュが返答した。
元主治医は震えながらミルアージュを見た。
「だから私は反対したんだ‥どうして‥どうしてこんな事に‥」
独り言のように元主治医はつぶやいている。
目からは涙が流れていた。
「‥あなたは領主が何の毒を摂取したのかわかるの?」
「‥正確にはわかりません。」
元主治医の声は震えている。
自白している恐怖ではない。
この主治医は自責の念に囚われている。
それがミルアージュの印象だった。
こんなに悔やんでいるのにどうしても毒なんか‥
反対したって‥主導した人がいるのね。
「詳しく話を聞きたい。」
元主治医は領城の臣下たちをチラッと見て「ここでは言えません。」
そう答えた。
「領主様に会わせてください。」
「お前が毒を盛った疑いがある。領主に会わせるなんてもってのほかだ。」
クリストファーの声は冷たい。
ミルアージュはクリストファーの様子を見つめる。
自分に向けられる優しさをクリストファーは他者には向けない。
それがこんな瞬間に気付かされる。
「クリス、私は領主に会わせたいわ。」
「ミア?」
ミルアージュの目には元主治医がどうしても領主を毒殺しようとしたとは思えない。
「私達が一緒だから何も起こらないわ。一度会わせてあげましょう。」
ミルアージュの言葉にクリストファーは嫌々ながらに頷いた。
それまでは部屋にこもって2人きりで過ごしていた。
クリストファーは思ったより長くミルアージュと2人で過ごせたのもあり、上機嫌だった。
「クリス、顔を引き締めて。」
ミルアージュが隣でクリストファーを突いた。
「ああ、わかってる。」
そう言いながらも鼻歌を歌い出しそうなクリストファーにミルアージュは呆れる。
「もう全然わかっていないじゃない!」
ミルアージュはため息をついて小言を言うのを諦める。
領城の応接室でクリストファーとミルアージュは椅子に座っていた。
その前に領城の者たちは皆集められ、クリストファーとミルアージュの顔色をうかがっている。
そんな領城の者たちの1番前には元主治医は真っ青な顔で跪かされていた。
拘束こそされていないが、両隣に兵が立っているのをみると罪人として扱われているのがわかる。
領城の者たちは元主治医を罪人にし、罪を全部なすりつけたいのがありありとわかる構図だった。
「なぜここに呼ばれかわかるか?」
クリストファーが元主治医に聞く。
「‥‥」
元主治医は答えない。
王太子に質問され何も返答しない元主治医の態度に周囲はざわめく。
「早く答えろ!」
後ろから臣下達が怒鳴る。
「お前たちに発言の許可をしていない。」
クリストファーの低い声がそれほど広くない執務室内に響く。
シンと静まり返る部屋の中で元主治医が口を開く。
「領主様はどうなりましたか?」
「それをお前が聞くのか?こうなる事がわかっていただろうに。」
クリストファーが嫌味を投げかける。
「どうなったのですか?」
元主治医はクリストファーの圧などものともせず、同じ質問を繰り返した。
「‥意識不明です。」
ミルアージュが返答した。
元主治医は震えながらミルアージュを見た。
「だから私は反対したんだ‥どうして‥どうしてこんな事に‥」
独り言のように元主治医はつぶやいている。
目からは涙が流れていた。
「‥あなたは領主が何の毒を摂取したのかわかるの?」
「‥正確にはわかりません。」
元主治医の声は震えている。
自白している恐怖ではない。
この主治医は自責の念に囚われている。
それがミルアージュの印象だった。
こんなに悔やんでいるのにどうしても毒なんか‥
反対したって‥主導した人がいるのね。
「詳しく話を聞きたい。」
元主治医は領城の臣下たちをチラッと見て「ここでは言えません。」
そう答えた。
「領主様に会わせてください。」
「お前が毒を盛った疑いがある。領主に会わせるなんてもってのほかだ。」
クリストファーの声は冷たい。
ミルアージュはクリストファーの様子を見つめる。
自分に向けられる優しさをクリストファーは他者には向けない。
それがこんな瞬間に気付かされる。
「クリス、私は領主に会わせたいわ。」
「ミア?」
ミルアージュの目には元主治医がどうしても領主を毒殺しようとしたとは思えない。
「私達が一緒だから何も起こらないわ。一度会わせてあげましょう。」
ミルアージュの言葉にクリストファーは嫌々ながらに頷いた。
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