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ま、まさかの、

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「ん?ん~」
声を出したくても声が出ない。身動きもあまりできず、身体が鉛のように重たい。ぐるっと見てみると、見たことのない装飾品が沢山ある。まるで異世界に来たみたいだ。
「どうしたのかな?私の天使~お母様ですよ~」
て、天使!?私が!?お母様!?
え!?若い!そしてお美しい、女神様だ、、、
母はローズ・フルールといい、社交界では片手に入るほどの美人だと有名だ。

ガチャ

「ただいま、ローズ」
イケメンが部屋に入ってきてローズのほっぺにキスを落とした。このイケメンはローズの夫であり、メルの父である、アーロン・フルールである。
「もうっ、お帰りなさいませ、お出迎え出来なくてすみません。」
少し怒り口調だが、顔はとても嬉しそうだ。
「いや、大丈夫だ。メルを見てくれてるんだから、気にするな」
「ありがとうございます。」
私を置いて美男美女がいちゃついている。目のやり場に困ると、目を逸らし2人が落ち着くのを待っていた。

「ただいま、メル」
メルのほっぺにもキスを落とした。しかし、メルはそれどころではなかった。
める、私の名前と同じだ。確か女の子を庇ってトラックに轢かれて、それから、
目が覚めたらここにいた。そして今目の前にいる美男美女はおそらく私の両親。
ということはメルに転生したということなのか。そして今は赤ちゃん。
などと考えていると急に涙が出てきた。考えすぎてお腹が空いたのだろう。赤ちゃんのさがには勝てなかった。お腹いっぱいにミルクを貰い、眠気が唐突に襲ってきて、いつのまにか寝てしまっていた。


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