精霊都市の再開発事業

白石華

文字の大きさ
53 / 62
第六章

瑠璃姫様のお言葉

しおりを挟む
「皆様、来るのをお待ちしていました。」
「えっ?」

 そこで玉座の間のような場所があり、お姫様である瑠璃姫様と思わしき方が玉座に座っていたのだが、その姿がサシガネそっくりだったため、俺が驚く。

「私……そっくり。」
「本当に改めて確認すると似ていますね。」
「うん……。」

 サシガネ、ベルさん、カンナも驚いているようだった。

「奥の方が瑠璃姫様になります。」

 カメの従者がシードルと梅花さんを先頭にした俺たち列の脇に控えるようになった。

「シーガル様、と申しましたね。私は瑠璃姫になります。」
「は、はいっ。」
「よろしくお願いします。」

 瑠璃姫様とシードル、梅花さんが挨拶を交わしたようだ。

「まずは……あなたの素性について確認しますが、記憶はお持ちでしょうか?」
「はい。記憶のかけらに、失ったはずの僕のと思わしき記憶が残っていたんですが。
 僕は記憶を失う前、これらを持っていたんでしょうか。」

 シードルは釣り針、べっこうぶちの眼鏡、潮玉を見せる。

「……それは本物ではありません。失った記憶たちが実体化したものです。」
「本物ではない?」
「はい。あなたの本体である人物……精霊でもある存在ですが。
 開けてはいけない箱を開けたとき……ひずみが生じ。あなたが生まれてしまった。」
「……?」

 シーガルは瑠璃姫様の説明に、ぽかんとしている。

「その者はここに住んでいた私の先祖の元に来て、暫く滞在したのち、帰る事となりました。
 その後、決して開けてはいけない宝箱を開けてしまったのです。
 何が起こるかは私達にも預かり知らぬものでした。
 その結果は、ずれていた時は流れ、その者は大きく年を取ってしまった。」

 聞いたことのある話だが、ベルさんからから聞いた話とは別の話だなと俺は思ったが、シーガルとの会話みたいだから黙っていた。

「あなたはその者の記憶と、ずれていた時の時間を進めたときに。
 ひずみによって生まれた。
 記憶の一部と時間を実体化させた存在なのです。
 記憶は記憶のかけらとなり、一部の記憶と時間はあなた……シーガルになった。」
「はあ……そんな事があるんですか。」

 俺の国では精霊は万物に宿るとあるが、これにも宿るとは、俺も驚いた。

「はい。元の存在に戻るには、ここを管理している者に戻してもらう必要があります。」
「戻ると……どうなるんですか?」
「あなたが本来の姿に戻ります。もしかすると、あなたではなくなるかもしれませんが。」
「えっ。」
「……。」

 シーガルが驚いたとき、梅花さんも僅かに身構えたようだった。

「記憶も時間も、本来なら元に戻る存在です。
 この後どうするかは、あなたが決めてください。」

 瑠璃姫様はそれだけを口にして、あとは静かにしていた。

「管理している者に……会う必要はあるのですか?」
「そうですね、いずれにせよ、会う必要はあります。その時に、あなたが申し出てください。
 通り方を教えます。」

 瑠璃姫様はシーガルに進み方を教える。

「……となります。後はあなたたちでどうされるかお決めください。
 私の役割は、ここまでです。」

 瑠璃姫様はそう言うと、本当に何も言わなくなったため、俺たちは城を出る事となった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

ちょっと大人な物語はこちらです

神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な短編物語集です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

貞操逆転世界に転生したのに…男女比一対一って…

美鈴
ファンタジー
俺は隼 豊和(はやぶさ とよかず)。年齢は15歳。今年から高校生になるんだけど、何を隠そう俺には前世の記憶があるんだ。前世の記憶があるということは亡くなって生まれ変わったという事なんだろうけど、生まれ変わった世界はなんと貞操逆転世界だった。これはモテると喜んだのも束の間…その世界の男女比の差は全く無く、男性が優遇される世界ではなかった…寧ろ…。とにかく他にも色々とおかしい、そんな世界で俺にどうしろと!?また誰とも付き合えないのかっ!?そんなお話です…。 ※カクヨム様にも投稿しております。内容は異なります。 ※イラストはAI生成です

ドマゾネスの掟 ~ドMな褐色少女は僕に責められたがっている~

ファンタジー
探検家の主人公は伝説の部族ドマゾネスを探すために密林の奥へ進むが道に迷ってしまう。 そんな彼をドマゾネスの少女カリナが発見してドマゾネスの村に連れていく。 そして、目覚めた彼はドマゾネスたちから歓迎され、子種を求められるのだった。

スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活

昼寝部
ファンタジー
 この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。  しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。  そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。  しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。  そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。  これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。

セクスカリバーをヌキました!

ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。 国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。 ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……

処理中です...