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序章
橘
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僕は至極普通な大学生である。
講義は適度に睡眠時間として有効活用し、
レポートは
偉大なる先輩方のものを真似した。
友人はつくらない。
僕のキャンパスライフを有意義なものにするためには常に1人で己を磨き続けなければならないのだ。
ここで1つ誤解しないで頂きたい。
友人ができないのではない。
つくらないんである。
「橘、お前はまた1人で食ってんのか」
これは中学からの腐れ縁で、
僕が友人をつくれないと思っている阿呆。
「叶君こそ僕を見つけるまで
1人だったんじゃないのかい」
「パソコン見てたんだよ」
「君は一生、機械と戯れてるがいいよ。
その無機質な画面がお似合いだ」
叶君はコンピューターの天才である。
その業界では注目されつつある
クリエイターだ。
人間と話すよりも機会をいじっていた方が
楽しいだろうに。
「人生相談なんて御免だぞ」
「間違っても君にはしない」
「失礼千万。僕が聞く気のうちに
話したまえ」
叶君はおもむろに手提げカバンから
愛用のパソコンを取り出して僕の隣で
立ち上げ始めた。
「新しくつくったアプリの自慢か」
「黙れ」
メールの受信箱を開くと、叶君は
一通のメールを指した。
「これを見ろ」
講義は適度に睡眠時間として有効活用し、
レポートは
偉大なる先輩方のものを真似した。
友人はつくらない。
僕のキャンパスライフを有意義なものにするためには常に1人で己を磨き続けなければならないのだ。
ここで1つ誤解しないで頂きたい。
友人ができないのではない。
つくらないんである。
「橘、お前はまた1人で食ってんのか」
これは中学からの腐れ縁で、
僕が友人をつくれないと思っている阿呆。
「叶君こそ僕を見つけるまで
1人だったんじゃないのかい」
「パソコン見てたんだよ」
「君は一生、機械と戯れてるがいいよ。
その無機質な画面がお似合いだ」
叶君はコンピューターの天才である。
その業界では注目されつつある
クリエイターだ。
人間と話すよりも機会をいじっていた方が
楽しいだろうに。
「人生相談なんて御免だぞ」
「間違っても君にはしない」
「失礼千万。僕が聞く気のうちに
話したまえ」
叶君はおもむろに手提げカバンから
愛用のパソコンを取り出して僕の隣で
立ち上げ始めた。
「新しくつくったアプリの自慢か」
「黙れ」
メールの受信箱を開くと、叶君は
一通のメールを指した。
「これを見ろ」
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