潮の町の神様

白石華

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潮の町の神様

腑に落ちない続きでも

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「な、ナツミちゃん……ちゅ。ちゅ……。」
「う、うう……あ、渉……。」

 フラフラした頭のまま、ナツミちゃんと唇を重ねてしまっていた。

「ナツミ……ちゃん。もっと、したい。」

 ナツミちゃんの身体に触れようとしたとき。

「ま、待って。しちゃうならその……お風呂入ってからにしないと。」
「お風呂……。そうか、二人で入ろうか。」
「そ、そうね……カモメも誘わないと。」
「あら。私もいいんですか?」
「そ、そうよ……カモメとは私の思い込みもあったし……。
 これを機にもっと仲良くならないと。」
「はい、それなら私も入りますね。」
「そ、そうだね……カモメも入らないとね……。」

 という訳で、カモメとナツミちゃんと、お風呂に入ることになってしまった。

 ・・・・・・。

「ん……ホラ。ナツミさんも脱がないと。」
「え、ええ……んしょ、っと。」
「う、うわ……っ。」

 それまでぼうっと見ていた俺だったが。さすがにカモメとナツミちゃんが脱ぎだしたときは声を出してしまう。

 ふぁさっ。

「ん……。」
「脱い……じゃった。」
「う、うわ、うわあああ……。」

 二人のランジェリー姿が露わになる。カモメは水色の地に薄灰色のレースと黄色いリボンが着いていて。ナツミちゃんは……意外と見えないところはふくふくしている。太っている訳じゃないけどこう……プ二プ二していそうというか。それに、見た目からはそんなにうかがえないのだが乳房も結構大きかった。きつめの印象だしスレンダーな体型だからお腹や腰周りや乳房は余計に目立ってしまうのだろう。そこはしっかり、丸みを帯びた姿をしていた。
 カモメはかりそめの身体と言っていたし、造形美と言えるほどの均整の取れた姿をしている。それと比べてしまうからかもしれないな。ナツミちゃんの体形はこう……普段のギャップとだらしないところがそそられてしまうというのか。
 ランジェリーも薄い黄色で水玉のドット。黄緑のレースと濃い緑のワンポイントのリボンで、何と言うかこう……意外に可愛い路線だった。

「ご、ゴクッ。」

 二人の並んでいる姿が本当に現実なのか、どうして俺はこういう目に逢えているのか全く身に覚えがなかったため、動悸がしてしまうし息だって呑んでしまう。

「ブラジャー、脱ぎましょう?」
「いいえ、ナツミさん。このままお風呂に行かないと。」
「そ、そうね……。」

 二人がスタスタと浴室の中に入ってしまったのだが。後ろ姿もくねくねと動くお尻も見てしまい、下半身がズキズキとなってしまう。

「う、ううう……俺、持つのか?」

 俺は前かがみになって服を脱ぎ始めた。

 がららら……。

「あら、渉さん。」
「来たの? 渉。」
「夢じゃ……ない……?」

 既にランジェリー姿で浴室に二人いて、なぜかランジェリーを身に着けたままでシャワーを浴びている。ブラジャーは透けていなかったが水滴が体中に滴っているし、パンティはその……。完全に張り付いているしカモメの方は肌色が浮かぶほど、透けてしまっている。ナツミちゃんも……色は薄い黄色だけど陰影のある肌色は……素肌なんだろうか。

「ううっ。」

 ナツミちゃんは正面を向いていて、恥毛の透けまで見えてしまっている。カモメはカモメでお尻の形がくっきりと浮かんでいるし色まで見えてしまっている。俺の肉棒は既にガチガチに勃起していた。

(こ、これ、どういう事なんだ!?)
(ナツミちゃんがこんな事、絶対するわけないし。)

 俺はどんどん、頭が混乱してくる。

(そ、そして……ナツミちゃんがエロい格好で俺を待ってくれている。)
(ご、合意なら、いいのかな?)

 しかしチャッカリ、ご相伴には預かる気でいた。それでも、それでもである。

「か、カモメ。」
「何ですか?」
「カモメがもし、ナツミちゃんに無理やり、こういう事をさせているなら。」
「いいえ。ナツミさんには素直になって貰っただけですよ。」
「そ、それなら、どうしてカモメが。」
「ナツミさんは一人じゃ不安なんです。だから私もいるんです。」
「え、ええと。それってつまり。」
「はい、ナツミさんに正直になって貰いました。」
「……。」

 いいのだろうか、いいのだろうかと思っている内に。

「ねえ、早く来て、渉。せっかくカモメも手伝ってくれているんだし。」
「あ、う、うん。」

 ナツミちゃんの俺を誘う言葉にあっさり俺は乗ってしまった。

「な、ナツミちゃん……。」
「渉……ちゅ。」

 浴室で、ナツミちゃんは濡れたランジェリー姿で、俺は全裸で抱き合ってキスまでしてしまっている。服を着ているときよりも危険度は強いというか、ナツミちゃんの体がふくふくして、おなかも柔らかくて、乳房もブラジャー越しからムニュムニュと当たっている。股間だって濡れて透けたパンティとむき出しの細い太ももに扱かれてしまっている。まだ手で触れる前から恥丘の感触まで股間で味わってしまっていて、どんどん勢いに乗ってしまっている。

「な、ナツミちゃん。おっぱい、触りたい……。」
「うん。いいわよ。」

 ナツミちゃんが乳房を抱くようにしてぷるんと揺らして寄せて俺に近づける。

「う、うわ……っ。あっ。」

 ナツミちゃんの乳房に手を寄せようとしたら、後ろから弾力のある感触に押されてむにゅんと鷲掴みにしてしまう。

「んんっ。渉……強い。」
「ご、ごめん。」

 やっぱりナツミちゃんの乳房も結構、大きかった。それに大きくてすごく柔らかい。ナツミちゃん、スレンダーなのに着くところに肉は着いているし柔らかいんだな。

「ごめんなさい。私も、後ろから……。」
「ううっ。」

 さっきから、背中を押す、むにゅんむにゅんとした感触はひょっとして。

「渉さん……良かったですね。」

 カモメに肩を抱かれてむにゅんと再び押されて確信した。ブラジャーの感触からして乳房だ。

「私、ナツミさんとはもっと時間がかかると思っていましたが。
 こんなに早くにこうなれるなんて。」
「う、うん。俺もそれについては、そう思った。」
「だから……逃がさないでくださいね。」
「……うん。」

 カモメは途中で中断させないようにしたのか。それにしたって方法が、とは思ったが。せっかく堪能してしまっているのだから言うだけ野暮である。意識をナツミちゃんに戻して。

「んっ、ああっ、んっ……。んんっ。」

 ぷるんと乳房が震えると、ナツミちゃんのブラジャーのカップもずれそうになって食い入るように見てしまう。

「な、ナツミちゃん……。」
「うん。私のおっぱい、見て……。」

 ナツミちゃんがプイと俺から顔を背けて次の行動を待っている。

 シュル……ッ。

 俺は迷わずブラジャーの肩ひもをずらした。ぷるんと震える大きな乳房と柔らかそうな形。そして、赤く充血した頂と乳輪があった。

「んっ。」

 ナツミちゃんは見られただけでプルプルと震えている。しかし俺はナツミちゃんに触れたかったし、その先にだって行きたかった。

「ナツミちゃん……はぷっ。」
「んっ、い、いきなり。あんっ!」

 ナツミちゃんは随分と大きい声を出して俺に頂を吸われている。口に含んだ感触は……あっという間に充血して膨らんでしまって、固くしこった感触だった。ナツミちゃんでも乳首が固くなるんだなと妙に感心してしまった。

「ちゅーっ、ちゅーっ、ちゅうううぅ……っ、ちゅうっ。」

 ちゅうちゅうと吸っていると、どんどんナツミちゃんの頂が固くなってくる。

「はあっ。あっ、す、吸いすぎっ。」
「ご、ごめん。夢中になって吸ってた。」
「いいけど、片方ばっかりだとこっちだけ大きくなっちゃうじゃん。」

 そういう心配だったのかと思ったが本人には切実な悩みなのかもしれない。俺は慈愛を込めてナツミちゃんの乳房を舐めてお別れするともう片方にも赤子のように吸いついた。

「ちゅー……っ。」
「んっ、んんっ!」

 ナツミちゃんがすでに透けてしまっているパンティを左右によじらせながら太ももをすり合わせている。

「ナツミちゃん……そろそろ。」
「あっ。」

 俺はナツミちゃんのパンティ越しから恥丘を撫で、そのあまりの柔らかさと対照的にジャリッとした感触のする恥毛の存在まで確認してしまう。

「う、うわ。ナツミちゃんのってこうなっていたんだ。」
「か、感想は言わなくていい。」
「ご、ごめん。でも俺。こんな……。」
「だからいいってば……あんっ。」

 形に添って指を這わせていくと、すでに蜜が出ていたのかにゅるんとした感触が置くに行くほど進んでいく。でも俺はナツミちゃんの乳房と、体ももうちょっと堪能していたくて。乳房をむにゅんとつかむ様に揉みながら、もう片方の乳房に唇を付けていき。柔らかそうなあばらや腹部にも唇を付けていく……。

「んっ、ひゃぅっ! あっ、あっ。あんっ!」

 愛撫で感じているというよりはくすぐったくて悶えているようだ。お腹のあたりが柔らかくて、すべすべしていて。いくらでも口を付けたくなってしまう。

「ナツミちゃん、こっちも……。」
「あ、ああっ!」

 花弁に触れると、もう既にナツミちゃんのそこは完全に泉となっていた。

 きゅっ。くちゅっ。ちにゅっ。

「あっ、きゃあああ!」

 肉芽を探り当て、つまむように捏ねると、あっという間にナツミちゃんが果ててしまっていた。

「ず。ずるいよナツミちゃん。俺だって早く、いきたいのに……。」
「だ、だからそれは。」
「大丈夫です、ナツミさん。避妊の加護を付けておきますね。」
「え? あ……っ。」

 ポウッとナツミちゃんのお腹が暖かい光に包まれ、光が体に吸い込まれていった。

「ナツミさん。避妊の準備をしていなかったみたいで。」
「ああ。」

 準備ってそれか。確かにこうなるとは俺もナツミちゃんも予想していなかったけど、勢いで流してしまうところだったんだろう。

「ナツミさんが孕んでもいいと思った時に、それは解除されるようになっています。」

 神様の管轄って望まない妊娠にまで及んでいたのかと感心してしまった。

「これだけ我慢したら、きっと濃いのが出て……ナツミさんも妊娠してしまいます。」
「う、うん。」

 そういう言われ方をすると反射としてどうしてもドキドキしてしまう俺。

「だけど、こんなに濃いのは、きっとナツミさんの中に出すのがいいと思います。
 子種を仕込まれて、孕むのを思い浮かべるような初体験を刻んであげてください。」

 神様って人間の種の保存に対して本能的なのだろうか。随分と直接的である。

「う、うん。想像だけでも孕ませてあげるね、ナツミちゃん……。」

 しかし俺も乗り気だった。ここまで言われてその気になってしまったのである。
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