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「クリストファーの話はどう思う?」
クリストファーを部屋から追い出したルーマン国王がアビーナルとアルトに聞いた。
「本気だと思います…」
アビーナルが重い口を開いた。
アルトも頷く。
「この国でミルアージュ妃を王にするのは容易な事ではない…」
他国の元王女。
この閉鎖的な男性優位のルーマンがいくら変わろうとミルアージュ妃が王と認められるのは不可能だ。
王からため息が漏れる。
「あれがやると言えば、必ずやる。目的のためなら手段は選ばない。」
ルーマン国王は誰よりもクリストファーの性格を知っている。
「この国の貴族がほぼいなくなるのではないですか?」
アビーナルも王に同意した。
王城で血の雨が降る。
いや、このルーマン全土に血の雨が降るだろう。
「クリストファーを王太子から外し、監視をつけよう。いや、我々の監視などすぐに破られる。処刑するしかないか…」
ルーマン国王はブツブツと独り言を言う。
「国王、早まらないでください。今クリストファー様が死ねば、いくら3カ国同盟があるといえどルーマンは他国から狙われます。」
アビーナルは慌てて王を止める。
「だが、他国にやられる前にこの国が滅ぶ!」
王は感情的に怒鳴った。
クリストファーありきのこの国の現状では解決策など見えない。
部屋の中は沈黙となる。
「姫、いや、ミルアージュ妃を王にしましょう。」
今まで黙っていたアルトが静かに言葉を発した。
「そんな事ができるはずがない。」
アビーナルは吐き捨てる様に言う。
「姫は誰よりも優秀でこの国の事を1番考えられるお方だ。そんなお方が統治者になるのの何が悪い?」
「良い悪いの話ではない。貴族達の同意を得られないという話だ。」
「今すぐには難しいだろう。だが、3カ国同盟主である姫様を追い出す事は難しいだろう。ならば、貴族達を動かせる様に根回しをすれば良い。」
「どうやって?」
「姫のこれまでの功績をさらに広める。」
アルトはニヤッと笑う。
「姫は平民達に人気がある。アレンベールでの行いやパーティーで平民の為に貴族に怒り守った事は瞬く間に広がった。」
わがまま王太子妃。
悪女。
そんなミルアージュの悪評をアルトは許せなかった。
だから、第3部隊の部下達とその家族と共にミルアージュが今まで何をしてきたのかを平民達に広げてきたのだ。
第3部隊も平民の寄せ集めと言われてはいたが、国中から優秀な者が集まっている。
そして、怪我をして除隊をしたが、商会など仕事を紹介された元兵士も協力してくれていた。
ミルアージュの話は国中にすぐに広がるのに時間はかからなかった。
嘘などついていない。
ありのままのミルアージュの話をするだけでいいのだ。
皆、喜んでアルトに協力してくれた。
「姫に味方をする貴族達もいるだろうし、たとえ反発しても貴族より平民達の方が圧倒的に多い。自領民達の声は完全には無視できない。」
嘆願書を処理していたミルアージュに助けられた領主や領民も少なくない。
味方となる貴族達もいるはずだ。
しかも、自領民を蔑ろにして領主の座を奪われて表向きは自殺した領主がいたと他領主達に衝撃を与えたばかりだ。
ルーマン国王とアビーナルはアルトを見つめた。
「アルト、お前…」
いつの間にこんなに変わったんだ?
貴族達を把握していたんだ?
アビーナルはアルトを見誤っていたと気づいた。
世論をよく見ている。
アビーナルも生粋の貴族だ。
平民から動かすなんて考えてこともなかった。
アルトの口元は緩んでいる。
クリストファーの事は好きではないが、今回の提案には賛成だった。
アルトはミルアージュ以外に仕える気がない。
だから、ミルアージュに仕えられないのなら軍人をやめようかと思っていた。
だが、ミルアージュが国王となるのなら話は別だ。
軍部のトップとなり、ミルアージュの片腕となり支える事ができる。
目指すものが決まった。
アルトは嬉しくてたまらなかった。
クリストファーのこの決断が世界に名が轟くルーマン軍部総大将アルトの誕生となるのだった。
クリストファーを部屋から追い出したルーマン国王がアビーナルとアルトに聞いた。
「本気だと思います…」
アビーナルが重い口を開いた。
アルトも頷く。
「この国でミルアージュ妃を王にするのは容易な事ではない…」
他国の元王女。
この閉鎖的な男性優位のルーマンがいくら変わろうとミルアージュ妃が王と認められるのは不可能だ。
王からため息が漏れる。
「あれがやると言えば、必ずやる。目的のためなら手段は選ばない。」
ルーマン国王は誰よりもクリストファーの性格を知っている。
「この国の貴族がほぼいなくなるのではないですか?」
アビーナルも王に同意した。
王城で血の雨が降る。
いや、このルーマン全土に血の雨が降るだろう。
「クリストファーを王太子から外し、監視をつけよう。いや、我々の監視などすぐに破られる。処刑するしかないか…」
ルーマン国王はブツブツと独り言を言う。
「国王、早まらないでください。今クリストファー様が死ねば、いくら3カ国同盟があるといえどルーマンは他国から狙われます。」
アビーナルは慌てて王を止める。
「だが、他国にやられる前にこの国が滅ぶ!」
王は感情的に怒鳴った。
クリストファーありきのこの国の現状では解決策など見えない。
部屋の中は沈黙となる。
「姫、いや、ミルアージュ妃を王にしましょう。」
今まで黙っていたアルトが静かに言葉を発した。
「そんな事ができるはずがない。」
アビーナルは吐き捨てる様に言う。
「姫は誰よりも優秀でこの国の事を1番考えられるお方だ。そんなお方が統治者になるのの何が悪い?」
「良い悪いの話ではない。貴族達の同意を得られないという話だ。」
「今すぐには難しいだろう。だが、3カ国同盟主である姫様を追い出す事は難しいだろう。ならば、貴族達を動かせる様に根回しをすれば良い。」
「どうやって?」
「姫のこれまでの功績をさらに広める。」
アルトはニヤッと笑う。
「姫は平民達に人気がある。アレンベールでの行いやパーティーで平民の為に貴族に怒り守った事は瞬く間に広がった。」
わがまま王太子妃。
悪女。
そんなミルアージュの悪評をアルトは許せなかった。
だから、第3部隊の部下達とその家族と共にミルアージュが今まで何をしてきたのかを平民達に広げてきたのだ。
第3部隊も平民の寄せ集めと言われてはいたが、国中から優秀な者が集まっている。
そして、怪我をして除隊をしたが、商会など仕事を紹介された元兵士も協力してくれていた。
ミルアージュの話は国中にすぐに広がるのに時間はかからなかった。
嘘などついていない。
ありのままのミルアージュの話をするだけでいいのだ。
皆、喜んでアルトに協力してくれた。
「姫に味方をする貴族達もいるだろうし、たとえ反発しても貴族より平民達の方が圧倒的に多い。自領民達の声は完全には無視できない。」
嘆願書を処理していたミルアージュに助けられた領主や領民も少なくない。
味方となる貴族達もいるはずだ。
しかも、自領民を蔑ろにして領主の座を奪われて表向きは自殺した領主がいたと他領主達に衝撃を与えたばかりだ。
ルーマン国王とアビーナルはアルトを見つめた。
「アルト、お前…」
いつの間にこんなに変わったんだ?
貴族達を把握していたんだ?
アビーナルはアルトを見誤っていたと気づいた。
世論をよく見ている。
アビーナルも生粋の貴族だ。
平民から動かすなんて考えてこともなかった。
アルトの口元は緩んでいる。
クリストファーの事は好きではないが、今回の提案には賛成だった。
アルトはミルアージュ以外に仕える気がない。
だから、ミルアージュに仕えられないのなら軍人をやめようかと思っていた。
だが、ミルアージュが国王となるのなら話は別だ。
軍部のトップとなり、ミルアージュの片腕となり支える事ができる。
目指すものが決まった。
アルトは嬉しくてたまらなかった。
クリストファーのこの決断が世界に名が轟くルーマン軍部総大将アルトの誕生となるのだった。
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