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喫茶モフモフ
試食会、始まる
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「お姫様たちにはチョコレートとナッツ、ドライフルーツですが。
王子様にはチーズ盛り合わせで。」
「わーい!」
「またチョコだー!」
「ふむ。この国のチーズも美味しいですからね。よその国のを食べるのも悪くない。」
サナダさんがお姫様たちと王子様にチョコレートとチーズを出していた。
「味はいかがですか?」
「美味しい!」
「甘い! チョコレートこんなに食べていいんだ!」
普段は出す量を制限されている(お菓子だけでご飯を済ませては、なりませんという言いつけでもあるのだろうか。王子様は教育係に向いているから押し付けられているのかもしれない。)のだろうか。子供たちがドライフルーツとチョコレートをパクパク食べている。
「王子様はいかがですか。」
「ふむ……そうですね。火を通さなくてもここのチーズはちょっと堅いですが。
癖もコクもあっても、ミルクの味が強くて食べやすい。」
王子様は公務で自国の農産物やブレンドしたお茶やコーヒーも宣伝しているらしいからか、食レポもうまかった。
「それでは次はサクランボのチョコレートケーキで。
削ったチョコを掛けた、チョコスポンジのケーキに、サクランボを挟んだのに。
ガトーショコラにサクランボを入れたもの。」
「おお~!」
「ケーキもいっぱいあるんだ!」
子供たちがケーキも出して貰えて大賑わいだった。
「サクランボのチョコケーキは王道ですね。フォレノワールも有名ですし。」
王子が食べて褒めながら、自国のケーキを宣伝している。
「美味しいのですが……うちでもやれそうと思ってしまう職業病が……。」
そして王子は葛藤していた。
「まあまあ、今日は子供たちと食べるご褒美タイムと思ってください。」
「そのはずなんですが……おっと。」
「メインのチーズフォンデュもですが、コーヒーとココアもどうぞ。」
メインはチーズフォンデュと、飲み物が出された。サラダも付いている。
「こちらではパンだけにしたんですか。」
「ええ。軽食ですからね。たくさん出したらテーブル代、今回も取りませんし。
小鍋の一人用にして、回転率を重視しました。」
「それでも燻製ぐらいは出してもと思いますが……。ご飯なんですし。」
「それはサイドメニューで追加にしています。」
「チーズは重いからその方がいいですね。」
王子も納得したようだった。
「では食べてみても……ん。子供用のチーズフォンデュ(ノンアルコール)ですか。」
「そうなってしまいますね。ウチではお酒は出していませんから。」
「見た目、酒場っぽいのに……。」
「ははは。昔はそういう建物だっただけです。それで、お味はいかがですか?」
「ええ。グラタンみたいでいいですね。
これだと……パンにもこだわりたくなってしまいますが。」
「あなたの国だとパンも美味しいですからね。」
「ええ、パンだけでもいかがでしょうか。」
「輸入は数が読めないから安定して仕入れられるところにしたいですね。」
王子の売り込みは隙あらばだった。
「あつーい。」
「チーズ!」
お姫様たちはお気に召したようだった。
「ええ。このフェアも好評だったら、今度は王室御用達のもやりたいと思っているから。
大丈夫ですよ。そろそろ教育係の方もいらっしゃるんですし。
今までの自分をねぎらうつもりでゆっくりされてください。」
「あ……あっ、あああああ! 私は……っ、私はあああっ!
褒められたくてやった訳ではなくても……っ。
他に人がいないから自分がやる羽目になったとしても。
いつの間にか誰かに助けて貰いたくなってしまったんですううっ!」
「あ……っ、大丈夫ですか。」
サナダさんの言葉でまた、王子が限界スイッチが入ってしまったようだ。テーブルに突っ伏して青年の叫びが始まってしまった。
「う……すみません。そろそろどうなるか分からなくなってきたから。
何かねぎらわれたりするのに弱くなってて。
今までの自分の過去の思い出もフワ~っと蘇りやすくなって。」
「ええ……大丈夫ですよ。前の僕もそんな感じでしたし。」
男子会を経験した後のサナダさんは限界王子が他人に見えなくなっていた。
「空いた時間で休暇とかにも入られるといいですよ。」
「ありがとうございます……温泉、行こうかな……。」
「それなら是非、うちの国に。」
サナダさんも隙あらば売り込む人だった。
王子様にはチーズ盛り合わせで。」
「わーい!」
「またチョコだー!」
「ふむ。この国のチーズも美味しいですからね。よその国のを食べるのも悪くない。」
サナダさんがお姫様たちと王子様にチョコレートとチーズを出していた。
「味はいかがですか?」
「美味しい!」
「甘い! チョコレートこんなに食べていいんだ!」
普段は出す量を制限されている(お菓子だけでご飯を済ませては、なりませんという言いつけでもあるのだろうか。王子様は教育係に向いているから押し付けられているのかもしれない。)のだろうか。子供たちがドライフルーツとチョコレートをパクパク食べている。
「王子様はいかがですか。」
「ふむ……そうですね。火を通さなくてもここのチーズはちょっと堅いですが。
癖もコクもあっても、ミルクの味が強くて食べやすい。」
王子様は公務で自国の農産物やブレンドしたお茶やコーヒーも宣伝しているらしいからか、食レポもうまかった。
「それでは次はサクランボのチョコレートケーキで。
削ったチョコを掛けた、チョコスポンジのケーキに、サクランボを挟んだのに。
ガトーショコラにサクランボを入れたもの。」
「おお~!」
「ケーキもいっぱいあるんだ!」
子供たちがケーキも出して貰えて大賑わいだった。
「サクランボのチョコケーキは王道ですね。フォレノワールも有名ですし。」
王子が食べて褒めながら、自国のケーキを宣伝している。
「美味しいのですが……うちでもやれそうと思ってしまう職業病が……。」
そして王子は葛藤していた。
「まあまあ、今日は子供たちと食べるご褒美タイムと思ってください。」
「そのはずなんですが……おっと。」
「メインのチーズフォンデュもですが、コーヒーとココアもどうぞ。」
メインはチーズフォンデュと、飲み物が出された。サラダも付いている。
「こちらではパンだけにしたんですか。」
「ええ。軽食ですからね。たくさん出したらテーブル代、今回も取りませんし。
小鍋の一人用にして、回転率を重視しました。」
「それでも燻製ぐらいは出してもと思いますが……。ご飯なんですし。」
「それはサイドメニューで追加にしています。」
「チーズは重いからその方がいいですね。」
王子も納得したようだった。
「では食べてみても……ん。子供用のチーズフォンデュ(ノンアルコール)ですか。」
「そうなってしまいますね。ウチではお酒は出していませんから。」
「見た目、酒場っぽいのに……。」
「ははは。昔はそういう建物だっただけです。それで、お味はいかがですか?」
「ええ。グラタンみたいでいいですね。
これだと……パンにもこだわりたくなってしまいますが。」
「あなたの国だとパンも美味しいですからね。」
「ええ、パンだけでもいかがでしょうか。」
「輸入は数が読めないから安定して仕入れられるところにしたいですね。」
王子の売り込みは隙あらばだった。
「あつーい。」
「チーズ!」
お姫様たちはお気に召したようだった。
「ええ。このフェアも好評だったら、今度は王室御用達のもやりたいと思っているから。
大丈夫ですよ。そろそろ教育係の方もいらっしゃるんですし。
今までの自分をねぎらうつもりでゆっくりされてください。」
「あ……あっ、あああああ! 私は……っ、私はあああっ!
褒められたくてやった訳ではなくても……っ。
他に人がいないから自分がやる羽目になったとしても。
いつの間にか誰かに助けて貰いたくなってしまったんですううっ!」
「あ……っ、大丈夫ですか。」
サナダさんの言葉でまた、王子が限界スイッチが入ってしまったようだ。テーブルに突っ伏して青年の叫びが始まってしまった。
「う……すみません。そろそろどうなるか分からなくなってきたから。
何かねぎらわれたりするのに弱くなってて。
今までの自分の過去の思い出もフワ~っと蘇りやすくなって。」
「ええ……大丈夫ですよ。前の僕もそんな感じでしたし。」
男子会を経験した後のサナダさんは限界王子が他人に見えなくなっていた。
「空いた時間で休暇とかにも入られるといいですよ。」
「ありがとうございます……温泉、行こうかな……。」
「それなら是非、うちの国に。」
サナダさんも隙あらば売り込む人だった。
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