サキュバス召喚!

白石華

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第6章

サキュバス試験その2、今度は姉妹で試験に挑もう。その1

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「ご主人様、前回は首席だったんでしょ? 今回は私も行くわよ。」
「ああ、またサキュバス試験があるんだ。」
「はい。また……スフィアも出ると思いますが。」
「スフィアか。あのさ、レイナってスフィアとは因縁ってあるの?」
「私はないと思っていますし……向こうもそこまでとは。」
「だよね。言い方が遠慮ないだけであるようには見えなかったし。」

 またサキュバス試験がやってきたと二人に教えられたのだが。こないだのライラの話で気になっていたスフィアとの関係をレイナに確認したけど、俺が思っていた通りの回答が返ってきた。

「は~ん。それじゃあ、サキュバス試験で対決を司会のサキュバスが言ってたのって。
 本人(サキュバス、悪魔)たちはそんなでもないのに、周りが対決をでっち上げていったとか。
 そういうので仲悪い扱いされたとかそういうの?」
「そうですね。」
「そうよ。あいつら自分たちに関係ない形で人(魔)が戦っているところを見たいのよ。
 人間にだって、本人たちは争う気が無いのに周りから煽りたがる連中っているでしょ。」
「ふ~ん……。イメージ着いた。了解。俺、こないだはよく分からなかったからさ。」
「こないだのサキュバス試験は下馬評覆したから沸いたみたいだけど。」
「そんな感じだったね。」
「だからね。今回はスフィアの取り巻きも出るって騒いでて。
 またやりづらいことになっていそうよ。」
「うん……どっちみち、俺がやれる事だったら協力するけど。
 やる事って言ったら攻める系サキュバスをベッドヤクザで公開処刑だよね。」
「そうそう。それでスフィア派のやつらが騒いだの。」
「俺の知らないところでそんな争いが……。」

 あの時の俺は、ベッドヤクザになって、いつものようにやりたい放題やったパターンになるのだが。
 今度はスフィア派がやってくることになったのか。でも正直、それって前振りだよな。

「返り討ちになったらどうするんだろう……。」
「どうもしないわよ。サキュバスってそういう生き物(魔)だし。」

 ライラも攻める系サキュバスだと思うし、だからスフィアが懐いたと実際に見ていないけど思う俺としては。ライラのキッパリした割り切り方が逆にすごいと思っていたし、淫乱聖母になった後でもライラがツンツンしていても魅力的な理由ってそういうところだよなって思った。

 という訳で今回もワープ魔法陣でサキュバス試験に行ってみる事にして。

 ・・・・・・。

「あら、レイナに、ライラお姉さま。」
「久しぶり、スフィア。」
「どうもー、スフィア。相変わらずクールね。」
「ええ。お姉さまも相変わらず。」

 サキュバス試験会場に着くと。スフィアに会ったが特に気にしている様子もなく、レイナとライラに挨拶までサラッとしている。

「今回も来ているんだ。」

 スフィアが俺を見る。

「あはは……どうも。」
「大丈夫よ。私もチート才能が身に着いたから。あなたをご主人様に向かえたレイナもお姉さまも。
 理由は分かるわ。それだけの力があればね。」
「うん……そう言ってくれるんだ。」
「ええ。『ライバルにボロ負けして打ちひしがれたけど。
 そいつの主人から貰った才能でチート無双したので結果オーライになりました。
 私は新たな人生を歩むから、もう昔の私と思わないでください。』になって。」

 何でそういうウケ狙い説明文タイトルみたいな紹介をみんなするんだ。と思いつつも、大体どうなったかは把握した。

「それもあるけど、お姉さまもその人を主人に向かえたんでしょ。
 私もこうなっちゃったけど、目標にしている人が同じことをしてるって指標になるのよ。」
「へー。」

 俺はスフィアがシッカリしている子でちょっと意外だったが、周りからの印象でそう見えてるだけで、本人は元々そうでもなかったんだろうな。

「だけど。ジルダはそう思っていなくて。」
「へ~、スフィアと仲いい子?」
「仲がいいって言うか。向こうがこっちに来ている感じの子で。まあ気を付けてって言おうとしたの。」
「ボーナね。あの子か。」

 俺がいつの間にか話に参加してしまっていたが最後はライラが思い当たるようになっていた。

「という訳。気を付けてって程じゃないかもしれないけど。
 あの子も来ているからそれだけ伝えておくわ。じゃあね。お互いベストを尽くしましょう。」

 スフィアがそう言うと、手をかざして、去って行った。

「ふ~ん。ジルダってどういう子なんだろう。」
「ボーナは……あの子は……。」
「う~ん。何て説明すればいいのか。会えば把握するわ。」

 珍しく二人が言い淀んでいる。そこまで言われると怖くなってくるな。そう思って受付を済ませ、前回もそうだったホール会場に向かおうとすると。

「……あ、すみません。」
「おっと。」

 女の子とぶつかってしまう。

「……あっ。レイナ様と、ライラ様。」
「どうも、ジルダ。ご主人様、この子がジルダよ。」
「こんにちは、ジルダ。」
「……こんにちは。」

 ジルダは会ってみると、ちょっと小柄ではあるが……礼儀正しそうだけど警戒心むき出しというか。サキュバスっぽくない子だな~と、思ってしまった。開放的なイメージありそうだもんな。

「私。スフィアお姉さまがああなってしまっても、私は一人になっても戦います。」
「あのね、ジルダ。スフィアだってサキュバスなんだから不可抗力でしょ?」
「それでも! 私は……私のままでいます!」
「あのね、スフィアもそうだけど。人(魔)は誰かのために生きている訳じゃないのよ?
 そうしてくれていた人がいたとしても、それを当たり前だと思わないで。」

 珍しくライラが真面目に言っている。

「……知っていますけど。でも。どうしてみんなそうなっちゃうんですか。
 それなら私が一人でやって見せます!」
「ええ。それを止める気はないわ。」
「決着はサキュバス試験で決めましょう。私は……そうなりません。そうなる訳にはいかないんです。」
「ええ。じゃあね。」
「さようなら。」
「さよなら。」

 ジルダはそう言うと、ホールに先に向かって行った。

「えっと。ああいう子?」
「そうよ。相手に回ると、やりづらそうな子でしょ?」
「うん……そうだね。」

 ライラの言葉に俺は頷いた。ああいう子、いい子が俺に敵意を向けられるとやりづらいし罪悪感が湧くタイプだな。

「大体なんで、サキュバスが堕ちるの厭がるの?」
「そういうサキュバスもいるのよ。SもいればMもいるし、サドマゾもマゾサドもいるって思って。」
「了解。」

 俺はたとえ話に納得した。でも。

「今回は俺があの子をどうこうするって話にならないといいな……本人がそうされたくなさそうだ。」
「いいのよ。本人が同意したならね。」

 それでいいのかなあ。とりあえず俺たちもホールに向かうことにした。
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