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第二章
海に向かった先に
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トゥルルル……。
神社のお姉さんと会話をした後、俺は町役場の地域再建課に連絡を入れていた。
「すみません、トンカです。神社の人が敷地内にある遺跡が気になるって言っていたんですが。
あれも再建に入れちゃっていいですか?」
「ああ。いいですよ。してくださるなら何でも。でもその代わり……。」
「予算は出ないって事ですか?」
「いえ。そんな事は無いです。調査を自前でやってもらう事になるんですが……。
今、業者が人手不足でして。依頼するにもすぐには来られませんし……。
そういうのじゃ遅かったらそっちでやって貰いたいんですね。」
「遺跡の調査と再建箇所の確認を、こっちでするって事ですね?」
「そうですそうです。レポート提出して頂ければ予算は出ますのと。
その時の調査費用もこちらで負担しますね。」
「ふむ。了解しました。調査はもう、やっちゃっていいんですか?」
「ええ。それもされてください。用件はここまでで……?」
「はい。」
「はーい。」
プツリと小型連絡端末のスイッチ、スマホみたいなのを切って……俺はお姉さんの所に再び戻る。
「という訳で、役場の人からはすぐには業者を呼べないという事で。
俺たちなら調査と再建をしてもいいと言われたんですが。
そちらの許可はいかがです?」
「まあ。そうなんですか……調査自体は問題ないですが。」
「何かあるんです?」
「調査の時は、私も連れて行ってください。一応、私も確認に加わります。」
「その方がいいでしょうね。」
「本当に……何から何まで、ありがとうございます。」
「いえいえ。」
こんな感じで約束も取り付けて、俺たちは神社を後にすると。
・・・・・・。
「おおー! 海だ!」
「うわーい! ここ、地元のハンターの人が狩ってくれるから、クラゲもサメも出ないって!
みんなで泳がない!?」
「泳ぎたいところだが、午後から寺にも行くからな……ってオイ!」
「あははははは!」
カンナがとっとと海に行って、服を着たまま泳いでいる。何と元気で後先を考えないやつだ。
「暑い……眩しい。」
それとは正反対にサシガネが日光と熱さで溶けそうになっていた。
「私もちょっと、泳ぎたいですが……先にレストランを確保して。
みんなもご飯を食べた方がいいかなって思います。」
「カンナがああなっちまうとな。よし、みんなで泳ぐか!」
「私はしないわよ。」
「きゃはははははは!」
カンナも泳いでいるし、戻ってくるまでは何もやれないだろうと、貸し水着屋にいこうとすると。
「ねーねー、社長!」
ざばっとカンナが海から出てくると。
「男の子、海で拾っちゃった。」
「ぬあああ!?」
カンナが海で溺れていたと思わしき少年を小脇に抱えていた。
・・・・・・。
「ええと、特に身体に傷とかは無いですが、気になるようでしたらここで預かりますよ。
私の家は治癒の魔法も用いられますから。」
「病院でもいいんですけど、リーダーと治癒魔法でもなんとかなりますからね。うーん。」
溺れていた少年を近くの霊社……さっき再建した場所に戻ると、責任者のお姉さんに看病して貰えそうな気配になっていた。
「それなら、コチラで病院にも連れて行きます。」
「いいんですか。」
「ええ……この子、この町では町内会や夏祭りなどで見かけたことが無い子ですし……。
病院にも検査をお願いした方がいいんでしょうね。
おうちが思い出せるようでしたら、そのまま帰って貰います。」
「はあ。」
そういえば霊社って子供が集まるような季節の行事ってあるし。子供の顔とか確認するのか。この先は霊閣にも行く予定だし、後は頼んじゃっていいのだろうか。
「それじゃあ、お願いしちゃっていいですかね。」
「はい。」
俺は霊社のお姉さんに海で溺れていた少年を預けると、今度は霊閣に向かうことにした。
・・・・・・。
「今度は山登り……。」
サシガネが社の坂が可愛く見えるくらい、急な斜面の山を見ただけでうんざりしている。
「サシガネ。無理そうだったら、おんぶしてやるぞ。」
「な! 何でおんぶなのよ……って思ったけど。他にやり方が無いか。」
「ああ。車とかあればよかったんだが。生憎、トロッコで来ちまったからな。」
トロッコは俺がこいできた。車も必要なら今度、レンタルしてもいいな。
「移動手段が人力で済む脳筋ゴリラ……。」
「ははは! その通りだな! ほら、乗ってけよ!」
「うわあ!?」
俺はサシガネをおんぶで担ぐと、みんなで霊閣まで参拝することにした。
・・・・・・。
「うわあ……いい眺め……。」
「山は登った後の景色がいいですね。」
「うん! お昼食べたの忘れていたから、みんなで食べよー!
こっちにも寺のレストラン、あるって!」
その後、寺までたどり着いた俺たちは、山から麓にある海の景色を眺めていた。
「じゃあ、飯食ってから参拝して、そしたら再建するか。」
随分と後回しになったが、ようやくの昼食と、再建となり……。
・・・・・・。
「豆腐が……うまい。胡麻豆腐もうまい。味噌もうまい……。」
「こっちのがんもどきも美味しいですね。」
「精進料理しか出さないのかと思ったらお刺身もあるんだ。胡麻ダレの漬けになってる。」
「はあ……お茶が美味しい……。」
寺のレストランで休憩がてら、ご飯を食べることにしたが。海の幸と精進料理を合わせたような料理に舌鼓を打っていた。坊主がいいのかと思ったが。ここは別の業者に任せているところだからセーフという、厳しいんだかゆるいんだか、よく分からない戒律だったようだ。じゃあ何で寺のレストランって名前なんだよって思ったが、まあそこは気にしない事にして。
「ここ終わったら今日の仕事は終わりだが、ちょっと気になるところが増えたな。」
「はい。神社の遺跡と、先ほど溺れていた男の子ですね。」
俺の言葉にベルさんが答える。
「ああ。終わったら確認作業、ちょっとやっといてもいいかもな。
人命救助が先だから男の子の方だが。」
「はい……。」
「このくらいはやっとかないとな。そうしたら、後は海で泳いだりしてもいい日とする!」
「やったー!」
「ふーん……。」
俺の言葉にカンナとサシガネが嬉しそうになるが、感情の出し方が正反対な二人だった。
その後、霊閣も再建して、一旦、休憩となったのであった……。
神社のお姉さんと会話をした後、俺は町役場の地域再建課に連絡を入れていた。
「すみません、トンカです。神社の人が敷地内にある遺跡が気になるって言っていたんですが。
あれも再建に入れちゃっていいですか?」
「ああ。いいですよ。してくださるなら何でも。でもその代わり……。」
「予算は出ないって事ですか?」
「いえ。そんな事は無いです。調査を自前でやってもらう事になるんですが……。
今、業者が人手不足でして。依頼するにもすぐには来られませんし……。
そういうのじゃ遅かったらそっちでやって貰いたいんですね。」
「遺跡の調査と再建箇所の確認を、こっちでするって事ですね?」
「そうですそうです。レポート提出して頂ければ予算は出ますのと。
その時の調査費用もこちらで負担しますね。」
「ふむ。了解しました。調査はもう、やっちゃっていいんですか?」
「ええ。それもされてください。用件はここまでで……?」
「はい。」
「はーい。」
プツリと小型連絡端末のスイッチ、スマホみたいなのを切って……俺はお姉さんの所に再び戻る。
「という訳で、役場の人からはすぐには業者を呼べないという事で。
俺たちなら調査と再建をしてもいいと言われたんですが。
そちらの許可はいかがです?」
「まあ。そうなんですか……調査自体は問題ないですが。」
「何かあるんです?」
「調査の時は、私も連れて行ってください。一応、私も確認に加わります。」
「その方がいいでしょうね。」
「本当に……何から何まで、ありがとうございます。」
「いえいえ。」
こんな感じで約束も取り付けて、俺たちは神社を後にすると。
・・・・・・。
「おおー! 海だ!」
「うわーい! ここ、地元のハンターの人が狩ってくれるから、クラゲもサメも出ないって!
みんなで泳がない!?」
「泳ぎたいところだが、午後から寺にも行くからな……ってオイ!」
「あははははは!」
カンナがとっとと海に行って、服を着たまま泳いでいる。何と元気で後先を考えないやつだ。
「暑い……眩しい。」
それとは正反対にサシガネが日光と熱さで溶けそうになっていた。
「私もちょっと、泳ぎたいですが……先にレストランを確保して。
みんなもご飯を食べた方がいいかなって思います。」
「カンナがああなっちまうとな。よし、みんなで泳ぐか!」
「私はしないわよ。」
「きゃはははははは!」
カンナも泳いでいるし、戻ってくるまでは何もやれないだろうと、貸し水着屋にいこうとすると。
「ねーねー、社長!」
ざばっとカンナが海から出てくると。
「男の子、海で拾っちゃった。」
「ぬあああ!?」
カンナが海で溺れていたと思わしき少年を小脇に抱えていた。
・・・・・・。
「ええと、特に身体に傷とかは無いですが、気になるようでしたらここで預かりますよ。
私の家は治癒の魔法も用いられますから。」
「病院でもいいんですけど、リーダーと治癒魔法でもなんとかなりますからね。うーん。」
溺れていた少年を近くの霊社……さっき再建した場所に戻ると、責任者のお姉さんに看病して貰えそうな気配になっていた。
「それなら、コチラで病院にも連れて行きます。」
「いいんですか。」
「ええ……この子、この町では町内会や夏祭りなどで見かけたことが無い子ですし……。
病院にも検査をお願いした方がいいんでしょうね。
おうちが思い出せるようでしたら、そのまま帰って貰います。」
「はあ。」
そういえば霊社って子供が集まるような季節の行事ってあるし。子供の顔とか確認するのか。この先は霊閣にも行く予定だし、後は頼んじゃっていいのだろうか。
「それじゃあ、お願いしちゃっていいですかね。」
「はい。」
俺は霊社のお姉さんに海で溺れていた少年を預けると、今度は霊閣に向かうことにした。
・・・・・・。
「今度は山登り……。」
サシガネが社の坂が可愛く見えるくらい、急な斜面の山を見ただけでうんざりしている。
「サシガネ。無理そうだったら、おんぶしてやるぞ。」
「な! 何でおんぶなのよ……って思ったけど。他にやり方が無いか。」
「ああ。車とかあればよかったんだが。生憎、トロッコで来ちまったからな。」
トロッコは俺がこいできた。車も必要なら今度、レンタルしてもいいな。
「移動手段が人力で済む脳筋ゴリラ……。」
「ははは! その通りだな! ほら、乗ってけよ!」
「うわあ!?」
俺はサシガネをおんぶで担ぐと、みんなで霊閣まで参拝することにした。
・・・・・・。
「うわあ……いい眺め……。」
「山は登った後の景色がいいですね。」
「うん! お昼食べたの忘れていたから、みんなで食べよー!
こっちにも寺のレストラン、あるって!」
その後、寺までたどり着いた俺たちは、山から麓にある海の景色を眺めていた。
「じゃあ、飯食ってから参拝して、そしたら再建するか。」
随分と後回しになったが、ようやくの昼食と、再建となり……。
・・・・・・。
「豆腐が……うまい。胡麻豆腐もうまい。味噌もうまい……。」
「こっちのがんもどきも美味しいですね。」
「精進料理しか出さないのかと思ったらお刺身もあるんだ。胡麻ダレの漬けになってる。」
「はあ……お茶が美味しい……。」
寺のレストランで休憩がてら、ご飯を食べることにしたが。海の幸と精進料理を合わせたような料理に舌鼓を打っていた。坊主がいいのかと思ったが。ここは別の業者に任せているところだからセーフという、厳しいんだかゆるいんだか、よく分からない戒律だったようだ。じゃあ何で寺のレストランって名前なんだよって思ったが、まあそこは気にしない事にして。
「ここ終わったら今日の仕事は終わりだが、ちょっと気になるところが増えたな。」
「はい。神社の遺跡と、先ほど溺れていた男の子ですね。」
俺の言葉にベルさんが答える。
「ああ。終わったら確認作業、ちょっとやっといてもいいかもな。
人命救助が先だから男の子の方だが。」
「はい……。」
「このくらいはやっとかないとな。そうしたら、後は海で泳いだりしてもいい日とする!」
「やったー!」
「ふーん……。」
俺の言葉にカンナとサシガネが嬉しそうになるが、感情の出し方が正反対な二人だった。
その後、霊閣も再建して、一旦、休憩となったのであった……。
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